
霞ヶ浦のわかさぎ料理は、明治13年(1880年)頃に地元漁師・折本良平が考案したとされる帆引き船漁によって育まれてきた、かすみがうら市・土浦市周辺の魚食文化です。帆引き船は、大きな帆で風を受けて船体ごと横滑りさせながら袋状の網を曳く独特の漁法で、シラウオ漁として考案された後にワカサギ漁の主力となり、昭和42年(1967年)頃に動力船へ切り替わるまで約100年にわたり霞ヶ浦漁業の中心を担いました。水揚げされたわかさぎは、甘辛く煮た佃煮・甘露煮や、から揚げ・天ぷらなど、淡水魚らしい淡白な味わいと骨ごと食べられる食感を生かした料理に加工され、地元の食事処や土産物店で親しまれています。現在は往時の光景を伝える観光帆引き船が季節ごとに運航され、湖の食文化と漁の歴史をあわせて楽しむことができます。
発祥
帆引き船漁は明治13年(1880年)頃、現在のかすみがうら市に生まれた漁師・折本良平が、湖面を滑るように進む舟からヒントを得て3年がかりで考案したと伝えられる漁法です。当初はシラウオ漁のために考案されましたが、その後ワカサギ漁にも応用され、風の力だけで網を曳く独自の技術は他の漁師にも惜しみなく伝えられ、霞ヶ浦一帯に広まりました。
歴史
帆引き船漁は考案から約100年にわたり霞ヶ浦漁業の主力漁法として続けられましたが、昭和42年(1967年)頃を境に動力船を用いたトロール漁に置き換わっていきました。現在は当時の技術と景観を伝える観光資源として位置づけられ、かすみがうら市では歩崎公園周辺で観光帆引き船が季節運航され、往時の漁の様子を間近に見ることができます。
特徴
帆引き船は大きな帆で風をとらえて船体ごと横滑りさせ、後方に広げた袋状の網でワカサギやシラウオを追い込んで捕らえる、風の穏やかな霞ヶ浦の湖面に合わせて考案された独自の漁法です。水揚げされたわかさぎは骨が柔らかく丸ごと食べられるのが持ち味で、佃煮・甘露煮のほか天ぷらやから揚げなど、素材の淡白な旨味を生かした調理法で提供されています。
食文化
かすみがうら市・土浦市周辺には霞ヶ浦の魚介を扱う佃煮屋や食事処が数多く残り、わかさぎの甘露煮やから揚げは土産物としても定番です。7月下旬から11月にかけて運航される観光帆引き船は地域の観光資源となっており、漁の歴史とわかさぎ料理をあわせて味わう来訪者も多く見られます。
有名店
御食事処 梅澤
茨城県かすみがうら市下志筑1798-2
霞ヶ浦の魚介を使った天ぷらや刺身定食などを提供する食事処
| わかさぎ甘露煮(出羽屋) | 昭和7年創業、霞ヶ浦湖畔の佃煮店が炊き上げるわかさぎの甘露煮。864円程度(税込)購入先を見る →PR |
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