
すぐき漬けは、京都・上賀茂特産の京野菜「すぐき菜」を塩だけで漬け込み、乳酸発酵させた独特の酸味を持つ漬物です。千枚漬け・しば漬けと並ぶ「京都三大漬物」の一つで、上賀茂神社の社家が江戸時代初期から作り始めたと伝えられます。かつては社家だけに製法が伝わる貴重な品で、江戸期には「すぐきは一本たりとも村の外へ持ち出すことまかりならぬ」という触れが出されるほど厳重に守られていました。「天秤漬け」と呼ばれる独自の重石の方法や、室(むろ)に入れて発酵を促す工程など、手間のかかる伝統製法が今も受け継がれています。
発祥
すぐき菜の起源には諸説あり、安土桃山時代に上賀茂神社の社家が鴨川沿いに自生していたかぶらの一種を栽培し始めたという説や、京都御所から種を賜ったという説が伝えられています。江戸時代初期に塩漬けの製法が確立し、当初は社家だけが製造する高級な漬物として御所にも献上されていました。
歴史
江戸時代には上賀茂の特産品として定着し、社家から都への初夏の贈答品として珍重されました。当時は門外不出とされるほど厳格に守られていましたが、後に上賀茂神社周辺の農家にも製法が広がり、明治以降は一般にも販売されるようになりました。
特徴
すぐき菜を丸ごと塩のみで下漬け・本漬けしたのち、長い梁と重りを使う「天秤漬け(天秤押し)」という独自の方法で圧をかけ、38〜40度に保った室(むろ)でおよそ1週間乳酸発酵させます。他の漬物に比べて発酵が進んでいるため酸味が強く、独特の風味が生まれます。
主な食材
食文化
千枚漬け・しば漬けと並ぶ京都三大漬物の一つとして、年末年始の贈答品やお茶漬け、酒の肴として親しまれています。乳酸発酵食品として近年は健康効果の面でも注目されています。
有名店
よくある質問
Q. すぐき漬けはなぜ他の漬物より酸味が強いのですか。
A. 室(むろ)と呼ばれる加温室で乳酸発酵を積極的に進める製法のため、発酵度合いが高く、独特の強い酸味が生まれます。