
のっぺは、里芋を主役に、にんじんやこんにゃく、干し椎茸、たけのこなどを薄味で煮た新潟県を代表する郷土料理です。里芋のぬめりや片栗粉によるとろみがあり、汁物というより煮物に近いのが新潟ののっぺの特徴です。だしには干し貝柱や干し椎茸などの乾物が使われ、ほたて貝柱や銀杏、鮭、いくらなどを加えて彩りよく仕上げます。大晦日や正月の定番料理であるとともに、祭りや法事、婚礼など人が集まる席には欠かせない料理とされてきました。温かいままでも冷やしてもおいしく、冷たいのっぺを好む家庭も少なくありません。具材や切り方、とろみの付け方は地域や家庭によって異なり、呼び名も「こにも」「こくしょう」など土地ごとに変わります。各家庭の作り方が母から子へと受け継がれ、学校給食や飲食店、駅弁でも親しまれています。
発祥
のっぺに似た料理は九州や山陰から青森まで各地にあり、「のっぺい汁」「ぬっぺ」などと呼ばれています。新潟ではそのなかでも独自の食文化が育ち、汁気の少ない煮物として定着しました。雪深く買い物が難しい土地柄から一度に大量に作り、鍋ごと雪の中に置いて冷蔵庫代わりにしていたといわれます。これが冷やしたのっぺを食べる習慣につながったとされます。
歴史
新潟ののっぺは江戸時代の記録にも登場します。江戸後期の文政4年には、現在の上越市の庄屋・長谷川家の献立に「のつへい」の名が見えます。1839〜1848年に桑名藩士・渡部勝之助が記した『柏崎日記』には「のっぺい」が40カ所以上登場し、里芋やこんにゃく、ごぼう、焼き豆腐、するめが材料として記されています。昭和初期には高等女学校の割烹授業でも教えられていました。
特徴
主な材料は里芋で、にんじん、こんにゃく、干し椎茸、たけのこ、かまぼこなどを小さく切りそろえて煮ます。とろみは里芋のぬめりで付ける地域と、片栗粉を使う地域があります。県北部では鮭の切り身や「ととまめ」(鮭の卵、いくら)が加わります。新潟市近辺では鶏肉や鮭を入れることが多い一方、長岡では入れないという声も多く、具材にも地域差があります。
主な食材
食文化
大晦日の年取りや正月、冠婚葬祭などの「さわぎごと」、来客への振る舞いに必ず作られてきた料理です。新潟市周辺では祝い事には7品、不祝儀には6品と具の数を変えるなど、場に応じた作法も伝わっています。
有名店
よくある質問
Q. のっぺとのっぺい汁は違うのですか?
A. のっぺい汁は全国各地にある、とろみのある汁物です。新潟ののっぺはそれに比べて汁気が少なく、汁物というより煮物に近いといわれます。温かくても冷やしても食べられる点も、新潟ののっぺならではです。