
くずきりは、葛粉を水で溶いて蒸し固め、麺のように細く切った京都の夏の甘味です。氷水で冷やしてつるりとした喉ごしを楽しみ、黒蜜や白蜜、きな粉などをつけていただきます。祇園の老舗「鍵善良房」をはじめとする甘味処の名物として広く知られ、注文を受けてから一枚ずつ手作りする店も多く、作りたてならではのコシと透明感のある食感が魅力です。原料には奈良・吉野の本葛が使われることが多く、葛の質がそのまま味と食感を左右する繊細な菓子として、京都の夏の風物詩となっています。祇園の老舗「鍵善良房」は享保年間(1716〜1736年)創業と伝わり、注文を受けてから一枚ずつ手作りするスタイルを守り続けています。
発祥
くずきりは、マメ科のつる植物クズの根から採れるでんぷん「葛粉」を用いた菓子で、精進料理や茶の湯の文化とともに発展してきたとされる。葛粉を湯で溶いて蒸し、麺状に切って冷水で締める製法が確立し、涼をとる夏の甘味として京都の和菓子店や料亭で提供されるようになった。良質な葛粉の産地として名高い奈良・吉野の「吉野本葛」が古くから用いられてきた。
歴史
祇園の和菓子店「鍵善良房」は享保年間(1716~1736年)創業と伝わる老舗で、くずきりを名物として長く提供し続けている。同店では注文を受けてから一つずつ手作りするスタイルを一貫して守り、吉野本葛のみを使用することで独特のコシと喉ごしを実現してきた。こうした老舗の姿勢が、京都のくずきりを代表する味として今日まで受け継がれる背景となっている。
特徴
透明感のある見た目と、つるりとした喉ごし、噛むとむっちりとしたコシのある食感が特徴。黒蜜(沖縄・波照間島産の黒糖を使うことが多い)または白蜜を選んで味わうスタイルが一般的で、店によって蜜の種類や葛の配合が異なる。作り置きせず、注文後に仕上げることでコシと風味を保つ店が多い。
主な食材
有名店
よくある質問
Q. くずきりとくず餅はどう違う?
A. くずきりは葛粉を麺状に切って蜜で食べる京都の甘味。関東で親しまれる「くず餅」は小麦でんぷんを発酵させたものが主流で、原料や製法が異なる別の菓子である。