
八女提灯は福岡県八女市(旧福島町)で生まれた盆提灯を代表する伝統的工芸品です。文化年間(1813年頃)に荒巻文右衛門が創製したのが始まりとされ、後に吉永太平が竹ひごを一本につないで螺旋状に巻く「一条螺旋式」を考案。薄い和紙を用いて内部の灯りが仄かに透けるようにしたことで品質が飛躍的に向上しました。火袋には花鳥風月を描いた繊細な彩色画が施され、住吉提灯や大内行灯、御殿丸(御天丸)など多彩な種類があります。現在の提灯づくりの主流である一本の骨を螺旋状に巻く構造は、八女提灯が起源とされています。平成13年(2001年)に国の伝統的工芸品に指定され、生産量は日本一を誇り、海外へも出荷されています。仏事に用いる盆提灯としての需要が中心ですが、近年は若手職人による現代的なデザインの製品づくりも進んでいます。
発祥
八女提灯は福岡県八女郡福島町(現・八女市)で生まれました。文化年間(1813年頃)、地元の荒巻文右衛門が創製したと伝えられ、当初は「場提灯」と称して売り出されたといいます。旧福島町にちなみ「福島提灯」とも呼ばれてきました。その後、吉永太平が竹を細く裂いて一本につなぎ、螺旋状に巻く「一条螺旋式」の骨組みを考案し、薄紙を用いて内部の灯りが仄かに透ける工夫を加えたことで、提灯の品質が大きく向上したと伝わっています。
歴史
江戸時代後期、一条螺旋式の考案によって量産が可能となった八女提灯は、花鳥風月を描いた彩色画とともに評判を呼び、盆提灯の産地として全国に知られるようになりました。以後も八女の職人たちによって技術が受け継がれ、平成13年(2001年)には経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定されています。現在も国内生産量日本一を誇り、盆提灯を中心に住吉提灯や大内行灯、御殿丸(御天丸)、博多長、門提灯など多様な製品が作られ、広く海外にも出荷されています。
特徴
八女提灯の最大の特徴は、竹ひごを一本につないで螺旋状に巻き上げる「一条螺旋式」の骨組みです。現在主流となっている提灯の骨組み構造は、この八女提灯が起源とされています。火袋には薄い和紙が張られ、内部の灯りが仄かに透けるように工夫されているほか、下書きをせずに手早く筆を運ぶ独特の技法で、山水や草花、花鳥風月を描いた色彩豊かな絵付けが施される点も大きな魅力です。盆提灯としての利用が中心で、住吉提灯や大内行灯、御殿丸(御天丸)など多彩な形状があります。
使用される素材
制作工程
- 1
骨組み(ひご巻き)
竹を細く裂いて一本につないだヒゴを、型に沿って螺旋状に巻きつけていく。一本のヒゴを巻き上げる「一条螺旋式」は八女提灯が考案した技法で、現在の提灯づくりの主流となっている構造の原点である。
- 2
地張り(紙張り)
骨組みに薄い和紙を貼っていく工程。羽(骨の間)を一間ずつ張り進め、糊が乾いてから隣の面を張る。火袋に灯りをともすと張り方が透けて見えるため、継ぎ目は特に丁寧に仕上げられる。
- 3
絵付け
和紙を張った火袋の表面に、山水や草花、花鳥風月を描く。下書きをせずに筆を素早く運ぶのが特徴で、吹き付けと筆描きを組み合わせながら色彩豊かな絵柄を仕上げていく。
| 主な産地 |
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職人・工房
購入方法
- ちょうちん堂 ココランショップ
- シラキ工芸が2022年6月にオープンした直売店。小さな住空間や現代的な仏前にも合う提灯「ココラン」をはじめ、夏に限らず使える灯りとしての提灯を提案・販売している。購入先を見る →PR
- 伊藤権次郎商店
- 八女市本町で200年以上続く提灯専門店。盆提灯をはじめ各種提灯を製造・販売しており、店頭で直接商品を選んで購入できる。購入先を見る →PR