高岡漆器

Takaoka-shikki

高岡漆器 1

画像: Wikimedia Commons

高岡漆器は富山県高岡市で生産される漆器で、江戸時代初期の慶長年間、加賀藩二代藩主・前田利長が高岡城を築いた際、武具や箪笥、膳など日常生活の道具に漆を塗らせたことに始まるとされる。以降、明和年間に辻屋丹甫が中国漆器を模した堆朱・存星の技法を確立し、富山藩主・前田正甫が京都から招いた名工・杣田清輔の技を土台に「青貝塗(螺鈿)」が発展、さらに江戸末期には初代石井勇助が中国明代の漆器を研究して独自の「勇助塗」を生み出すなど、他産地に比べて多彩な加飾技法を併せ持つ点が最大の特徴となっている。1891年に富山県工芸学校が設立されて技術指導が進んだこともあり、盆や重箱、茶道具といった暮らしの道具から美術工芸品まで幅広く手がけられてきた。1975年には経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定され、現在も高岡市内の工房で伝統技法が受け継がれている。

発祥

高岡漆器の始まりは江戸時代初期の慶長年間(1596〜1615年)とされ、加賀藩二代藩主・前田利長が高岡城を築城した際、武具や箪笥、膳といった日常生活用品に漆を塗らせたことに由来すると伝えられる。城下町の産業として職人が集められ、木地づくりと漆塗りの技術が地域に根付いていった。

歴史

明和年間には辻屋丹甫が中国漆器を模した堆朱・存星の技法を製品化し、江戸初期には富山藩主・前田正甫が京都から招いた名工・杣田清輔の影響を受けて青貝塗(螺鈿)が発展した。江戸末期には初代石井勇助が中国明代の漆器を研究して独自の勇助塗を確立するなど、多彩な加飾技法が積み重ねられた。1891年の富山県工芸学校設立を経て技術が体系化され、1975年9月4日に経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定された。

特徴

青貝塗・勇助塗・彫刻塗(存星)という性格の異なる複数の加飾技法を一つの産地が併せ持つ点が高岡漆器最大の特徴である。貝や金属粉、色漆を用いた立体的で華やかな装飾は、他産地の漆器に比べて意匠の幅が広く、盆や茶道具、文箱など暮らしの道具として親しまれている。

技法

青貝塗(螺鈿)

薄く加工した鮑や夜光貝などを刀や針で三角形・菱形の細片にし、これを組み合わせて山水や花鳥を表現する技法。京都から招かれた名工・杣田清輔の技に影響を受けて発展した。

勇助塗

江戸末期に初代石井勇助が中国明代の漆器を研究して生み出した技法。唐風の意匠に花鳥・山水・人物の錆絵や箔絵を描き、要所に青貝や玉石を配する総合技法。

彫刻塗(存星)

何層にも塗り重ねた色漆を彫り込んで文様を表す技法で、中国伝来の堆朱・堆黒の技法を発展させたもの。立体感のある陰影が特徴。

使用される素材

漆木地(欅・栓・朴など)貝(鮑・夜光貝・白蝶貝など)金属粉(金・銀)

制作工程

  1. 1

    木地づくり

    欅や栓などの木材を挽物・指物などの技法で盆や器の形に成形する。

  2. 2

    下地

    布を貼り地の粉を塗り重ねて木地を頑丈に固める。

  3. 3

    中塗り

    漆を塗り重ねて表面を整え、加飾の下地をつくる。

  4. 4

    加飾

    青貝塗・勇助塗・彫刻塗などの技法で貝や色漆による文様を施す。

  5. 5

    上塗り・研磨

    上塗り漆を塗ったのち丹念に磨き上げ、艶と質感を仕上げる。

主な産地
  • 高岡市

職人・工房

株式会社柴田漆器店

昭和元年(1926年)創業の高岡漆器販売店。青貝塗など高岡漆器の伝統技法を用いた盆や茶道具、酒器などを製造・販売している。

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螺鈿工房おりはし

新高岡駅の東、二上山のふもとに工房を構え、高岡漆器の青貝塗(螺鈿)技法を用いた作品づくりを行う工房。

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武蔵川工房

高岡漆器の螺鈿細工を専門とする工房で、貝を用いた加飾技法による製品を製作・紹介している。

公式サイト →

購入方法

株式会社柴田漆器店
昭和元年創業の老舗販売店で、青貝塗をはじめとする高岡漆器の盆や茶道具、酒器などを購入できる。購入先を見る →PR
高岡地域地場産業センターZIBAオンラインショップ
高岡漆器をはじめ高岡の伝統的工芸品を扱う施設ZIBAが運営するオンラインショップ。複数の工房の製品をまとめて購入できる。購入先を見る →PR

体験施設

高岡地域地場産業センター(ZIBA)漆器体験

富山県高岡市御旅屋セリオ2階

螺鈿や蒔絵で絵付けを行う漆器加飾体験。4名から20名程度まで対応し、所要時間は120分程度。

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伝統工芸高岡漆器協同組合 体験教室

富山県高岡市

組合が実施する漆器体験教室。青貝塗や蒔絵などの技法に触れることができる。

詳細を見る →

よくある質問

Q. 高岡漆器の代表的な技法にはどのようなものがありますか。

A. 貝の細片を組み合わせて文様を表す「青貝塗(螺鈿)」、中国明代の漆器を研究して生まれた「勇助塗」、色漆を彫り込む「彫刻塗(存星)」の三つが代表的な技法として知られる。

Q. 高岡漆器はいつ伝統的工芸品に指定されましたか。

A. 1975年(昭和50年)9月4日に経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定された。

#漆器#螺鈿#青貝塗#勇助塗#高岡