八幡馬は青森県八戸市を中心とする南部地方に伝わる木彫りの馬の郷土玩具で、福島県の三春駒、宮城県の木下駒と並ぶ「日本三駒」の一つに数えられています。かつて名馬「南部馬」の産地であった南部地方で、八戸市八幡にある櫛引八幡宮の例大祭に集う参詣者向けの土産物として木彫りの馬が売られたのが始まりとされ、地名の「八幡」にちなんで八幡馬と呼ばれるようになりました。台座に乗った素朴な馬体に赤や青の華やかな模様を施した姿は、農村の嫁入り道中を彩った盛装馬の様子を映したものともいわれています。明治以降は玩具から祝い事の記念品へと役割を広げ、現在は結婚や新築、出産などの贈答品として親しまれています。平成8年3月には青森県伝統工芸品に指定され、木取りから絵付け、たてがみを植える毛すげまで、一貫して職人の手作業で仕上げる技が受け継がれています。
発祥
八幡馬の起源には諸説あるが、名馬の産地として知られた南部地方で、八戸市八幡にある櫛引八幡宮の例大祭(旧暦8月15日)に集まる参詣者向けの土産物として木彫りの馬が売られるようになったのが始まりとされる。「八幡にある馬っこ」から八幡馬と呼ばれるようになったと伝わり、農民が農閑期の副業として彫った玩具がルーツとする説も残っている。
歴史
明治以降、社会や生活の変化とともに八幡馬の意味合いも移り変わり、親子馬や嫁入道中の盛装馬をかたどったものなど、子供や家族の幸せを願う縁起物として発展した。日本三駒の一つとして高く評価され、平成8年3月には青森県伝統工芸品に指定されている。現在は八戸市沼館の株式会社八幡馬が中心となり、伝統の技法とデザインを受け継ぎながら製作を続けている。
特徴
木を彫り出した素朴な馬体に、赤・青・黒などの顔料で華やかな花模様や幾何学模様を手描きで施し、麻糸や馬毛でたてがみと尾を植える点が最大の特徴。台座に乗った姿は嫁入り道中を彩った馬の盛装を映したものとされる。工程は木取り・削り・下塗り・加飾絵付け・毛すげの順に進み、すべて職人の手作業でなされるため一つとして同じ表情のものがない。
制作工程
- 1
木取り
馬体となる木材を必要な大きさに切り出す。
- 2
削り
刃物で馬の姿を彫り出し、なめらかな曲線に仕上げる。
- 3
下塗り
彫り上げた木地に下地の白色を塗る。
- 4
加飾・絵付け
赤・青・黒などの顔料で花模様や幾何学模様を手描きする。
- 5
毛すげ
麻糸や馬毛でたてがみと尾を植え付けて完成させる。
職人・工房
株式会社八幡馬
昭和29年(1954年)創業、八戸市沼館に工房を構える八幡馬の製作元。青森県伝統工芸品指定の八幡馬を伝統の技法とデザインで作り続けるほか、小学校などでの絵付け体験教室を通じて文化の発信にも取り組んでいる。
公式サイト →購入方法
- 東北スタンダードマーケット(カネイリ)
- 青森の工芸品を扱うオンラインショップ。八幡馬9cmサイズが3,630円程度から購入できる。購入先を見る →PR
- カネイリミュージアムショップ(八戸ポータルミュージアムはっち内)
- 八戸市三日町の複合施設はっち1階にある工芸品店。オリジナルデザインの八幡馬(15cmサイズ7,150円程度)なども取り扱う。購入先を見る →PR