川連漆器

Kawatsura Shikki

川連漆器 1

画像: Wikimedia Commons

川連漆器は、秋田県湯沢市川連町(旧・稲川町)一帯で作られる漆器で、約800年の歴史を持つとされます。伝承によれば、1193年に源頼朝の家臣で稲庭城主・小野寺重道の弟である道矩公が古四王野尻に館を築いた際、家臣に命じて刀の鞘や弓、鎧などの武具に漆を塗らせたのが始まりとされ、その後は日用の椀づくりへと発展していきました。江戸時代初期の元和年間(1615年頃)から元禄期にかけて川連村を中心に約26戸が椀師稼業を営むようになり、江戸時代後期には藩の許可を得て販路を拡大、椀・膳・重箱など幅広い漆器がつくられ、沈金や蒔絵の装飾も加わって産業としての基盤を築きました。上塗り後に研ぎ・磨きを行わず刷毛目を生かしてそのまま仕上げる「花塗り」の技法と、堅牢な下地作りが最大の特徴で、実用性の高い日用漆器として親しまれています。国指定の伝統的工芸品です。

発祥

伝承によれば1193年、源頼朝の家臣で稲庭城主・小野寺重道の弟にあたる道矩公が古四王野尻に館を築いた際、家臣に命じて刀の鞘や弓、鎧などの武具に漆を塗らせたのが川連漆器の始まりとされる。武具の補強・装飾として用いられた漆塗りの技術が、やがて村の日用の椀づくりへと転じ、地場の産業として根づいていった。

歴史

本格的な産業化が進んだのは江戸時代初期で、元和年間(1615年頃)から元禄期にかけて川連村を中心に約26戸が椀師稼業を営んだとの記録が残る。江戸時代後期には藩の許可を得て販路を拡大し、椀・膳・重箱など幅広い品目がつくられるようになり、沈金や蒔絵の加飾技術も取り入れられて産業基盤を大きく築いた。現在は秋田県漆器工業協同組合を中心に技術が継承されている。

特徴

上塗りをした後に研いだり磨いたりせず、漆の流れ方を見極めながら刷毛で塗り上げる「花塗り」の技法による柔らかな艶と自然な仕上がりが特徴。木地固めや布着せ、下地塗りを幾重にも重ねる堅牢な下地作りにより、日常使いに耐える丈夫さを備えている。椀や箸をはじめとした普段使いの器が中心で、実用漆器としての評価が高い。

使用される素材

天然木(トチ・ケヤキ等)天然漆

制作工程

  1. 1

    木地づくり

    トチやケヤキなどの木材を椀や盆の形に挽き、乾燥させる。

  2. 2

    下地

    布着せや地の粉を用いた下地塗りを幾重にも重ね、堅牢な素地をつくる。

  3. 3

    中塗り

    下地の上に漆を塗り重ね、研ぎを繰り返して表面を整える。

  4. 4

    花塗り(上塗り)

    最後の一塗りは研がず、漆の流れを見極めながら刷毛で仕上げる。

  5. 5

    加飾

    沈金や蒔絵などの技法で文様を施す場合がある。

主な産地
  • 湯沢市川連町

職人・工房

佐藤善六漆器店

1872年(明治5年)創業の湯沢市川連町の老舗漆器店。花塗りの技法を用いた丈夫で廉価な日用漆器を製造販売している。

公式サイト →

佐藤伊右衛門商店

12代続く湯沢市川連町の漆器店。伝統的な技法による堅牢で彩り豊かな漆器を手がけ、冷酒器や茶托など日常使いの品を製作している。

公式サイト →

購入方法

川連漆器伝統工芸館
湯沢市川連町にある展示販売施設。常時1,400点以上の川連漆器を取り扱い、箸や椀から座卓・タンスまで幅広い品揃えがある。購入先を見る →PR

体験施設

川連漆器伝統工芸館

秋田県湯沢市川連町字大舘中野142-1

入館無料。要事前予約で沈金・蒔絵体験ができ、料金は1人2,750円程度(3人以上の場合)。加飾職人が初心者をサポートする。

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#漆器#花塗り#湯沢市#川連