
琉球漆器は、沖縄県の那覇市首里を中心に伝えられてきた漆工芸品です。14世紀末頃に中国から漆器の技術がもたらされ、15〜16世紀の琉球王国時代に盛んに製作されるようになったとされています。王府は貝摺奉行所を設けて漆器製作を管理・強化し、中国や薩摩から技術を導入しながら、ウルシノキの栽培や漆の採取も政策として整備しました。1609年の薩摩侵攻以降、琉球漆器は徳川将軍家や諸大名への献上品としても珍重され、対外的な琉球王国の技術力を示す品となりました。加飾技法には、刀で模様を彫り金を定着させる「沈金」、夜光貝やアワビ貝を文様に切って埋め込む「螺鈿」、漆で模様を描き金箔を貼る「箔絵」に加え、琉球独自に生み出された「堆錦(ついきん)」があります。堆錦はクロメ漆に顔料を練り込んで餅状にし、薄く延ばして文様に切り取って貼り付ける技法で、立体的で華やかな装飾が生まれます。木地にはデイゴやガジュマル、エゴノキなど、乾燥後の収縮や亀裂が少ない沖縄の樹木が用いられてきました。1974年に沖縄県指定伝統工芸品、1986年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品となっています。
発祥
琉球漆器の起源は14世紀末頃、中国からもたらされた漆器技術に遡るとされます。15〜16世紀の琉球王国時代には交易を通じて中国・東南アジアの漆芸技法が積極的に取り入れられ、王府直属の漆器製作が発展していきました。17世紀には貝摺奉行所が設けられ、漆器の製作・管理体制が強化されるとともに、中国・薩摩からの技術導入も図られました。
歴史
1609年の薩摩侵攻以降、琉球は日本との外交関係が重要となり、徳川将軍の代替わりなどの際には江戸幕府や諸大名家へ琉球漆器が献上品として贈られました。王府は1686年頃からウルシノキの栽培や漆の採取についても政策として整備し、素材の栽培から製作までを体制化しました。琉球独自の加飾技法「堆錦」は1715年に比嘉乗昌が創始したとする説が王国正史『球陽』に残されています。1974年に沖縄県指定伝統工芸品、1986年には経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定されました。
特徴
琉球漆器の加飾技法には、刀で文様を彫り金を埋め込む「沈金」、夜光貝やアワビ貝を文様に切り抜いて塗面にはめ込み七色に発色させる「螺鈿」、漆で模様を描き金箔を貼る「箔絵」、そして琉球独自の技法である「堆錦」があります。木地にはデイゴやガジュマル、エゴノキなど乾燥による収縮や亀裂が少ない沖縄の樹木が使われ、高温多湿な気候を活かして「焼漆」という独特の調整方法で乾燥をコントロールする点も特徴です。
技法
堆錦(ついきん)
クロメ漆に顔料を飽和状態になるまで練り込んで餅状にし、薄く延ばして文様に切り取り、漆面に貼り付けて立体的な文様を表す琉球独自の技法。1715年創始との説がある。
沈金・螺鈿・箔絵
沈金は刀で彫った模様に漆を接着剤として金を定着させる技法、螺鈿は夜光貝やアワビ貝を文様に切って塗面にはめ込む技法、箔絵は漆で描いた模様に金箔を貼る技法。
使用される素材
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職人・工房
購入方法
- 角萬漆器(首里本店)
- 琉球漆器の老舗が営む直営店。箸4,500円程度〜、手鏡6,000円程度〜など、普段づかいできる品から美術品まで幅広く取り扱う。購入先を見る →PR
体験施設
角萬漆器 堆錦ワークショップ
沖縄県那覇市首里山川町1-54-1
沖縄独自の加飾技法「堆錦」を体験できるワークショップ。小皿2枚または手鏡1点を選び、所要時間は約2時間半。工房見学は平日のみ要予約。
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