
四日市とんてきは、厚切りの豚肉をにんにくと一緒に焼き、黒っぽい濃いめのソースを絡めた三重県四日市市のご当地グルメです。名前は「とん(豚)」と「てき(ステーキ)」を合わせたものです。付け合わせには千切りキャベツをたっぷり添えます。焼き縮みを防ぐために深い切れ目を入れた肉の形が、野球のグローブに似ていることから「グローブ」とも呼ばれます。始まりは戦後間もない頃とされ、市街地の中華料理店の看板メニューだったといわれます。工業地帯で働く人が多かった四日市では、スタミナがつきボリュームのある料理が好まれました。牛肉のステーキより安く、たくさん食べたい人に愛された庶民の味です。2008年からは「四日市とんてき協会」が普及活動を続け、B-1グランプリなどのイベントにも出展しています。現在は中華料理店や定食屋、喫茶店など、さまざまな店で味わえます。
発祥
四日市とんてきは、戦後間もない頃に四日市の市街地にある店で出されたのが始まりとされます。60年ほど前に西新地にあった中華料理店「来来憲」の看板メニューだったという説が知られています。その後、ほかの中華料理店や肉料理専門店にも広がりました。1950年代頃からともいわれ、始まりの時期には諸説あります。
歴史
四日市は工業地帯が広がり、多くの労働者が暮らす町でした。力仕事の後に食べるスタミナ料理として、とんてきは地元に定着していきました。2008年には「四日市とんてき協会」が活動を始め、2010年(平成22年)に厚木市で開かれたB-1グランプリに三重県から初めて出展しました。2023年には四日市市で東西B-1グランプリが開かれ、協会が地元団体として参加しました。
特徴
四日市とんてき協会は、4つの定義を定めています。ソテーした厚切りの豚肉、黒っぽい色の濃いソース、添えられたにんにく、付け合わせの千切りキャベツです。肉の形はグローブ状が代表的ですが、短冊状やスティック状に切る店もあります。肩ロースやロースを使う店が多く、ソースの味は店ごとに異なります。
主な食材
食文化
とんてきは、中華料理店や定食屋だけでなく、喫茶店やラーメン店、ゴルフ場のレストラン、高速道路のパーキングエリアでも出されています。地元の人が気軽に食べるソウルフードとして定着しています。
家庭料理との違い
家庭では、厚切りの豚肉に深く切れ目を入れ、にんにくと一緒に焼いて、しょうゆやみりん、ソースなどを煮詰めたたれを絡めて作ります。専門店では、肉の部位や厚み、ソースの配合にそれぞれのこだわりがあります。250gを超える大きな肉を出す店もあります。
有名店
まつもとの来来憲
三重県四日市市松本2-7-24
四日市とんてきの元祖ともいわれる人気店で、とんてき発祥の味を受け継ぐとしています。グローブ状に切った肩ロース250gを、にんにくの香る濃厚なソースで焼き上げる「大とんてき」が名物です。定食は1,500〜1,800円程度です。
詳細を見る →一楽
三重県四日市市諏訪栄町10-2
1972年(昭和47年)創業の中華料理店です。毎日選んだ肩ロースを厚く切り、特製のしょうゆベースのソースで豪快にソテーした「とんてき定食」が名物です。価格は1,650円程度です。
よくある質問
Q. とんてきは「とんかつ」とは違うのですか?
A. 違う料理です。とんかつは衣をつけて油で揚げますが、とんてきは衣をつけずに厚切りの豚肉を焼き、濃いめのソースを絡めます。名前は「とん(豚)」と「てき(ステーキ)」を合わせたもので、豚肉のステーキにあたります。
Q. とんてきの肉は必ずグローブの形をしているのですか?
A. グローブ状は代表的な形ですが、必須ではありません。四日市とんてき協会の定義では、短冊状やスティック状に切ったものも認められています。グローブ状の切れ目には、焼いたときに肉が縮むのを防ぐ役割があるといわれます。