
日野菜漬けは、滋賀県蒲生郡日野町原産の伝統野菜「日野菜」を漬物にしたもので、根が白から紫にグラデーションする細長いカブの一種を用います。独特の辛みとほのかな苦みが持ち味で、葉を刻んで根と合わせ酢に漬け込む「桜漬け」、甘酢で仕上げる「えび漬け」、ぬか漬けの「ひね漬け」など複数の漬け方があります。約500年前、日野の領主であった蒲生氏が観音堂参詣の折に発見したと伝えられ、その後、蒲生氏の転封や近江商人の全国的な商いのネットワークを通じて、伊勢・会津をはじめ各地に日野菜の栽培と漬物文化が伝わりました。平成10年(1998年)には滋賀県選択無形民俗文化財「滋賀の食文化財」にも選ばれた、湖国を代表する漬物です。
発祥
日野菜は今から約500年前、蒲生家中興の祖とされる蒲生貞秀が、日野町鎌掛にある観音堂へ参詣した際に見出したと伝えられています。葉に近い部分が紫、根に向かって白色というグラデーションと、長さ30cmほどの細長い独特の形状を持つこのカブが、日野町の気候風土の中で特産野菜として栽培されるようになり、地名にちなんで「日野菜」と呼ばれるようになりました。
歴史
戦国時代に蒲生氏が伊勢へ転封になった際、日野菜の種と栽培技術も一緒に伝わったとされ、さらに江戸時代以降、全国を商圏とした近江商人の活動を通じて、長野や新潟、四国など各地へも日野菜や漬物文化が広まっていきました。日野は近江商人ゆかりの町でもあり、商人たちの交易網が漬物という食文化を全国へ運ぶ役割も果たしました。滋賀県では平成10年(1998年)に「滋賀の食文化財」として選択無形民俗文化財に指定され、地域の食文化を象徴する存在となっています。
特徴
日野菜は肉質が緻密で独特の辛みと苦みを持ち、この風味が漬物に加工すると際立つのが特徴です。代表的な「桜漬け」は、葉を刻み短冊切りにした根とともに酢に漬け込むことで、切り口が桜色に染まることからその名がつきました。ほかに甘酢で仕上げる「えび漬け」や、ぬかで漬け込む「ひね漬け」など、地域や家庭によって多様な漬け方が受け継がれています。収穫は秋から冬にかけてが最盛期で、旬の時季には各家庭でも漬け込みが行われます。
主な食材
食文化
近江商人が全国を行き来する中で、日野菜と漬物の技術が各地へ広まったとされ、地域の産業と食文化が密接に結びついてきた歴史を持ちます。秋から冬にかけての収穫期には、家庭でも漬け込みが行われる季節の風物詩です。
家庭料理との違い
家庭では塩漬けや浅漬けで手軽に楽しむことが多いのに対し、専門店では葉と根を組み合わせた「桜漬け」など見た目の美しさにもこだわった仕立てが多く、贈答用として作り込まれる点が異なります。
有名店
近江つけもの山上(株式会社やまじょう)
滋賀県湖南市下田3335番地
創業80余年の漬物専門店。日野菜漬けを冬の代表商品として扱い、伝統の近江野菜を用いた地漬けにこだわり、直営店やオンラインショップで通年販売している
詳細を見る →JAグリーン近江 日野農産物加工施設
滋賀県蒲生郡日野町鎌掛1416-2
地元農協が運営する加工施設で、日野町産の日野菜を用いた漬物を製造・販売している。旬の収穫期には産地ならではの新鮮な日野菜漬けが並ぶ
| 日野菜漬(桜漬け) | 刻んだ日野菜を酢に漬け込み、時間が経つにつれて切り口が鮮やかな桜色に染まることからその名がついた滋賀土産の定番。JAをはじめ県内の直売所や漬物専門店で通年販売されている。 |
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よくある質問
Q. 「桜漬け」という名前の由来は何ですか
A. 日野菜を酢に漬け込むと、根の切り口が徐々に鮮やかな桜色に染まっていくことから「桜漬け」と呼ばれるようになりました。日野菜漬けの中でも特に代表的な漬け方です。