1 / 3美濃焼は岐阜県東濃地方の多治見市・土岐市・瑞浪市・可児市を中心に1300年以上作り続けられてきた陶磁器の総称で、国内で流通する食器類の約6割を生産する日本最大の陶磁器産地です。特定の様式や技法に縛られない点が最大の特徴で、桃山時代の茶の湯文化とともに生まれた志野・織部・黄瀬戸・瀬戸黒をはじめ、経済産業大臣指定の伝統的工芸品としては15品目もの技法・様式が認められています。素朴な白釉の志野焼、大胆な緑釉と自由な文様の織部焼など、多彩な表情を持つやきものが同じ「美濃焼」の名のもとに生み出されており、日用の器から茶陶まで幅広い用途で親しまれています。
発祥
美濃焼の起源は7世紀頃の須恵器の生産に遡るとされ、平安時代には灰釉を用いた白瓷が焼かれていました。桃山時代に入り茶の湯が隆盛すると、東濃地方の窯では茶人の好みを映した個性的な茶陶が数多く生み出されるようになり、志野・織部・黄瀬戸・瀬戸黒といった様式が確立されていきました。
歴史
江戸時代以降は良質な陶土と燃料の薪に恵まれた東濃地方で量産化が進み、日用食器の一大産地として発展しました。明治期以降は近代的な生産技術の導入により生産規模がさらに拡大し、1978年に「美濃焼」の名称で国の伝統的工芸品に指定されました。現在も多治見市・土岐市・瑞浪市・可児市の4市に窯元が集積しています。
特徴
美濃焼最大の特徴は、特定の様式に縛られず多彩な技法・意匠が併存する点にあります。伝統的工芸品としては志野・織部・黄瀬戸・瀬戸黒をはじめ15品目が指定され、柔らかな白釉やおおらかな緑釉、落ち着いた黄色など幅広い表情のやきものが作られています。国内食器の約6割を生産する日本最大の陶磁器産地でもあります。
技法
志野
長石釉を厚くかけて焼く技法で、乳白色の柔らかな肌に火色や貫入が現れるのが特徴。桃山時代に美濃で生まれた、日本で初めて筆で文様を描いた陶器とされる。
織部
銅緑釉を用いた大胆な緑色と、自由で斬新な形・文様を特徴とする様式。茶人・古田織部の好みを反映したとされ、器形の破格な造形でも知られる。
黄瀬戸
灰釉に鉄分を加えて焼き、淡い黄色に発色させる技法。落ち着いた色調と品格のある佇まいから、茶陶や日常の食器として広く親しまれてきた。
使用される素材
制作工程
- 1
土練り
陶土を練り、粘土内の空気を抜いて均一な硬さに整える。
- 2
成形
轆轤や型を使い、皿・碗・茶碗などの形を作り出す。
- 3
素焼き
低温で一度焼き締め、生地を安定させる。
- 4
施釉・絵付け
志野釉や織部釉など目的の様式に応じた釉薬をかけ、文様を施す。
- 5
本焼き
登り窯や窖窯、ガス窯などで高温焼成し、器を完成させる。
| 主な産地 |
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職人・工房
購入方法
- セラミックパークMINO
- 多治見市にある美濃焼の複合施設。ショップ&ギャラリーで美濃焼の食器類を販売するほか、企画展やイベントも定期的に開催している。購入先を見る →PR