
羽二重餅は、餅粉を蒸して砂糖と水あめを加えて練り上げ、薄く伸ばして四角く切り分けた福井県の郷土菓子です。材料は餅粉、砂糖、水あめの3つが基本という、素朴な餅菓子です。名前は、明治以降の福井を代表する絹織物「羽二重(はぶたえ)」に由来します。羽二重は、なめらかで光沢のある平織の高級絹織物です。その白さときめ細かな肌触りを、餅菓子で表現したのが羽二重餅です。口に入れるとふんわりととろけるような柔らかさが持ち味です。誕生は明治期とされ、農林水産省は「羽二重餅」と命名された菓子の登場を1905年(明治38年)としています。ただし元祖として知られる店は複数あり、起源には諸説があります。現在は福井土産の定番として、多くの菓子店がそれぞれの配合で作っています。きな粉をまぶしたものや、あんを包んだもの、もなかに挟んだものなど、派生した菓子も豊富です。
発祥
福井県では江戸時代から絹織物業が盛んで、明治時代には輸出向けの羽二重織が県内一円に広がりました。1890年代前半には福井県の絹織物の生産額が全国1位となり、羽二重は明治以降の福井を代表する製品となりました。羽二重餅は、この織物の色合いや風合いに似せた和菓子として生まれました。郷土を代表する織物にちなんだ名物を、という思いが込められた菓子です。
歴史
農林水産省によると、「羽二重餅」と名付けられた菓子の登場は、羽二重織が最盛期を迎えた1905年(明治38年)です。1897年(明治30年)創業の松岡軒は、創業者が考案した元祖の羽二重餅を1905年に発売したとしています。一方、1847年(弘化4年)創業の錦梅堂も、羽二重餅の元祖として知られています。戦災で資料が失われたこともあり、考案の詳しい経緯ははっきりしていません。
特徴
餅粉を水で練って蒸し上げ、砂糖や水あめを加えて練り上げます。これを板の上に流して厚さ数ミリに広げ、一口大の四角形に切り分けます。材料の配合や厚さは店ごとに異なり、食感や甘さに個性が表れます。絹のようになめらかで、舌の上でとろけるような柔らかさが特徴です。個包装の商品も多く、土産として持ち運びやすくなっています。
主な食材
食文化
明治期には織物商や商社が土産として買い求めたことで、全国に名が広まったといわれます。いまでは福井土産の定番です。季節の果物を包んだものや、くるみを練り込んだものなど、羽二重餅から生まれた菓子も数多く作られています。
有名店
羽二重餅総本舗 松岡軒 本店
福井県福井市中央3丁目5-19
1897年(明治30年)創業で、東京で10年修業した淡島恒が開業しました。父は白い奉書紬(ほうしょつむぎ)を扱う織物商で、羽二重のなめらかな肌触りを菓子で再現しようと工夫を重ねたと伝えています。羽二重餅は2枚入り108円程度〜です。
詳細を見る →錦梅堂
福井県福井市順化1丁目7-7
1847年(弘化4年)創業の老舗で、羽二重餅の元祖として知られています。羽二重餅から派生した和洋菓子や水ようかんも扱い、個包装の羽二重餅は土産の定番です。
村中甘泉堂 本店
福井県福井市中央1丁目21-24
1910年(明治43年)創業の和菓子店で、羽二重餅は全国菓子大博覧会での受賞歴があります。冬から春の「羽二重いちご」など、季節の果物を使った羽二重も人気です。
| 羽二重くるみ(はや川) | 1926年創業の勝山市の菓子店・はや川の菓子です。和ぐるみの甘露煮を練り込んだ羽二重餅を、香ばしいシュー生地で挟んでいます。6個入りは840円程度〜です。 |
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よくある質問
Q. 「羽二重」とは何ですか?
A. なめらかで光沢のある、平織の高級絹織物のことです。明治以降の福井県を代表する製品で、明治中期には福井県の絹織物の生産額が全国1位になりました。羽二重餅は、その白さと柔らかな肌触りを餅菓子に見立てて名付けられました。