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すべての地域を見る →都道府県ごとに伝統工芸・郷土料理をまとめて紹介しています

京都府
平安京以来千年の都として、公家・武家・寺社・町衆それぞれの文化が層を成して積み重なってきた京都府。西陣織や京友禅、清水焼をはじめとする伝統工芸は分業体制のもとで洗練を極め、湯豆腐や京漬物、八ツ橋といった食文化も禅寺や祭礼、町衆の暮らしと深く結びついて今に伝わる。工芸・食ともに全国有数の層の厚さを持つ地域で、五条坂や西陣、上賀茂、大原など、産地や名店を訪ね歩くこと自体が観光の楽しみになっている。
- ✓西陣織
- ✓京友禅
- ✓清水焼・楽焼
- ✓湯豆腐
- ✓八ツ橋
- ✓鱧料理

石川県
加賀藩前田家の治世のもと、茶の湯や能楽など武家文化を背景に育まれた工芸・食の層の厚い地域。輪島塗や九谷焼、加賀友禅をはじめとする漆器・陶磁器・染織の伝統的工芸品が数多く残り、金沢箔や大樋焼など前田家ゆかりの技も息づく。かぶら寿司や治部煮、香箱ガニなど日本海の恵みと発酵の知恵を生かした郷土料理も豊富で、金沢の近江町市場や兼六園周辺を中心に、産地や老舗をめぐる旅が楽しめる。
- ✓輪島塗
- ✓九谷焼
- ✓加賀友禅
- ✓治部煮
- ✓かぶら寿司
- ✓香箱ガニ

奈良県
710年の平城京遷都以来、日本の政治・文化の中心として栄えた歴史を持つ地域。東大寺・興福寺・春日大社など寺社の造営とともに漆芸・木工・製紙・製筆・製墨といった工芸文化が育まれ、高山茶筌や奈良筆、奈良墨など今なお国内シェアの大半を占める工芸品が数多く残る。柿の葉寿司や三輪素麺、奈良漬など、海のない盆地ならではの保存食文化に根ざした郷土料理も豊か。奈良町や東大寺・春日大社周辺、桜井市の三輪山麓など、寺社と職人町が一体となった街歩きが楽しめる。
- ✓高山茶筌
- ✓奈良筆
- ✓奈良墨
- ✓赤膚焼
- ✓柿の葉寿司
- ✓三輪素麺

神奈川県
鎌倉時代には武家政権の拠点として、江戸時代には東海道の宿場町として、幕末以降は横浜開港により日本の近代化・西洋文化受容の玄関口として栄えてきた地域。鎌倉では禅宗文化を背景に鎌倉彫が育まれ、箱根・小田原では豊かな森林資源を生かした寄木細工・漆器・鋳物などの木工・金工の技が発展した。横浜港の開港は洋家具やスカーフ、牛鍋・シュウマイといった西洋・中華文化を取り入れた食文化を生み、相模湾・三浦半島の漁業や大山詣りの参拝文化も、しらす丼やマグロ料理、精進豆腐といった郷土の味を育んできた。武家文化・宿場町文化・開港文化・漁村文化が重なり合う、多層的な魅力を持つ地域。
- ✓鎌倉彫
- ✓箱根寄木細工
- ✓小田原漆器
- ✓けんちん汁
- ✓生しらす丼
- ✓サンマーメン

北海道
日本最北の大地・北海道は、アイヌ民族が育んだ独自の文化と、明治以降の開拓の歴史が重なり合う地域です。二風谷イタ・二風谷アットゥシは経済産業大臣指定伝統的工芸品として北海道で初めて指定されたアイヌ工芸で、木彫り熊や小樽ガラスは開拓期の暮らしから生まれた民芸・産業工芸として今に伝わります。食では、鮭漁で栄えた石狩の石狩鍋・ちゃんちゃん焼き、羊肉食普及から広まったジンギスカンなど、大地と海の恵みを生かした郷土料理が豊富です。広大な面積ゆえ産地は道内各地に点在し、平取・八雲・旭川・小樽・岩見沢・石狩・松前など、地域ごとに異なる歴史と食文化を巡る楽しみがあります。
- ✓二風谷イタ
- ✓二風谷アットゥシ
- ✓木彫り熊
- ✓小樽ガラス
- ✓石狩鍋
- ✓ジンギスカン

