
ローメンは、長野県伊那市で生まれた、蒸した中華麺とマトン(羊肉)、キャベツを使う麺料理です。1955年(昭和30年)、伊那市の中華料理店「萬里(ばんり)」の店主・伊藤和弌(いとう わいち)が考案しました。冷蔵庫が普及していなかった当時、麺を日持ちさせるために蒸したのが始まりとされます。「ラーメンでも焼きそばでもない」といわれ、スープに浸かった汁ありのものと、焼きそば風の汁なしのものがあります。食卓のソースや酢、ごま油などをかけ、自分好みの味に仕上げて食べるのも特徴です。伊那市とその周辺では約90軒の飲食店が出しており、学校給食にも登場します。地域の人々に長く親しまれてきたソウルフードです。
発祥
ローメンは、1955年(昭和30年)に伊那市の中国風菜館「萬里」で、地元の製麺業者の協力を得て完成しました。当時は冷蔵庫が普及しておらず、残った生麺を翌日まで保つために蒸す方法が考え出されました。肉には、当時この地域で盛んだった、羊毛をとるための牧羊で得られるマトンを使いました。これに地元産のキャベツを合わせた点が独自の工夫です。
歴史
考案当初は「炒肉麺(チャーローメン)」と名付けられ、やがて「炒」が取れて「肉麺(ローメン)」と呼ばれるようになりました。考案者が名称を自由に使えるようにしたことで、市内の多くの店に広まりました。1997年(平成9年)には「伊那ローメンズクラブ」が発足し、「む(6)し(4)」の語呂合わせで6月4日を「ローメンの日」としています。
特徴
基本は、蒸した中華麺をマトンとキャベツと一緒に、スープで炒め煮にして作ります。萬里のスープは鶏ガラや香味野菜、豚の頭からとり、薄味に仕立てるのが特徴です。蒸し麺はのびにくく、時間がたつと味がしみるとされます。店によって汁ありや焼きそば風、カレー味、冷やしローメンなど、さまざまな種類があります。
主な食材
食文化
ローメンは伊那市を中心とする上伊那地域で日常的に食べられ、地域を離れるとメニューからほとんど姿を消す料理です。店ごとに汁の量や味付けが大きく異なり、食べ比べも楽しめます。学校給食にも登場し、子どもの頃から親しまれる地域の味になっています。
家庭料理との違い
店では、鶏ガラなどからとった自家製のスープで麺とマトン、キャベツを炒め煮にし、それぞれの店の味に仕上げて出します。出てきたローメンに、食卓のソースや酢、ごま油、七味唐辛子、おろしにんにくなどを自分で加えて仕上げる「テーブルクッキング」が店での楽しみ方です。
有名店
中国風菜館 萬里
長野県伊那市坂下3308
1955年にローメンを生み出した元祖の店で、JR飯田線の伊那市駅から歩いて行けます。スープで煮込む汁ありのローメンが特徴です。ローメンは850円程度〜で、豚頭(豚の頭肉)の料理も出しています。
うしお
長野県伊那市荒井3460-1
伊那市駅から歩いて数分の場所にある店で、マトンを使った焼きそば風のローメンを出しています。店主の親族が満州(現在の中国東北部)で覚えた味を受け継ぐ調理法とされます。
よくある質問
Q. ローメンはラーメンや焼きそばとどう違うのですか?
A. ローメンは蒸した中華麺を使い、マトンとキャベツと一緒にスープで炒め煮にします。汁の量は店によって異なり、ラーメンのように汁が多いものから焼きそば風まであります。食卓の調味料で味を仕上げる点も特徴です。
Q. ローメンの味付けはどうすればよいですか?
A. 元祖の萬里ではスープを薄味に仕立てており、食卓のソースや酢、ごま油、七味唐辛子、おろしにんにくなどを好みでかけて食べます。ソースなどを加えると、マトンが苦手な人でも食べやすくなるといわれます。