
結城紬は現在の茨城県結城市を中心に、鬼怒川を挟んだ栃木県小山市一帯にかけて織り継がれてきた絹織物である。原型は奈良時代に常陸国から朝廷へ献上された「絁(あしぎぬ)」とされ、鎌倉時代には見た目が質素で丈夫なことから関東の武士に好まれて結城地方が生産の中心となり、室町時代には「結城紬」の名で幕府へ献上される特産品として知られるようになった。慶長年間(1596〜1615年)には代官・伊奈忠次による改良振興を経て技法が確立し、1977年3月30日に経済産業大臣指定伝統的工芸品の指定を受け、2010年にはユネスコ無形文化遺産にも登録された。最大の特徴は、真綿を手でつむいだほぼ無撚りの糸を、経糸を織り手の腰に結わえて体全体で織る「地機(いざり機)」の技法にあり、生糸で織った反物より軽く、絣模様の細やかさとともに独特のやわらかな着心地を生み出している。
発祥
結城紬の原型は、奈良時代に常陸国から朝廷へ献上された絹織物「絁(あしぎぬ)」にさかのぼるとされ、正倉院にもその現物が伝わる。鎌倉時代には見た目が質素で丈夫なことから関東の武士に好まれるようになり、結城地方が織物の中心地として発展した。室町時代には「結城紬」の名で幕府や関東管領へ献上される、全国的に著名な特産品として知られるようになった。
歴史
慶長年間(1596〜1615年)にこの地を治めた幕府代官・伊奈忠次が改良振興に努めたことで、結城紬は広く全国に知られるようになったと伝わる。江戸時代を通じて真綿手つむぎ糸を地機で織る技法が確立し、現在の茨城県結城市から栃木県小山市にかけての鬼怒川沿いの一帯が主産地として定着した。1977年3月30日に経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定され、2010年にはユネスコ無形文化遺産に登録されている。
特徴
最大の特徴は、繭から引き伸ばした真綿を手でつむいだほぼ無撚りの糸を用い、経糸を織り手の腰に結わえて体全体で織る「地機(いざり機)」の技法にある。この製法により、生糸で織った反物よりも軽く、空気を含んだやわらかな風合いに仕上がる。絣模様は「手びねり」と呼ばれる技法で糸を一本ずつ手作業でくくって染め分けるため、細やかで奥行きのある柄が生まれる。
使用される素材
制作工程
- 1
真綿つくり
繭を煮て広げ、袋状に伸ばして真綿にする。
- 2
糸つむぎ
真綿から撚りをかけずに手で糸を紡ぐ。
- 3
絣くくり
模様になる部分を木綿糸で一本ずつ手作業でくくり、防染する。
- 4
染色
藍などで糸を染め、絣模様を染め分ける。
- 5
地機織り
経糸を織り手の腰に結わえた地機で、体全体を使って織り上げる。
| 主な産地 |
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職人・工房
購入方法
- おやま本場結城紬クラフト館
- 小山駅西口にある本場結城紬の情報発信拠点。反物の展示のほか、端切れや真綿を使った小物、若手職人によるアクセサリーなどを購入できる。購入先を見る →PR
- つむぎの館(奥順株式会社)
- 結城市にある本場結城紬の複合施設。ショップでは反物や帯から小物まで幅広く取り扱っており、実際に手に取って風合いを確かめながら選ぶことができる。購入先を見る →PR
体験施設
よくある質問
Q. 結城紬はいつユネスコ無形文化遺産に登録されましたか。
A. 2010年、手つむぎ糸を地機で織る「本場結城紬」の技術が、ユネスコの無形文化遺産保護条約に基づく代表一覧表に記載された。日本の染織技術としては初めての単独登録である。
Q. 結城紬の産地はどこですか。
A. 茨城県結城市を中心に、鬼怒川を挟んだ栃木県小山市・下野市一帯にかけてが主な産地となっている。両地域の織元が協力しながら、糸つむぎから機織りまでの分業体制で伝統技術を守り続けている。