
山中漆器は石川県加賀市の山中温泉地区を中心に作られる漆器で、木地挽きの高い技術から「木地の山中」として知られています。始まりは安土桃山時代、山々を渡り歩きながら椀や盆などの挽物を作っていた木地師の一団が、山中温泉の上流にあたる真砂の地に定住して木地を挽き始めたことに由来するとされます。江戸時代には会津や京都、金沢から漆塗りや蒔絵の技術が取り入れられ、加飾挽きや朱溜塗など独自の技法が加わり発展しました。最大の特徴は轆轤挽物の技術で、木目に沿って縦方向に木取りする「縦木取り」により狂いの少ない美しい木地を生み出すほか、わずか3ミリの幅に十数本もの筋を刻む「千筋」、木地が透けるほど薄く挽く「薄挽き」など、他産地の追随を許さない精緻な加飾挽きが見られます。木地挽物の分野では職人の質・量ともに国内トップクラスとされ、1975年には国の伝統的工芸品に指定されています。
発祥
山中漆器の始まりは安土桃山時代、およそ400年前にさかのぼります。山々を渡り歩きながら椀や盆などの挽物をつくっていた木地師の一団が、山中温泉の上流にあたる真砂の地に定住し、豊富な木材資源を生かして木地を挽き始めたことがその起源とされています。轆轤を用いて木材を回転させながら刃物を当てて器の形に削り出す木地挽きの技術は、山中の地形と木材に恵まれた環境の中で磨かれていきました。
歴史
江戸時代に入ると、会津や京都、金沢から漆塗りや蒔絵の技術が取り入れられ、加飾挽きや朱溜塗などの技法が生まれて山中漆器はさらに発展しました。木地挽きの技術は代々受け継がれ、木地師として初めて人間国宝に認定された川北良造をはじめ、多くの名工を輩出しています。現在は「山中木地挽物」として石川県指定無形文化財にも登録されており、1975年には国の伝統的工芸品「山中漆器」として指定されました。
特徴
山中漆器最大の特徴は、木目に沿って木取りする「縦木取り」による狂いの少ない美しい木地と、精緻な轆轤挽きの技術にあります。わずか3ミリの間に十数本もの細い筋を刻む「千筋」や、木地が透けて見えるほど薄く挽く「薄挽き」など、他産地の追随を許さない加飾挽きの技が特徴です。「塗りの輪島」「蒔絵の金沢」と並び「木地の山中」と称され、木地挽物の分野では職人の質・量ともに国内トップクラスとされています。
技法
縦木取り
木目に沿って縦方向に木地を取る山中漆器独自の手法。横方向に取る横木取りに比べて狂いが少なく、木目の美しさを生かせる。
加飾挽き(千筋・薄挽き)
轆轤を使い、わずか3ミリの幅に十数本の筋を刻む千筋や、木地が透けるほど薄く挽く薄挽きなど、精緻な模様や質感を生み出す挽物技法。
使用される素材
制作工程
- 1
木取り
縦木取りにより木材から器の素材を切り出す。
- 2
荒挽き
轆轤で大まかな形に木地を挽く。
- 3
乾燥
荒挽きした木地をじっくりと乾燥させる。
- 4
仕上げ挽き
轆轤で最終的な形と厚みに挽き上げる。
- 5
塗り・加飾
漆を塗り重ね、必要に応じて蒔絵などを施す。
| 主な産地 |
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職人・工房
購入方法
- 山中塗うるし座(山中漆器伝統産業会館)
- 人間国宝・川北良造の作品をはじめ、産地内40数社の商品を展示・販売する施設。伝統的な漆器から現代の暮らしに合う漆器まで幅広く取り扱う。購入先を見る →PR
体験施設
石川県立山中漆器産業技術センター(山中うるし座 隣接)
石川県加賀市山中温泉塚谷町イ268-2
要予約制で木地挽物の工房見学とろくろ体験ができる。ろくろ体験は3,850円程度〜、所要20分〜。
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