桜えびのかき揚げ

Sakura Ebi Kakiage (Sakura Shrimp Tempura Fritters)

桜えびのかき揚げ 1

画像: Wikimedia Commons

桜えびのかき揚げは、駿河湾で獲れる桜えびをたっぷり使い、衣を少なめにしてカラッと揚げた静岡県の名物料理です。桜えびは透き通った桜色の小さなえびで、国内で漁業として水揚げされているのは駿河湾だけです。水揚げ港は、静岡市清水区の由比港と焼津市の大井川港に限られます。漁は春と秋の年2回で、漁が行われるのは年間で通算40日ほどとされます。漁の始まりは明治時代で、由比の漁師が偶然に大量の桜えびを網にかけたことがきっかけといわれます。産地の由比や蒲原(かんばら)では、かき揚げのほか、生の桜えびを豆腐やねぎと煮付ける「沖あがり」も食べられてきました。サクサクの衣の中に桜えびがぎっしり詰まり、香ばしさと甘みが楽しめます。かき揚げ丼や、そば・うどんにのせて味わうのも定番です。

発祥

桜えび漁は、1894年(明治27年)に由比で始まったといわれます。由比の漁師、望月平七と渡辺忠兵衛があじ漁に出た際、網を浮かせるための浮き樽(カンタ)を積み忘れました。そのまま網を入れると網が深く沈み、思いがけず大量の桜えびが獲れたと伝えられます。この出来事をきっかけに、翌年には由比で、その翌年には蒲原でも桜えび漁が始まりました。

歴史

かつての桜えびは、ほとんどが素干しなどの干しえびにして出荷されていました。富士川河口の河川敷に桜えびを広げて天日干しする光景は、今も漁期の風物詩です。冷凍技術が進むと、生の桜えびも一年中手に入るようになりました。漁は、出漁日や日ごとの漁獲量を漁業者全員で決める共同操業で行われています。2018年ごろからは不漁が続き、操業の制限など資源を守る取り組みが進められています。

特徴

桜えびは殻ごと食べられる小さなえびです。昼は水深200メートルより深い海にいて、夜になると浅いところへ上がってきます。そのため漁は夜に行われ、2そうの船で網を引いて獲ります。かき揚げは、衣をできるだけ少なくして高温でカラッと揚げるのがこつとされます。カリッとした衣の中で、殻の香ばしさと身のもちもちとした食感、えびの甘みが一度に味わえます。

主な食材

桜えび小麦粉・水(衣)揚げ油

食文化

由比や蒲原では、桜えびは身近な海の幸として食卓にのぼってきました。漁師料理の「沖あがり」は、生の桜えびを豆腐やねぎと煮付けたもので、産地ならではの食べ方です。春には由比漁港で「由比桜えびまつり」が開かれ、多くの人でにぎわいます。

家庭料理との違い

家庭では、釜揚げや素干し、冷凍の桜えびを使って手軽に作られます。産地の食堂では、桜えびをぎっしり使い、衣を少なくして揚げたかき揚げが名物です。漁協の直売所では冷凍の生桜えびも売られていて、漁期以外でも家庭で味わえます。

有名店

桜えび・磯料理 くらさわや

静岡県静岡市清水区由比東倉沢69-1

旧東海道沿いの高台にある磯料理店で、窓から駿河湾や伊豆半島を望めます。衣を少なめにしてカラッと揚げたかき揚げが自慢で、単品は700円程度〜です。生・釜揚げ・かき揚げ・釜飯がそろう「桜えびセット」は3,500円程度です。

由比港漁協直売所由比港漁協が由比漁港内で営む直売所で、駿河湾産の桜えびを広く知ってもらうために開かれました。人気の冷凍した生桜えびは、漁期以外でも買えます。ゆでしらすや桜えびの沖漬け、桜えびのラー油やふりかけなどの加工品もそろいます。購入先を見る →PR

よくある質問

Q. 桜えびは駿河湾でしか獲れないのですか?

A. 日本国内で桜えびを漁業として水揚げしているのは駿河湾だけで、水揚げ港も由比港と大井川港に限られます。ただし海外では、台湾の沿岸でも桜えびの漁が行われています。生の桜えびを味わえるのは、漁期の由比などの産地ならではです。

Q. 桜えび漁はいつ行われますか?

A. 3月下旬〜6月上旬ごろの「春漁」と、10月下旬〜12月下旬ごろの「秋漁」の年2回です。6月11日から9月30日までは産卵期にあたるため禁漁となります。漁期中も、資源の状況や天候によって出漁しない日があります。

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