青森県
本州最北端に位置し、津軽・南部という異なる文化圏を内包する地域。江戸期に弘前藩の産業振興策から生まれた津軽塗や、寒さをしのぐ知恵から育まれた津軽こぎん刺し・南部菱刺しといった刺し子文化など、対照的な二つの地域性が織りなす工芸が豊富。食では、鱈やホタテ、ウニ・アワビなど陸奥湾・太平洋の海の幸を活かした汁物、南部せんべいを使った独自の粉食文化、戦後の屋台文化から生まれたご当地グルメまで幅が広い。青森ねぶた祭・弘前ねぷたまつり・八戸三社大祭という県内三大祭りが夏を彩る。
- ✓津軽塗
- ✓津軽こぎん刺し
- ✓南部菱刺し
- ✓せんべい汁
- ✓いちご煮
- ✓十和田バラ焼き

岩手県
本州最大の面積を誇り、北上山地・奥羽山脈の山々と三陸の海に育まれた地域。江戸期の南部藩・伊達藩それぞれの御用工芸として発展した南部鉄器・秀衡塗・浄法寺塗・岩谷堂箪笥の4つの伝統的工芸品を擁し、明治期に伝わった羊毛のホームスパンなど、産地としての層の厚さが際立つ。食では、盛岡三大麺(わんこそば・盛岡冷麺・じゃじゃ麺)に代表される粉食文化、前沢牛・いわて短角牛の2つのブランド牛、久慈のまめぶ汁や一関・平泉の多彩なもち料理など、南部と伊達、内陸と沿岸それぞれの気候・歴史が育んだ食文化が豊富。中尊寺金色堂を擁する平泉は2011年に世界文化遺産に登録された。
- ✓南部鉄器
- ✓秀衡塗
- ✓わんこそば
- ✓盛岡冷麺
- ✓前沢牛
- ✓まめぶ汁

愛知県
日本六古窯に数えられる常滑・瀬戸の二大陶都を擁し、有松・鳴海絞りや尾張七宝、名古屋仏壇・尾張仏具といった城下町ならではの分業型工芸が今も息づく地域。徳川御三家・尾張徳川家の城下町として栄えた名古屋を中心に、豆味噌(八丁味噌)を使った味噌カツ・味噌煮込みうどんや、ひつまぶし・手羽先・きしめんなど「名古屋めし」と呼ばれる濃厚な食文化が全国的な知名度を誇る。喫茶店でモーニングを楽しむ独自の文化や、ういろう・小倉トーストといった甘味も名物。三河地方では豊橋筆や三河木綿など、江戸期から続く手仕事の産地としての層の厚さも見どころ。
- ✓常滑焼
- ✓瀬戸焼
- ✓有松・鳴海絞り
- ✓ひつまぶし
- ✓味噌カツ
- ✓八丁味噌

宮城県
東北地方の中心都市・仙台市を擁し、伊達政宗が築いた城下町の歴史と、日本三景・松島に代表される三陸の海の恵みが同居する地域。宮城伝統こけし・雄勝硯・仙台箪笥・鳴子漆器の4つの国指定伝統的工芸品をはじめ、堤焼や仙台平など仙台藩の御用工芸として育まれた手仕事が今も受け継がれる。食では牛たん焼き・ずんだ餅・笹かまぼこといった仙台名物から、はらこ飯・せり鍋など県南の郷土料理、気仙沼のふかひれ料理まで、内陸と沿岸それぞれの気候・産業が育んだ食文化が豊富に揃う。2011年の東日本大震災からの復興の歩みも、雄勝硯をはじめとする地域産業の物語として今に伝わる。
- ✓宮城伝統こけし
- ✓雄勝硯
- ✓牛たん焼き
- ✓ずんだ餅
- ✓松島
- ✓笹かまぼこ

佐賀県
有田焼・伊万里焼・唐津焼という日本を代表する三大陶磁器産地を擁し、「やきものの国」として世界にその名を知られる地域。1616年に日本で初めて磁器が焼かれた有田をはじめ、将軍家への献上品を焼いた「秘窯の里」大川内山、茶人に愛された唐津焼の窯場など、陶磁器文化の奥深さは随一。佐賀錦や鍋島緞通、肥前びーどろといった佐賀藩の保護のもとで育まれた繊細な手仕事も今に伝わる。有明海の広大な干潟が育むムツゴロウやワラスボ、がん漬けなど独自の食文化に加え、佐賀牛や呼子イカ、小城羊羹といった全国区の名物も豊富。長崎街道が通った小城・鹿島の砂糖文化と、有明海・玄界灘という二つの海に育まれた食の多様性も魅力。
- ✓有田焼
- ✓伊万里焼
- ✓唐津焼
- ✓佐賀錦
- ✓呼子イカ
- ✓佐賀牛
- ✓小城羊羹

