ハタハタ寿司

Hatahata-zushi

ハタハタ寿司 1

画像: Wikimedia Commons

ハタハタ寿司は、秋田県の県魚として知られるハタハタを、米・米麹・野菜とともに樽に漬け込み、乳酸発酵させて作る秋田を代表する馴れずしです。塩漬けにしたハタハタの塩を抜き、麹を混ぜ込んだ飯と人参などの野菜、昆布を交互に樽へ重ねて重石をのせ、3〜4週間ほどかけてじっくり発酵させて仕上げます。ハタハタは産卵期に雷鳴の轟く時期の海に大群で現れることから「霹靂神(はたはたがみ)」の名を得たとされる魚で、秋田では古くから「ハタハタなしでは正月を迎えられない」と言われるほど暮らしに根付いてきました。麹の甘みと発酵による酸味、ハタハタの旨みが渾然一体となった味わいは、大晦日や正月の祝い膳に欠かせないものとして今も受け継がれています。

発祥

ハタハタは秋田近海に産卵期の一時期のみ大群で現れる魚で、雷鳴が轟く海に姿を見せることから雷光を意味する古語にちなみ「はたはたがみ」と呼ばれるようになったと伝わります。冬場に大量に水揚げされる貴重な魚を保存し、正月のご馳走として食べ継ぐ知恵から、米どころ秋田らしく米と麹を使った漬け込み技法が発達し、ハタハタ寿司が生まれたとされています。

歴史

江戸時代の記録には、ハタハタは安価な魚として庶民に親しまれていたとあり、当時から漬け込んで保存する食べ方が広まっていたと考えられています。昭和初期にはハタハタの豊漁を背景に秋田県全域で年末年始の重要な食べ物として定着し、海から離れた地域でも塩ハタハタを取り寄せて寿司にする習慣が根付きました。近年は漁獲量の減少により高級魚として扱われるようになっています。

特徴

米どころ秋田らしく、米と麹をふんだんに使うのが最大の特徴です。塩漬けしたハタハタの塩を抜いたのち、麹を混ぜた飯・人参などの野菜・昆布と交互に樽へ漬け込み、重石をのせて3〜4週間発酵させます。乳酸発酵による爽やかな酸味と麹の甘み、ハタハタの旨みが調和した味わいで、一匹まるごと漬けた「一匹ずし」は特にハレの日にふさわしい格式高い一品とされます。

主な食材

ハタハタ米米麹人参かぶ昆布笹の葉

食文化

秋田民謡にも歌われるほど県民生活に根付いた魚で、正月を迎えるための欠かせない一品として各家庭で仕込まれてきました。「一匹ずし」は大晦日や正月の供え物として特に格式が高いとされ、切り分けた「切りずし」は正月料理の定番として食卓に並びます。

家庭料理との違い

家庭では簡易的に漬け込み期間を短くすることもありますが、専門店や老舗では長年受け継がれた製法と発酵管理により、酸味と旨みのバランスが取れた奥深い味わいに仕上げます。塩漬けの後すぐに漬け込む方法と、水にさらしてぬめりや血合いを取ってから漬け込む方法があり、後者は麹の甘みがより引き立つ仕上がりになるとされます。

有名店

永田屋

秋田県にかほ市平沢字中町43番地

嘉永年間(1848〜1854年)創業と伝わる老舗。1kg樽入り4500円程度〜(税別)

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