
唐津焼は佐賀県唐津市を中心に、佐賀県西部から長崎県北部にかけて焼かれる陶器です。茶人の間では「一楽二萩三唐津」と称され、楽焼・萩焼と並んで茶陶の名品として珍重されてきました。創始は1580年代、岸岳城主・波多氏の庇護のもとに開窯したのが始まりとみられ、豊臣秀吉による朝鮮出兵(文禄・慶長の役)の際に連れ帰られた朝鮮人陶工により、蹴轆轤や連房式登り窯、叩き作りといった新技術がもたらされ、生産が飛躍的に発展しました。唐津港から西日本一帯へ広く流通し、当時は焼き物全般を「からつもの」と呼ぶほど代表的な産地として知られました。明治以降は一時衰退しましたが、十二代中里太郎右衛門(無庵)による古唐津技法の復興を経て再興し、1988年に国の伝統的工芸品に指定されています。
発祥
唐津焼の創始は、近年の窯跡調査により1580年代、岸岳城主・波多氏の領地で始まったとみられています。その後、豊臣秀吉による文禄・慶長の役(朝鮮出兵)の際に日本へ連れ帰られた朝鮮人陶工たちにより、蹴轆轤・連房式登り窯・叩き作りといった新しい技術がもたらされ、生産量・技術水準ともに大きく発展しました。茶人・千利休が所持していたと伝わる茶碗の記録も残っており、桃山時代には既に高い評価を得ていました。
歴史
江戸時代、唐津焼は唐津港から京都・大阪をはじめ西日本一帯へ広く積み出され、当時は陶器全般を指して「からつもの」と呼ぶほどの代表的産地となりました。明治維新で藩の庇護を失うと一時衰退しましたが、昭和期に十二代中里太郎右衛門(無庵)が唐津周辺の古窯跡を調査し、桃山期の古唐津の技法を復興させたことで再評価が進みました。無庵は1976年に人間国宝に認定され、1988年には国の伝統的工芸品に指定されています。
特徴
唐津焼は華美な装飾を避け、土の質感を生かした素朴で渋みのある味わいが最大の特徴です。鉄絵で草花などを描く「絵唐津」、鉄釉と藁灰釉を掛け合わせた「朝鮮唐津」、長石釉が斑紋を生む「斑唐津」、高麗茶碗の様式を継承する「奥高麗」など多彩な種類があります。「土もの」らしい手取りの良さと使い込むほどに増す風合いから、茶道具として今も高く評価されています。
技法
叩き作り
板状にした粘土を叩き締めながら成形する古い技法。均一な厚みと丈夫さが生まれ、唐津焼の力強い造形を支える。
蹴轆轤
足で蹴って勢いをつけて回す轆轤。朝鮮半島から伝わった技術で、唐津焼の成形に広く用いられてきた。
使用される素材
制作工程
- 1
土づくり
陶土を砕いて水簸し、不純物を除いて成形しやすい状態に調整する。
- 2
成形
蹴轆轤や叩き作りで器の形を作る。
- 3
乾燥・削り
生地を乾燥させ、高台などを削って形を整える。
- 4
施釉・絵付け
鉄絵で文様を描いたり、鉄釉・藁灰釉などを掛けたりする。
- 5
登窯焼成
連房式登り窯で高温焼成し、土の質感を生かした風合いに仕上げる。
| 主な産地 |
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職人・工房
中里太郎右衛門陶房
初代中里又七から続く430年余の歴史を持つ唐津焼の名家。十二代中里太郎右衛門(無庵)は古唐津技法の復興により1976年に人間国宝に認定された。敷地内には国指定史跡「唐人町御茶盌窯」も残る。
公式サイト →購入方法
- 中里太郎右衛門窯 公式通販
- 430年の歴史を持つ唐津焼窯元の公式オンラインストア。絵唐津・朝鮮唐津など一点物の作品を扱う。購入先を見る →PR
体験施設
中里太郎右衛門陶房・御茶盌窯記念館
佐賀県唐津市町田3丁目6-29
陶房見学無料、御茶盌窯記念館は一般400円(水・木曜休館、唐津駅から徒歩10分)