岡山県
岡山県は瀬戸内海の温暖な気候「晴れの国」として知られ、備前焼をはじめとする焼き物文化と、児島デニム・倉敷帆布に代表される繊維産業の双方が今も息づく地域です。日本六古窯の一つに数えられる備前焼の窯元が集まる伊部、国産ジーンズ発祥の地とされる倉敷市児島、白壁の町並みが残る倉敷美観地区など、ものづくりの歴史を感じられるスポットが県内各地に点在します。食文化では、瀬戸内海で獲れる魚介を使ったままかり寿司や岡山ばら寿司、桃太郎伝説にちなむきび団子など、独自の郷土料理・銘菓が受け継がれています。
- ✓備前焼
- ✓児島デニム
- ✓ままかり寿司
- ✓きび団子

滋賀県
日本最大の湖・琵琶湖を中心に据える滋賀県は、日本六古窯の一つ信楽焼をはじめ、彦根仏壇・長浜仏壇という二大仏壇産地、近江商人が全国に流通させた麻織物・近江上布など、多彩な伝統工芸が息づく地域です。大津の三井寺参道では江戸期から続く大津絵や組紐づくりが今も受け継がれ、高島市安曇川町は全国の扇子骨の9割を生産する扇骨の里として知られます。食文化では、江戸時代から続く日本三大和牛の一つ近江牛や、日本最古の寿司の形とされる鮒寿司、琵琶湖固有種ビワマス・セタシジミを使った湖魚料理など、湖国ならではの恵みが今も食卓を彩ります。大津・彦根・長浜・信楽・高島・近江八幡と、湖の四方に個性豊かな産地が点在するのが滋賀県の魅力です。
- ✓信楽焼
- ✓彦根仏壇
- ✓近江上布
- ✓近江牛
- ✓鮒寿司
- ✓琵琶湖

岐阜県
美濃と飛騨、二つの異なる風土がひとつの県に同居する「ものづくりと郷土料理の宝庫」。美濃地方では国内食器の約6割を生産する美濃焼をはじめ、ユネスコ無形文化遺産の本美濃紙を含む美濃和紙、刃物の産地として世界に知られる関市など、実用と美を兼ね備えた手仕事が今も息づく。飛騨高山では一位一刀彫や飛騨春慶塗、飛騨家具といった匠の技が古い町並みとともに受け継がれ、朴葉味噌や飛騨牛、高山ラーメンといった山国ならではの食文化を育んできた。長良川の鵜飼や郡上おどりに代表される清流・山あいの暮らしの文化も、この県の大きな魅力のひとつ。
- ✓美濃焼
- ✓美濃和紙
- ✓一位一刀彫
- ✓飛騨春慶塗
- ✓関の刃物
- ✓飛騨牛
- ✓朴葉味噌
- ✓高山ラーメン

沖縄県
琉球王国として独自の歴史を歩んできた沖縄県は、中国・東南アジアとの交易によって育まれた独自の工芸・食文化を今に伝える。琉球びんがたや壺屋焼(やちむん)、琉球漆器、首里織・芭蕉布・久米島紬・宮古上布など、王朝文化に根差した染織・陶芸・漆芸が離島ごとに多様な様式で受け継がれ、経済産業大臣指定の伝統的工芸品の数は全都道府県で最多を誇る。食文化では豚を余すことなく使う独自の食習慣や、ゴーヤーチャンプルー・ラフテーといった県民食、もずく・海ぶどうなど島の海が育む食材が根付いている。
- ✓琉球びんがた
- ✓壺屋焼(やちむん)
- ✓琉球ガラス
- ✓首里織
- ✓芭蕉布
- ✓沖縄そば
- ✓ゴーヤーチャンプルー
- ✓サーターアンダギー

栃木県
日光の社寺群や那須高原の雄大な自然と、脈々と受け継がれてきた手仕事・食文化が共存する県。江戸時代に濱田庄司が拠点とし民藝運動の中心地となった益子焼、ユネスコ無形文化遺産の結城紬、日光東照宮の彫刻師の技を今に伝える日光彫など、多彩な伝統工芸が育まれてきた。食文化では、満州帰りの将兵が伝えた宇都宮餃子や、青竹打ち麺が特徴の佐野ラーメン、初午に稲荷へ供えるしもつかれといった郷土色豊かな料理が並ぶ。関東平野の穀倉地帯と山あいの清流に恵まれ、小麦・かんぴょう・いちごなど農産物の産地としても知られ、とちぎ和牛のブランド化にも力を入れている。
- ✓益子焼
- ✓結城紬
- ✓日光彫
- ✓天明鋳物
- ✓宇都宮餃子
- ✓佐野ラーメン
- ✓しもつかれ
- ✓日光湯波

