
ちゃんこ鍋は、東京・両国の相撲部屋で力士たちの食事として発展した鍋料理です。本来「ちゃんこ」は相撲部屋で作られる料理全般を指す言葉で、その中でも鍋料理を「ちゃんこ鍋」と呼びます。明治42年(1909年)の両国国技館完成の頃、当時の人気横綱・常陸山谷右エ門の活躍で出羽海部屋への入門者が増え、大勢の力士がまとめて栄養を取れるよう、一つの鍋を大人数で囲んで食べるスタイルが定着したと伝わります。鶏がらでだしを取る「ソップ炊き」や、味噌・塩ベースの鍋など、味付けや具材は部屋ごとに異なり、巡業先の農家から譲り受けた野菜や、その日仕入れられる肉・魚を組み合わせて作られてきました。四つ足の動物(牛・豚)を食べると土俵で「手をつく」ことに通じ縁起が悪いとされ、鶏や魚が好んで使われた点も特徴です。現在は両国を中心に、元力士が営むちゃんこ料理店で一般客も味わえる料理となっています。
発祥
ちゃんこ鍋の起源は、明治42年(1909年)の両国国技館完成の頃にさかのぼるとされます。当時の人気横綱・常陸山谷右エ門の活躍で出羽海部屋への入門者が急増し、大勢の力士に効率よく栄養を取らせる方法として、大きな鍋を囲んで食べるスタイルが考案されたと伝わります。「ちゃんこ」とは本来、相撲部屋で作られる料理全般を指す言葉です。
歴史
大正から昭和初期にかけて、両国周辺は鶏肉の一大市場であったことから、鶏がらでだしを取る「ソップ炊き」が力士の栄養食として定着しました。力士は縁起を担ぎ、四つ足の動物は「土俵に手をつく」ことを連想させるとして避け、鶏や魚を中心に用いたとされます。巡業先の農家から譲り受けた野菜なども加えられ、部屋ごとに独自のちゃんこ文化が育まれました。戦後は引退した力士が営む専門店が両国に増え、一般客にも親しまれる料理となりました。
特徴
ちゃんこ鍋の味付けや具材は部屋ごとに大きく異なり、決まった定義はありません。鶏がらだしをベースにした「ソップ炊き」のほか、味噌味、塩味、しょうゆ味など様々なスタイルがあります。鶏団子や豆腐、白菜、ねぎなどの野菜をたっぷり使い、栄養バランスを重視して作られるのが共通点です。大きな鍋を大人数で囲んで食べる形式は、力士の団体生活や上下関係を映した相撲文化そのものといえます。
主な食材
食文化
本来は相撲部屋の力士が自ら調理し、稽古後に大人数で鍋を囲んで食べる料理で、若い力士が調理を担うなど、相撲部屋の上下関係や生活文化と密接に結びついている。
家庭料理との違い
家庭の鍋料理と違い、大量の食材を大鍋で一度に煮込み、力士の栄養バランスと満腹感を重視して作られる点が特徴。専門店では引退力士が実際の相撲部屋の味を再現して提供している。
有名店
相撲茶屋 ちゃんこ江戸沢 両国総本店
東京都墨田区両国3-24-11
昭和49年(1974年)創業のちゃんこ専門店。ディナーの予算は3,500円程度から、ランチは1,000円程度からとリーズナブルに味わえる。
詳細を見る →よくある質問
Q. 「ちゃんこ」という名前の由来は何ですか。
A. 諸説あり、力士が調理場の年長者を「父(ちゃん)」と親しみを込めて呼んだことに由来する説や、中国から伝わった中華鍋を意味する言葉が訛ったとする説などがあり、定説はありません。