ホッキめしは、福島県相馬市の松川浦で水揚げされる大ぶりで甘みの強いホッキ貝を使った炊き込みご飯です。相馬・双葉沖はミネラル分の豊富な海域で、明治時代からホッキ貝漁が盛んに行われてきました。米どころとしても知られる相馬の良質な米と、地元でとれるホッキ貝を組み合わせた料理で、もともとは忙しい漁師たちが漁の合間に船内でとる「漁師飯」として親しまれてきたといわれます。ホッキ貝の旨みを吸い込んだご飯は香り高く、貝の甘みとコリコリとした食感が楽しめる一品で、松川浦周辺の食事処や直売所の食堂で提供されています。福島県唯一の潟湖である松川浦の恵みを生かした料理として、地元では観光客をもてなす定番メニューの一つにもなっており、季節限定で提供する飲食店も少なくありません。
発祥
相馬市は古くから米作りが盛んな地域であると同時に、福島県で唯一の潟湖である松川浦を中心にホッキ貝がよく獲れる漁場でもありました。相馬・双葉沖では明治時代からホッキ貝漁が行われ、地元の二つの特産品である米とホッキ貝を組み合わせた料理として生まれたのがホッキめしです。
歴史
漁が盛んだった松川浦周辺では、忙しい漁師たちが手早く食べられる船内食としてホッキ貝の炊き込みご飯が食べられてきたと伝えられています。ミネラル豊富な相馬・双葉沖の海で育つホッキ貝は身が大きく甘みが強いことから評判を呼び、やがて家庭料理や飲食店のメニューとして地域全体に定着していきました。
特徴
ホッキ貝を醤油や酒などの調味液で煮て、その煮汁で米を炊き込むのが基本の作り方です。貝は火を通しすぎると硬くなるため、炊き上がった後に加えて蒸らす調理法がよく用いられます。仕上げにしそや針生姜を添えることでホッキ貝特有の香りが引き立ち、貝の旨みを存分に吸ったご飯とコリコリとした食感が楽しめます。
主な食材
食文化
ホッキ貝がよく獲れる6〜11月頃を中心に、松川浦周辺の飲食店や家庭で食べられてきました。漁師の船内食として生まれた背景から、手早く作れて食べ応えのある実用的な郷土料理として今に伝わっています。
家庭料理との違い
家庭では市販のむき身を使って手軽に炊き込むことが多いですが、松川浦の食事処では水揚げしたばかりの殻付きホッキ貝を使い、煮汁で炊いたご飯に炊き上げ後の貝を加えることで、貝の食感と香りを最大限に生かして提供しています。
有名店
お食事処 たこ八
福島県相馬市(松川浦、県道38号線沿い)
松川浦を望みながら食事ができる地元食堂。ホッキ飯定食は1,296円程度