富山県
北アルプス立山連峰と富山湾という高低差4,000メートルの雄大な自然に育まれた県。加賀藩の保護のもと発展した高岡銅器・高岡漆器・井波彫刻などの金工・木工文化が今も息づき、瑞泉寺の欄間彫刻に代表される社寺建築の技も伝わる。富山湾は「天然のいけす」と称され、春のホタルイカ、初夏から秋の白えび、冬の寒ブリなど、四季折々の海の幸を生かした郷土料理が豊富で、押し寿司の「ますのすし」は全国的にも知られる富山土産の代表格である。
- ✓高岡銅器
- ✓高岡漆器
- ✓井波彫刻
- ✓越中和紙
- ✓ますのすし
- ✓ほたるいかの酢味噌和え
- ✓白えびのかき揚げ
- ✓富山ブラック

東京都
江戸時代から続く政治・商業の中心地として、武家文化と町人文化がともに育んだ工芸と食が今も息づく地域。江戸切子・東京染小紋・本場黄八丈などの染織・ガラス工芸は、参勤交代で全国から集まった職人の技が江戸で磨かれた歴史を持つ。食文化も屋台料理から発展した江戸前寿司や、下町の駄菓子屋文化が生んだもんじゃ焼きなど、庶民の暮らしと結びついた郷土料理が豊富で、月島・両国・浅草・日本橋といった下町エリアには今も専門店や職人の工房が点在する。
- ✓江戸切子
- ✓東京染小紋
- ✓本場黄八丈
- ✓東京銀器
- ✓江戸前寿司
- ✓もんじゃ焼き
- ✓どぜう鍋
- ✓深川めし

福岡県
九州の玄関口として大陸との交流の歴史を色濃く残す福岡県。博多織・博多人形をはじめとする伝統工芸は貿易都市・博多の繁栄とともに育まれ、上野焼・小石原焼・久留米絣など県内各地に個性豊かな産地が広がる。食文化も豚骨ラーメンやもつ鍋、水炊きといった博多グルメから、辛子明太子や梅ヶ枝餅のような土産物まで層が厚く、屋台文化とともに独自の食のスタイルを築いてきた。工芸・食ともに大陸文化を柔軟に取り込みながら独自に発展させてきた点が福岡らしさといえる。
- ✓博多織
- ✓博多人形
- ✓久留米絣
- ✓博多ラーメン
- ✓もつ鍋
- ✓辛子明太子

秋田県
豊かな秋田杉の森と日本有数の米どころに育まれ、木工・漆器・金工など手仕事の技と、米・麹を活かした食文化がともに深く根付く県。大館曲げわっぱや樺細工、川連漆器といった国指定の伝統的工芸品に加え、角館の白岩焼・楢岡焼など復興を遂げた焼き物も息づく。食では、比内地鶏の出汁が香るきりたんぽ鍋や日本三大うどんの一つ稲庭うどん、燻したくあんのいぶりがっこなど、雪国ならではの知恵が生んだ郷土料理が数多く伝わる。角館の武家屋敷や八郎潟、田沢湖など四季折々の自然景観も魅力で、夏には秋田竿燈まつりや大曲の花火が県内外から多くの人を集める。
- ✓大館曲げわっぱ
- ✓川連漆器
- ✓樺細工
- ✓きりたんぽ鍋
- ✓稲庭うどん
- ✓いぶりがっこ

茨城県
関東平野の北東に位置する茨城県は、日本三名園「偕楽園」の梅と徳川御三家・水戸藩の歴史を伝える県央、霞ヶ浦の帆引き船漁が育んだ湖の食文化、笠間焼や結城紬をはじめとする多彩な伝統工芸、あんこう鍋や常陸牛など海と大地の恵みを生かした郷土料理が息づく地域です。全国有数の農業県・漁業県として納豆や干しいも、れんこんなどの生産量日本一を誇る一方、真壁石燈籠や水府提灯といった手仕事も今なお受け継がれています。
- ✓結城紬
- ✓笠間焼
- ✓水戸納豆
- ✓あんこう鍋
- ✓干しいも

