
赤福餅は、やわらかな餅の上にこし餡をのせた、三重県伊勢市の名物菓子です。作っているのは、伊勢神宮内宮前のおはらい町に本店を構える赤福で、1707年(宝永4年)の創業とされます。餡につけた3本の筋は、神宮の境内を流れる五十鈴川の清流を表しています。白い餅は、川底に沈む小石を表しているといわれます。屋号は「赤心慶福(せきしんけいふく)」という言葉に由来します。赤子のようないつわりのない心で、自分や他人の幸せを喜ぶという意味です。江戸時代、桑名から伊勢へ向かう参宮街道は「餅街道」とも呼ばれ、参拝客をもてなす名物餅が街道沿いに数多く生まれました。赤福餅はその代表格です。本店では、朱塗りのかまどで沸かしたほうじ茶とともに、できたての赤福餅を味わえます。毎月1日だけ販売される「朔日餅(ついたちもち)」も人気です。
発祥
赤福の創業は1707年(宝永4年)とされ、江戸時代のお伊勢参りの人々に餅を出してきました。当時、伊勢街道沿いの茶店では、手早く食べられて腹持ちのよい餅が旅人に好まれたといいます。赤福餅の形は、伊勢の自然を表したものです。餡につけた3本の筋は五十鈴川の流れを、白い餅は川底の小石を表すとされます。
歴史
本店は1877年(明治10年)、台風で五十鈴川の被害を受けた後、現在の場所に建て直されました。1900年(明治33年)には、正岡子規が赤福餅を詠んだ句を残したと伝えられます。1911年(明治44年)には、それまでの黒砂糖の餡に代わり、白砂糖を使った餡が生まれています。1944年(昭和19年)には原料の統制で休業し、1949年(昭和24年)に営業を再開しました。2007年(平成19年)には製造日などの不正表示により営業禁止処分を受け、翌2008年に営業を再開しています。
特徴
赤福餅は、もち米の餅の上にこし餡をのせ、3本の筋をつけて仕上げます。職人が作る様子を間近で見られる店舗もあります。保存料を使わない生菓子のため、消費期限は短めです。土産用の箱は8個入900円程度、12個入1,300円程度などがあり、1人用の銘々箱もあります。夏には赤福氷、冬には赤福ぜんざいといった季節のメニューが本店などで味わえます。
主な食材
食文化
伊勢では、毎月1日の早朝に神宮へ参拝する「朔日参り(ついたちまいり)」という習わしがあります。赤福は1978年(昭和53年)、参拝者をもてなす「朔日餅」の販売を始めました。元日を除く毎月1日に、月ごとに異なる餅菓子が売られ、早朝から多くの人が訪れます。
有名店
赤福 本店
三重県伊勢市宇治中之切町26
伊勢神宮内宮前のおはらい町にあり、明治時代から140年余り使われてきた切妻造りの建物です。神宮へ朝早く参拝できるため、毎朝5時に開店します。五十鈴川に面した縁側で、赤福餅2個とほうじ茶の「盆」を400円程度で味わえます。
詳細を見る →| 赤福餅(折箱) | 伊勢土産の定番で、折箱は8個入900円程度、12個入1,300円程度です。1人分の銘々箱(400円程度)もあります。保存料を使わない生菓子で消費期限が短いため、購入後は早めに食べるのがおすすめです。三重県内のほか、名古屋や関西の一部の店舗でも販売されています。購入先を見る →PR |
|---|---|
| 朔日餅 | 毎月1日(元日を除く)だけ販売される月替わりの餅菓子です。季節にちなんだ内容で、本店のほか一部の店舗でも販売されます。早朝から行列ができるほどの人気で、予約を受け付ける店舗もあります。購入先を見る →PR |
よくある質問
Q. 赤福餅の3本の筋には意味があるのですか?
A. あります。餡につけた3本の筋は、伊勢神宮の境内を流れる五十鈴川の清らかな流れを表しているとされます。白い餅は川底の小石を表しています。神宮のそばで生まれた菓子らしく、伊勢の風景が形になっています。
Q. 「赤福」という名前の由来は何ですか?
A. 「赤心慶福(せきしんけいふく)」という言葉に由来するとされます。赤子のようないつわりのない心で、自分や他人の幸せを喜ぶという意味です。赤い色の餅だから赤福というわけではありません。
Q. 伊勢街道の「餅街道」とは何ですか?
A. 江戸時代、お伊勢参りの旅人が行き交った桑名から伊勢までの参宮街道の呼び名です。街道沿いの茶店では名物餅が数多く生まれ、桑名の安永餅、四日市のなが餅、亀山の関の戸、伊勢のへんば餅などが今も作られています。