
越前がには、福井県の港に水揚げされる雄のズワイガニに付けられたブランド名です。越前町の越前漁港をはじめ、坂井市の三国港、敦賀港、小浜港などで水揚げされたものが対象です。脚に付けられた黄色いタグがブランドの証しで、GI(地理的表示)のマークや漁船名などが記されています。三国港で水揚げされた越前がには1922年(大正11年)から皇室に献上されており、「唯一の皇室献上がに」として知られています。2018年には、カニとして全国で初めて国の地理的表示保護制度に登録されました。漁は毎年11月6日に解禁され、雄は翌年3月20日まで水揚げされます。雌のズワイガニは「せいこがに」と呼ばれ、甲羅の中の内子(卵巣)とお腹に抱えた外子(卵)が珍重されます。越前町には越前がにを学べる越前がにミュージアムもあり、冬の越前海岸を代表する味覚です。
発祥
越前がにの歴史は古く、室町時代の公家・三条西実隆の日記に、1511年(永正8年)に「越前蟹」と記した箇所があるとされます。これが「越前蟹」という名称の最も古い記録といわれ、当時すでに京都で越前のカニが知られていたことがうかがえます。江戸時代には『越前国福井領産物』という書物にもズワイガニ漁の記録が残され、漁が盛んに行われていたことが分かります。
歴史
近代に入り、三国港で水揚げされた越前がにの皇室献上が1922年(大正11年)に始まりました。戦時中などのわずかな例外を除いて毎年続けられ、100年以上の歴史を重ねています。1997年(平成9年)にはセリの前に黄色いタグを付ける取り組みが始まり、タグ付きブランドガニの先駆けとなりました。2018年には地理的表示(GI)に登録されています。
特徴
越前がにの水揚げ港のうち、荒波の打ち寄せる越前岬に最も近いのが越前港です。県内の越前がにの約8割近くがここで水揚げされるといわれます。越前町には県内最多の約40隻の底びき網漁船があり、越前がに漁の中核を担っています。脱皮して間もない雄は「水がに」と呼ばれ、2月下旬から3月20日までの短い期間だけ出回ります。大型で身入りのよいものを選んだ最高級ブランド「極(きわみ)」も設けられています。
主な食材
食文化
解禁日の11月6日は、越前海岸に冬の訪れを告げる日です。漁師たちは前日の夜に一斉に出港し、午前0時に網を入れます。越前町の越前がにミュージアムでは、カニ漁の歴史や深海の様子を展示で学べ、隣接する市場で海産物も購入できます。
有名店
こばせ
福井県丹生郡越前町梅浦58-8
1870年(明治3年)創業の越前町の宿です。1965年(昭和40年)の冬に作家の開高健が訪れ、その後20年あまり通ったとされます。せいこがに8杯分の身と卵を福井県産米にのせた「開高丼」が名物で、11,400円程度〜です。
望洋楼
福井県坂井市三国町米ヶ脇4丁目3-38
明治の創業と伝わる三国温泉の料理旅館です。皇室にも献上される三国港の越前がにを使った料理を提供しています。直営の食事処「越前 蟹の坊」も営んでいます。
| 越前かにめし(番匠本店) | 1961年(昭和36年)に誕生した福井駅の名物駅弁です。せいこがにを炊き込んだご飯の上に、カニのほぐし身が敷き詰められています。カニをかたどった容器も親しまれ、冷凍品の配送も行われています。購入先を見る →PR |
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よくある質問
Q. 越前がにとせいこがにはどう違うのですか?
A. どちらもズワイガニですが、越前がには雄、せいこがには雌を指します。せいこがには雄よりも小ぶりですが、内子と外子を味わえるのが魅力です。漁期も異なり、雄は翌年3月20日まで、雌は12月31日までと定められています。