群馬県
赤城山・榛名山・妙義山の上毛三山と、伊香保・草津をはじめとする豊富な温泉に恵まれた内陸県。奈良時代から続く桐生織・伊勢崎絣の絹織物産地としての歴史を持ち、「西の西陣、東の桐生」と称されるほどの織物文化が今も息づく。全国生産量の約8割を占める高崎だるまや、伊香保温泉の湯の花を生かした伊香保焼など、暮らしと結びついた工芸も多彩。食文化では、幅広麺を野菜と煮込むおきりこみや、甘辛い味噌だれの焼きまんじゅうといった小麦粉料理が根づき、牛肉・ねぎ・こんにゃく・しいたけのすべてを県内産でまかなえる「すき焼き自給率100%」の土地としても知られる。日本三大うどんの一つ・水沢うどんの街道めぐりや、こんにゃく生産量日本一を生かした郷土料理など、山と温泉と粉食文化が織りなす群馬ならではの旅が楽しめる。
- ✓桐生織
- ✓伊勢崎絣
- ✓高崎だるま
- ✓伊香保焼
- ✓おきりこみ
- ✓水沢うどん
- ✓焼きまんじゅう
- ✓すき焼き自給率100%

山形県
出羽三山や蔵王連峰、最上川に抱かれた山形県は、村山・最上・置賜・庄内の4つの地域ごとに異なる気候風土が育んだ多彩な手仕事と食文化が息づく県です。全国生産量の約95%を占める天童将棋駒や、上杉鷹山の殖産興業に端を発する置賜紬、約900年の歴史を持つ山形鋳物など5つの経済産業大臣指定伝統的工芸品を有し、北前船の寄港地・酒田には船箪笥や庄内刺し子といった独自の手仕事も伝わります。食では秋の風物詩「芋煮会」で親しまれる芋煮や、日本三大和牛の一つ米沢牛、串に刺した玉こんにゃくなど、地域ごとに個性豊かな郷土の味が受け継がれています。夏には山形花笠まつりが県内外から多くの人を集めます。
- ✓天童将棋駒
- ✓置賜紬
- ✓山形鋳物
- ✓芋煮
- ✓米沢牛
- ✓玉こんにゃく

福島県
猪苗代湖や磐梯山を望む会津、中通り、浜通りの三地方からなる福島県は、江戸時代から受け継がれる手仕事と、山海の恵みを生かした郷土料理が今も息づく地域です。会津若松の鶴ヶ城を中心に発展した会津塗・会津本郷焼をはじめ、赤べこや三春駒など全国に知られる郷土玩具、東日本大震災からの再興を続ける大堀相馬焼など、国指定の伝統的工芸品を含む多彩な手仕事が受け継がれています。食では会津の祝い膳こづゆ、日本三大ラーメンの一つ喜多方ラーメン、郡山発祥の円盤餃子など、三地方それぞれに個性豊かな味が息づいています。
- ✓会津塗
- ✓大堀相馬焼
- ✓会津本郷焼
- ✓赤べこ
- ✓こづゆ
- ✓喜多方ラーメン

埼玉県
東京都に隣接し、江戸・東京の暮らしを支える職人技と食文化が今も息づく県。日光東照宮の造営に集まった職人が住み着いた岩槻の人形づくりや、荒川・芝川流域の砂に恵まれた川口の鋳物、秩父地方の絹織物「秩父銘仙」など、産業として発展した伝統工芸が多彩に残る。小江戸として知られる川越の芋菓子文化や、行田の足袋・ご当地グルメ「ゼリーフライ」、秩父の山里に伝わるみそポテトやしゃくし菜漬けなど、庶民の暮らしに根づいた食も豊富。武蔵野の台地から秩父の山あいまで、地域ごとに異なる産業・食文化が育まれてきた。
- ✓岩槻人形
- ✓秩父銘仙
- ✓川口鋳物
- ✓行田足袋
- ✓草加せんべい
- ✓ゼリーフライ
- ✓みそポテト

千葉県
三方を海に囲まれた房総半島を擁する千葉県は、日本三大うちわの一つ「房州うちわ」や鍛冶職人の技が息づく「千葉工匠具」など、海と共に生きた人々の知恵が育んだ伝統工芸が今も受け継がれています。銚子・九十九里の漁師町では、アジを叩いた「なめろう」や断面に絵柄が浮かぶ「太巻き祭り寿司」など、豊かな漁場に支えられた郷土料理が発達しました。成田山新勝寺の門前町や、東京湾に面した行徳の神輿づくりなど、江戸と隣り合う土地ならではの職人文化も色濃く残っています。
- ✓房州うちわ
- ✓千葉工匠具
- ✓なめろう
- ✓太巻き祭り寿司
- ✓勝浦タンタンメン

