
博多人形は福岡市博多区を中心に作られてきた素焼きの土人形で、経済産業大臣指定伝統的工芸品です。起源は1600年、黒田長政の筑前入国に伴って多くの職人が博多に集められ、その中から素焼き人形づくりの技が生まれたと伝えられています。木偶師による細工物人形、瓦師の系譜を引く宗七焼、江戸末期に土俗玩具を手がけた中ノ子吉兵衛の系譜など複数の流れが合わさって発展しました。彩色を施した後に絵付けをせず焼き締める点や、写実性の高い「美人もの」をはじめ、歌舞伎や能、武者、干支、福助など多彩な題材を写実的かつ繊細に表現する点が特徴です。明治期にはパリ万国博覧会など海外の博覧会で高い評価を受け、日本を代表する人形として世界に知られるようになりました。
発祥
博多人形の起源は1600年、黒田長政が筑前に入国した際に多くの職人が集められ、その職人たちから素焼き人形づくりが生まれたことにあるとされています。系譜としては、永享9年(1437)に京都から招かれ山笠人形を作った木偶師・小堀善左衛門を祖とする細工物人形、播州出身の瓦師の孫が興した宗七焼、江戸末期に土俗玩具人形を創始した中ノ子吉兵衛を祖とする流れの三系譜があると伝えられています。
歴史
江戸時代後半には正木宗七や中ノ子吉兵衛、白水武平といった名工が相次いで活躍し、業界は活況を呈して全国へ流通するようになりました。明治時代にはパリなど海外の博覧会に出品され国際的に高い評価を受け、「博多人形」の名で世界に知られる輸出工芸品となりました。1976年には人形の部門として国の伝統的工芸品に指定され、今日まで技術が受け継がれています。
特徴
博多人形最大の特徴は、彩色前の生地を焼き締めた素焼きの質感を生かした表現にあります。石膏型による生地づくりのあとは、胡粉で肌を整え、着物の柄などを一つひとつ手描きで彩色し、最後に面相筆で目や口を描き入れる「面相」で表情を完成させます。写実性に富んだ「美人もの」のほか、歌舞伎役者、能、武者、福助、干支など題材は幅広く、繊細な造形と柔らかな色彩が魅力です。
使用される素材
制作工程
- 1
原型
デッサンをもとに粘土で人形の原型を彫成する。この工程を担えるのは熟練した人形師に限られる。
- 2
型とり
完成した原型から石膏で型を取り、複製のための型を作る。
- 3
生地づくり
石膏型に粘土を押しつめて生地を複製し、乾燥後に焼成して素焼きにする。
- 4
彩色
胡粉で肌を整えたのち、顔料で着物の文様などを丁寧に描き込む。
- 5
面相
面相筆を使い、目入れや口紅入れなど表情の仕上げを行い、人形に命を吹き込む。
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職人・工房
購入方法
- はかた伝統工芸館
- 博多駅前にある博多人形・博多織の展示施設。「博多人形ができるまで」の映像展示のほか、館内サイトで購入できる販売店一覧を紹介している。入館無料。購入先を見る →PR