1 / 2越前焼は、福井県丹生郡越前町を中心に作られている陶器です。瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前と並ぶ「日本六古窯」の一つに数えられます。産地としての始まりは約850年前の平安時代末期で、常滑窯など東海地方の技術を取り入れて焼き締め陶の生産が始まりました。釉薬をかけずに高温で焼き締めるため、硬く丈夫な器になります。窯の中で薪の灰が溶けて生まれる黄緑色の自然釉が、素朴な美しさを添えます。室町時代後期には壺・甕・すり鉢を主力に、日本海側最大の窯業地へと発展しました。1986年に国の伝統的工芸品に指定され、2017年には六古窯の一つとして日本遺産にも認定されています。越前陶芸村では、窯元の器を選んだり、陶芸を体験したりできます。
発祥
越前の焼き物の起源は約1300年前にさかのぼるとされますが、産地としての始まりは平安時代末期の12世紀後半です。常滑窯や猿投窯など東海地方の技術を導入し、焼き締め陶の生産が始まりました。最初の窯は越前町小曽原に築かれ、常滑から来た陶工の集団が初期の生産を担ったと推測されています。
歴史
鎌倉時代には、粘土紐を積み上げる独自の成形法「ねじたて」が編み出されました。室町時代後期には壺・甕・すり鉢が主力となり、日本海側最大の窯業地に発展します。江戸時代中期以降は瀬戸焼などに押されて衰退しましたが、昭和時代には駅そば用のそば皿なども作られました。1948年に日本六古窯の一つに数えられ、1971年には越前陶芸村が設けられます。1986年に国の伝統的工芸品に指定されました。
特徴
越前の土は鉄分を含み、耐火度が高く、よく焼き締まるのが特長です。肌の色は黒灰色から赤褐色まで変化し、黄緑色の自然釉が流れ落ちる景色が生まれます。高温で焼き締めるため水を通しにくく、丈夫な器に仕上がります。昭和40年代からは多くの陶芸家が産地に移り住み、伝統的な壺や甕に加えて、食器や花器など日常の器も作られています。
技法
ねじたて
鎌倉時代に編み出されたとされる、越前独自の成形法です。底となる土の周りを職人自身が回りながら、粘土紐を積み重ねて形を作ります。大きな甕づくりに適しており、現在もその技が受け継がれています。
焼き締めと自然釉
釉薬をかけずに高温で焼き、土を硬く締める技法です。焼成中に薪の灰が器にかかって溶け、黄緑色の自然釉となります。丘陵の斜面を利用した穴窯で焼くことで、器ごとに異なる色合いが生まれます。
使用される素材
| 主な産地 |
|
|---|
職人・工房
風来窯
越前陶芸村の中にある窯元で、越前焼工業協同組合の窯元紹介では大屋宇一郎氏の窯として掲載されている。陶芸村には福井県陶芸館や越前古窯博物館も集まり、窯元めぐりの拠点となっている。
購入方法
- 越前焼の館
- 越前町小曽原5-33にある窯元直営の販売施設。約1,000点の越前焼が常時並び、自然釉の壺や花瓶から皿・鉢、ビアマグまでそろう。営業は平日10時〜16時、土日祝9時〜17時。購入先を見る →PR
- 越前焼オンラインストア
- 越前焼工業協同組合のサイトからアクセスできるオンラインストア。遠方からでも越前焼の器を購入できる。購入先を見る →PR
体験施設
福井県陶芸館 陶芸教室
福井県丹生郡越前町小曽原120-61
電動ろくろ体験は3,500円程度(1作品の焼成費込み)、手ひねり体験は1,500円程度、絵付け体験は800円程度から。作品の完成までは約40日かかり、着払いで自宅へ送ってもらえる。月曜休館。
詳細を見る →よくある質問
Q. 日本六古窯とは何ですか?
A. 中世から現在まで生産が続く代表的な6つの窯業地、瀬戸・常滑・越前・信楽・丹波・備前の総称です。越前焼は1948年に六古窯の一つに数えられ、2017年には六古窯として文化庁の日本遺産に認定されました。
Q. 越前焼の歴史を学べる場所はありますか?
A. 越前陶芸村にある越前古窯博物館では、古越前研究の第一人者である水野九右衛門氏が40年以上かけて収集した資料を展示しています。平安時代から現代に至るまでの越前焼の歩みをたどれます。
Q. 越前焼の作家が集まるイベントはありますか?
A. 毎年5月に越前陶芸村で「越前陶芸まつり」が開かれ、越前焼の作家が一堂に会します。県内外から多くの人が訪れ、にぎわいを見せる春の風物詩となっています。