新潟県
日本海に面し、信濃川が流れる新潟県は、豪雪の暮らしが育んだ手仕事と米どころの食文化が息づく県です。経済産業大臣指定の伝統的工芸品は17品目にのぼります。反物を雪にさらして仕上げる小千谷縮をはじめ、塩沢紬や十日町絣などの織物、村上木彫堆朱や新潟漆器といった漆芸が受け継がれてきました。燕三条では燕鎚起銅器や越後三条打刃物など金属加工の技が、加茂では桐簞笥づくりが今も盛んです。佐渡の無名異焼は、金山の赤土を焼き締めた硬い器です。食では、布海苔をつなぎにした魚沼・小千谷のへぎそばや、村上の塩引き鮭、里芋のとろみを生かした煮物のっぺが知られます。新潟市のタレカツ丼やイタリアン、笹団子など、個性豊かな味も楽しめます。
- ✓小千谷縮
- ✓燕鎚起銅器
- ✓越後三条打刃物
- ✓村上木彫堆朱
- ✓へぎそば
- ✓塩引き鮭
- ✓笹団子

福井県
日本海に面した福井県は、北の嶺北と南の若狭で異なる手仕事と食文化が育まれてきた県です。経済産業大臣指定の伝統的工芸品は7品目あります。越前市・鯖江市・越前町には、越前漆器や越前和紙、越前打刃物、越前箪笥、日本六古窯の越前焼の産地が集まっています。鯖江市は国産めがねフレームの一大産地です。若狭の小浜市では、卵殻や貝殻を塗り込めて研ぎ出す若狭塗と、若狭めのう細工が受け継がれています。食では、冬の味覚の越前がにや、大根おろしで味わう越前おろしそば、ヨーロッパ軒のソースカツ丼が知られます。鯖街道の起点・小浜の浜焼き鯖やへしこ、冬にこたつで食べる水ようかんなど、土地の暮らしに根ざした味も楽しめます。
- ✓越前和紙
- ✓越前漆器
- ✓越前打刃物
- ✓越前焼
- ✓若狭塗
- ✓越前がに
- ✓越前おろしそば
- ✓ソースカツ丼

山梨県
富士山と南アルプスに囲まれた山梨県は、甲府盆地を中心とする国中(くになか)地方と、富士北麓の郡内(ぐんない)地方で異なる手仕事と食文化が育まれてきた県です。経済産業大臣指定の伝統的工芸品は、甲州水晶貴石細工・甲州印伝・甲州手彫印章の3品目です。甲府では、鹿革に漆で柄を付ける印伝や水晶の研磨が受け継がれ、ジュエリー産業へとつながりました。市川三郷町の六郷ははんこの里として知られ、富士川沿いには西嶋和紙や雨畑硯の産地があります。郡内の富士吉田市や西桂町は、甲斐絹の流れをくむ先染め織物の産地です。食では、味噌仕立ての汁で麺を煮込むほうとうや、コシの強い吉田のうどんが知られます。甲府鳥もつ煮やあわびの煮貝、信玄餅、甲州市の枯露柿など、名物の味も楽しめます。
- ✓甲州印伝
- ✓甲州手彫印章
- ✓甲州水晶貴石細工
- ✓郡内織物(甲斐絹)
- ✓西嶋和紙
- ✓ほうとう
- ✓吉田のうどん
- ✓信玄餅

長野県
日本アルプスに囲まれた長野県は、北信・東信・中信・南信の各地域で、山の恵みを生かした手仕事と食文化が育まれてきた県です。経済産業大臣指定の伝統的工芸品は7品目あります。木曽谷では、塩尻市木曽平沢の木曽漆器や、南木曽町の木地師が挽く南木曽ろくろ細工が受け継がれています。城下町松本の松本家具、上田などで織られる信州紬、信濃町の信州打刃物も国の指定を受けています。雪深い北信の飯山市では、内山紙と飯山仏壇が作られています。飯田市は水引の一大産地です。食では、冷涼な高地で育つそばを使った信州そばが知られます。北信のおやき、野沢温泉村発祥とされる野沢菜漬け、塩を使わない木曽のすんき漬けも長野の味です。松本・塩尻の山賊焼き、伊那のローメン、佐久鯉、小布施の栗菓子など、土地ごとの名物も楽しめます。
- ✓木曽漆器
- ✓松本家具
- ✓信州紬
- ✓内山紙
- ✓飯田水引
- ✓信州そば
- ✓おやき
- ✓野沢菜漬け

