
浜松餃子は、静岡県浜松市で親しまれているご当地餃子です。キャベツをたっぷり使ったあっさりした餡に、豚肉のコクを合わせた味わいが特徴です。焼いた餃子をフライパンの形のまま円形に並べ、中央にゆでたもやしを添える盛り付けがよく知られています。戦後に浜松駅の周辺で営業した屋台がルーツの一つとされ、1953年(昭和28年)創業の「石松餃子」は浜松餃子の元祖ともいわれます。2000年代半ばには市民有志が「浜松餃子学会」を立ち上げ、餃子の街としてのPRに取り組んできました。総務省の家計調査では、餃子の1世帯当たり年間支出金額で宇都宮市などと首位を争っています。浜松市は2011年に初めて全国1位となり、2025年の調査では3年連続の1位でした。市内には専門店や持ち帰りの店が多く、外食でも家庭の食卓でも身近な料理です。
発祥
浜松餃子のルーツは、戦後に浜松駅の周辺で営業した屋台にあるとされます。1953年(昭和28年)創業の石松餃子は、満州(現・中国東北部)から引き揚げてきた人に作り方を聞き、屋台で餃子を焼き始めたと伝えられます。一方で、戦前から市内の中国出身の人が焼き餃子を出していたともいわれ、起源には諸説があります。
歴史
戦後、浜松市内には餃子の専門店や持ち帰りの店が増え、家庭の食卓にも定着していきました。2000年代半ばには、餃子の購入額が全国有数であることに注目した市民有志が浜松餃子学会を立ち上げました。学会は「3のつく日」を餃子の日と定め、浜松餃子まつりを開くなどしてPRを続けています。2011年には家計調査の餃子の支出金額で浜松市が初めて全国1位となり、その後も宇都宮市や宮崎市と首位を競っています。
特徴
餡はキャベツを中心にたっぷり使い、豚肉のコクを合わせた、あっさりとして甘みのある味わいです。焼き上げた餃子はフライパンの形のまま円形に並べて盛り付け、中央の空いたところにゆでたもやしを添えます。浜松餃子学会は、3年以上浜松に住む人が浜松市内で作った餃子を浜松餃子と定義しています。皮の厚さや餡の配合、焼き加減は店ごとに異なります。
主な食材
食文化
浜松では、餃子は専門店で食べるだけでなく、持ち帰りの店で買って家庭の食卓に並べる日常のおかずとしても親しまれています。家計調査の順位は地元でも毎年話題になり、市民ぐるみで餃子の街を盛り上げています。
家庭料理との違い
家庭でも市販の皮とキャベツ、ひき肉で手軽に作られます。専門店では、初代から受け継ぐ餡の配合や皮にこだわり、フライパンで丸く焼き上げて中央にもやしを添えます。この盛り付けは屋台の時代から続くスタイルです。店ごとに皮の厚さや焼き加減が異なり、食べ比べも楽しめます。
有名店
石松餃子 本店
静岡県浜松市浜名区平口252-1
1953年(昭和28年)創業で、浜松餃子の元祖ともいわれる店です。甘みのあるキャベツと豚肉を使い、初代から受け継ぐ「つなぎ」がコクとあっさりした味わいの決め手とされます。円形に焼き上げ、中央にもやしを添えて出します。焼き餃子は10個670円程度〜です。
むつぎく
静岡県浜松市中央区砂山町356-5
1962年(昭和37年)創業の餃子専門店です。フライパンで丸く焼き、真ん中にゆでもやしを添えるスタイルを創業当時から続けています。細かく刻んだキャベツが主役の野菜たっぷりの餡で、にんにくは控えめです。大(16個)は1,120円程度です。
餃子の店 福みつ
静岡県浜松市中央区佐藤1-25-8
食事メニューを餃子と餃子定食に絞った専門店です。やや厚めの皮で包んだ野菜中心の餃子を、外はカリッと、中はジューシーに焼き上げます。15個1,050円程度で、駐車場に入りきれない車の列ができるほどの人気店として知られます。
喜慕里(きぼり)
静岡県浜松市中央区増楽町563-3
通常の半分ほどの厚さという極薄の皮が特徴の人気店です。ごま油をブレンドした油で焼き上げ、軽い食感に仕上げています。餡にエビやイカを加えた餃子もあり、中サイズ15個870円程度〜です。
よくある質問
Q. 浜松餃子にはなぜもやしが添えられているのですか?
A. 石松餃子の先代が、屋台の時代に家庭用のフライパンで餃子を丸く並べて焼いた際、中央にできたすき間にゆでたもやしを添えたのが始まりとされます。この盛り付けが市内の店に広まり、今では浜松餃子を象徴するスタイルになっています。
Q. 浜松は餃子の消費量が日本一なのですか?
A. よく引き合いに出されるのは、総務省家計調査の「ぎょうざ」の1世帯当たり年間支出金額です。店などで購入した餃子が対象で、外食は含まれません。浜松市は2011年に初めて1位となり、2023年から2025年まで3年連続で1位でした。順位は年によって入れ替わり、宇都宮市や宮崎市と争っています。