
へしこは、鯖などの魚を塩漬けにした後、米ぬかに漬け込んで熟成させた福井県の伝統的な保存食です。若狭地域と越前海岸で古くから作られてきました。内臓を除いた魚を1か月ほど塩漬けにし、その後半年以上ぬかに漬けて発酵と熟成を重ねます。塩辛い一方で、魚のうま味と香りがぎゅっと凝縮されているのが特徴です。江戸時代中頃には若狭で作られていたと考えられ、厳しい冬を越すための貴重なたんぱく源でした。ぬかを落として軽くあぶり、酒の肴やお茶漬けにするのが定番の食べ方です。近年はパスタやピザなど、アンチョビのような使い方も広がっています。小浜市では、へしこを塩抜きして米麹とご飯で漬け直した「鯖のなれずし」も作られています。
発祥
へしこの名前は、魚を樽に漬け込むことを「圧(へ)し込む」と言ったことに由来するという説があります。「へしこまれたもの」が略されて「へしこ」になったといわれます。小浜近海ではかつて魚が豊富に獲れ、住民の貴重なたんぱく源になっていました。漁に出られない冬や嵐の日に備えて魚を保存する知恵として、へしこが生まれたとされます。
歴史
へしこは江戸時代中頃から作られていたといわれ、冬の保存食として若狭の暮らしを支えてきました。小浜は京都へ鯖を運んだ鯖街道の起点としても知られ、鯖は地域の重要な産物でした。現在は美浜町の「美浜へしこ組合」がブランド化を進めています。小学校での課外授業や、小浜市田烏(たがらす)での工房の運営などを通じて、製法の継承も続けられています。
特徴
鯖のへしこは、晩春の4〜6月ごろに仕込みが始まります。開いた鯖を塩漬けにし、夏を過ぎてから米ぬかとともに木の樽へしっかりと詰め、半年以上発酵させます。空気に触れなければ数年間保存できるとされます。生の鯖と比べて、うま味成分のアミノ酸が約2.5倍になるとの紹介もあります。材料は鯖、塩、米ぬか、唐辛子などです。
主な食材
食文化
小浜市の田烏などでは、へしこの皮をはいで水で塩抜きし、米麹を混ぜたご飯を詰めて約2週間漬ける「鯖のなれずし」も作られます。乳酸発酵により、上質なチーズにたとえられる香りが生まれます。正月などのお祝いに欠かせないごちそうとされてきました。
有名店
民宿 佐助
福井県小浜市田烏36-47
小浜市田烏の漁村にある民宿で、へしこや鯖のなれずしといった地域の伝統料理を手がけています。冬はふぐやカニの料理も味わえます。夏の一般料理の1泊2食付きは8,000円程度〜です。
なぎさ会
福井県三方郡美浜町日向9-16
美浜町の主婦たちが始めた手作り保存食の店です。昔ながらの製法で鯖を塩とぬかに漬け込んだへしこを扱い、1本1,680円程度〜で購入できます。土日は休業とされています。
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|---|---|
| 鯖のへしこペペロンチーノソース(越前田村屋) | 福井の特産品を扱う越前田村屋の、へしこを使ったパスタソースです。JR福井駅の商業施設「くるふ福井駅」内の店舗などで扱われ、1,200円程度〜です。 |
よくある質問
Q. 「へしこ」という名前の由来は何ですか?
A. 魚を樽に漬け込むことを「圧(へ)し込む」と言ったことに由来するという説が有力です。「へしこまれたもの」が略されたといわれます。ほかに、「干潮(ひしお)」がなまったとする説もあります。
Q. へしこはどのように食べるのですか?
A. ぬかを落として食べやすい大きさに切り、軽く火であぶるのが定番です。酒の肴やお茶漬け、おにぎりの具、寿司だねに使われます。最近ではチャーハンの具や、パスタ、ピザの味付けにも使われています。