静岡県
富士山と駿河湾に抱かれた静岡県は、東西に長く延びる東海道沿いで、手仕事と食の文化が育まれてきた県です。徳川家康が晩年を過ごした駿府(現在の静岡市)には、久能山東照宮や静岡浅間神社の造営で全国から職人が集まりました。その技を受け継ぐ駿河竹千筋細工や駿河雛具・駿河雛人形は、経済産業大臣指定の伝統的工芸品です。駿河漆器や駿河塗下駄、賤機焼も静岡市で作られています。遠州と呼ばれる県西部では、浜松注染そめや遠州綿紬、掛川葛布などの染織が盛んです。島田市金谷の志戸呂焼、伊豆市の修善寺紙も古い歴史を持ちます。食では、黒いだし汁の静岡おでんや黒はんぺん、駿河湾の桜えびのかき揚げが知られます。浜松餃子と浜名湖のうなぎ、富士宮やきそばも各地の名物です。安倍川もちや追分羊かん、わさび漬けなど、街道の土産として親しまれてきた味も残ります。
- ✓駿河竹千筋細工
- ✓駿河雛具・駿河雛人形
- ✓志戸呂焼
- ✓掛川葛布
- ✓静岡おでん
- ✓浜松餃子
- ✓富士宮やきそば
- ✓桜えびのかき揚げ

三重県
伊勢神宮を擁する三重県は、東海道や伊勢街道を行き交う人々の往来の中で、手仕事と食の文化が育まれてきた県です。経済産業大臣指定の伝統的工芸品は、伊賀焼、四日市萬古焼、伊賀くみひも、鈴鹿墨、伊勢形紙の5品目です。伊勢春慶や伊勢一刀彫は、江戸時代に伊勢参りの土産として広まりました。松阪木綿の控えめな縞柄は、松阪商人の手で江戸に運ばれ「粋」と好まれました。尾鷲わっぱや桑名鋳物も、県の伝統工芸品に指定されています。食では、参拝客をもてなしてきた伊勢うどんや赤福餅、志摩の漁師飯である手こね寿司が知られます。松阪牛のすき焼き、桑名の焼き蛤、四日市とんてき、亀山みそ焼きうどんも各地の名物です。伊賀の城下町に伝わる養肝漬やかたやき、熊野灘の秋刀魚で作るさんま寿司など、土地の暮らしに根ざした味も受け継がれています。
- ✓伊賀焼
- ✓四日市萬古焼
- ✓伊賀くみひも
- ✓伊勢形紙
- ✓伊勢うどん
- ✓赤福餅
- ✓松阪牛
- ✓手こね寿司

大阪府
大阪府は、江戸時代に「天下の台所」と呼ばれ、全国の物産と人が集まる商都として栄えてきました。その流れの中で、手仕事と食の文化が育まれています。経済産業大臣指定の伝統的工芸品は、堺打刃物、大阪浪華錫器、大阪欄間、大阪唐木指物、大阪泉州桐箪笥、大阪金剛簾、大阪仏壇、浪華本染めの8品目です。堺の包丁はプロの料理人に広く使われ、注染の手拭いや手織りの緞通も堺で受け継がれています。和泉市の蜻蛉玉、泉州の桐箪笥、富田林や河内長野の簾など、府内の各地にも産地があります。食では、たこ焼きやお好み焼きといった「粉もの」、新世界の串カツ、船場生まれとされるきつねうどんがよく知られます。箱寿司やバッテラなどの大阪寿司、ふぐのてっちり、鯨と水菜のハリハリ鍋も大阪ならではの味です。泉州の水なす漬、粟おこし・岩おこし、堺のくるみ餅など、土地に根ざした名物も味わえます。
- ✓堺打刃物
- ✓浪華本染め
- ✓大阪欄間
- ✓大阪泉州桐箪笥
- ✓たこ焼き
- ✓お好み焼き(大阪風)
- ✓きつねうどん
- ✓大阪寿司(箱寿司・バッテラ)
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Annaka Uchihamono
安中打刃物は、群馬県安中市で受け継がれてきた鍛造の農具・刃物です。安中市はかつて養蚕が盛んな土地で、明治時代から農作業に欠かせない鍛造農具を作る鍛冶職人が数多く活動し、旧安中市内には鍛冶にちなんだ地名が今も残っています。熱した鉄や鋼を何度もハンマーで打ち鍛えて成形する「打ち刃物」の技法は、日本刀づくりの技術に連なるもので、型を使って大量生産される刃物とは異なり、一本一本を職人の手で仕上げるのが特徴です。草カキや手鍬といった農具は耐久性としなやかな使い心地を備え、包丁や刈込鍬などの刃物は鋭い切れ味を誇ります。現在も本家松永製作所や山崎製作所といった鍛冶屋が、昔ながらの手仕事を守りながら、修理を重ねて長く使い続けられる道具を作り続けています。

伊賀焼
Iga Yaki (Iga Ware)
伊賀焼(いがやき)は、三重県伊賀市の丸柱(まるばしら)地区を中心に焼かれている陶器です。起こりは奈良時代ごろにさかのぼるとされ、地元では約1200年の歴史を持つ焼き物と紹介されています。原料は、約400万年前の古琵琶湖の湖底に積もった「古琵琶湖層」の粘土です。焼くと細かな気孔が多くでき、熱をよく蓄えるため、土鍋や行平(ゆきひら)などの調理具に向きます。桃山時代には茶の湯の流行とともに、ゆがみの大きい豪快な花入や水指が焼かれました。登り窯の炎が生む緑色のガラス質「ビードロ」や「焦げ」は、古伊賀の見どころとされます。五島美術館が所蔵する重要文化財「古伊賀水指 銘 破袋(やぶれぶくろ)」は、その代表作です。江戸時代前期の後に窯は一時途絶えましたが、中期に再興され、以後は土鍋などの日用品が主力となりました。1982年(昭和57年)に国の伝統的工芸品に指定されています。
伊香保焼
Ikaho-yaki
伊香保焼は、群馬県渋川市の伊香保温泉で明治11年(1878年)に陶芸家・篠田仙果が窯を開いたことに始まる陶器です。粘土や釉薬に伊香保温泉の「湯の花」を用いる独自の製法が特徴で、鉄分を多く含む湯の花を使うことで、器は黄色や茶褐色、黒など温泉地ならではの豊かな色合いに発色します。しかし仙果の他界とともに窯の火は途絶え、伊香保焼は長らく「幻の焼き物」となっていました。その後、地元の陶芸家・木暮陶句郎が古い文献をもとに独自に研究を重ね、伊香保焼の復活に取り組んでいます。現在は伊香保温泉街近くの陶句郎窯で作品が制作・展示販売されているほか、電動ろくろや絵付けの体験も行われており、伊香保温泉の湯の花を生かした一点物のうつわづくりを、旅の思い出として楽しむことができます。
注目のローカルフード
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おきりこみ
Okkirikomi
おきりこみ(おっきりこみ)は、小麦粉で作った幅広の生麺を里芋・大根・きのこなどの季節野菜とともに味噌や醤油仕立ての汁でじっくり煮込む、群馬県を代表する郷土料理です。生地を麺棒に巻いて包丁で「切り込み」を入れて鍋に投じることが名前の由来とされ、麺は下ゆでせずに打ち粉ごと汁に入れて煮込むため、とろみのあるまろやかな汁に仕上がるのが特徴です。小麦の名産地である群馬県では、かつて養蚕農家の女性たちが農作業の合間に手早く大量に作れる料理として広めたと伝わり、江戸時代中期以降、石臼の普及とともに日常の主食として定着しました。2014年には「群馬の粉食文化・オキリコミ」として群馬県の無形民俗文化財に採択されるなど、地域の食文化を象徴する一品として今も家庭や食堂で親しまれています。

かぶら寿司
Kaburazushi
かぶら寿司は、輪切りにして塩漬けした加賀野菜「かぶら(かぶ)」で、塩漬けにしたブリを挟み、米糀と一緒に漬け込んで発酵させる石川県を代表する発酵食品です。酢飯を用いる江戸前寿司とは異なり、乳酸発酵によって酸味とうまみを引き出す「なれずし」の一種で、金沢・加賀地方では冬から正月にかけての行事食・贈答品として親しまれてきました。ブリの脂と麹の甘み、かぶらのしゃきしゃきとした食感が層になって重なり合い、噛むほどに深い味わいが広がります。発祥については、金石町の漁師が豊漁と航海安全を祈願して正月に食べ始めたとする説や、前田藩主に振る舞われたことが始まりとする説など諸説あり、定かではありません。現在も冬季限定の商品として金沢の漬物店や料亭で扱われ、石川の冬を代表する味覚のひとつに数えられています。

きりたんぽ鍋
Kiritanpo Nabe
きりたんぽ鍋は、半搗きにしたご飯を秋田杉の丸棒に巻き付けて焼き上げた「きりたんぽ」を、比内地鶏の出汁で煮込む秋田県を代表する郷土料理です。発祥の地とされるのは大館市・鹿角市を中心とする県北地方で、炭焼きや杉の伐採のため山にこもった労働者が、残ったご飯を棒に付けて焼いて食べたのが始まりと伝えられます。比内地鶏の旨味が溶け出した醤油味の出汁に、ごぼう・舞茸・せり・長ねぎといった秋田の山の幸を合わせ、最後にきりたんぽを加えて短時間煮ることでほどよく出汁を含ませます。新米の季節から冬にかけて各家庭でつくられ、冠婚葬祭や来客をもてなす席にも欠かせない一品として親しまれています。