雲平筆

Umpei-fude

雲平筆 1

画像: Wikimedia Commons

雲平筆は、和紙を軸に巻き込んで穂を仕立てる「巻筆」の技法を今に伝える書道用の毛筆です。祖は元和年間(1615年頃)に京都で創業したと伝わる筆司・藤野雲平で、宮中の御用を務め、書道の家として知られる有栖川宮家とも縁が深かったとされます。正徳年間には五代目雲平が時の関白・近衛家熙から「攀桂堂」の号を賜り、以後この名で代々の筆司が技術を受け継いできました。現在は滋賀県高島市安曇川町に工房を構え、十五代目藤野雲平とその子が、和紙で穂首を巻き固める巻筆づくりを手がける日本で唯一の作り手として知られています。狸や羊、鼬など複数の獣毛を用いて仕立てられる穂は墨含みがよく、力強い線を生み出すとされ、書家をはじめ多くの愛好者に親しまれてきました。1966年には十四代目が滋賀県指定無形文化財の保持者に認定され、雲平筆自体も滋賀県知事指定の伝統的工芸品となっています。

発祥

雲平筆の起源は元和年間(1615年前後)にさかのぼります。初代藤野雲平は大坂夏の陣の後、彦根から京都に移り筆づくりを始めたと伝えられ、以来禁裏御所の御用を務め、書道の家として知られる有栖川宮家にもたびたび筆を納めてきました。正徳年間には五代目雲平が時の関白・近衛家熙から「攀桂堂」の号を賜り、以後この名で代々の筆司が技術を受け継いでいます。

歴史

江戸から明治・大正・昭和を経て、攀桂堂の筆づくりは代々の筆司によって受け継がれてきました。1966年には十四代目藤野雲平が滋賀県の無形文化財保持者に認定され、その技は十五代目とその子へと引き継がれています。工房は京都から滋賀県高島市安曇川町へと移りましたが、和紙で穂首を巻き固める「巻筆」の製法を守り続ける日本で唯一の存在として、書道関係者から高く評価されています。

特徴

雲平筆最大の特徴は、獣毛をそろえた穂の芯に和紙を幾重にも巻き付けて仕立てる「巻筆」の技法にあります。中国唐代に由来するとされるこの製法は、穂に独特の張りと墨含みの良さを与え、力強く伸びやかな線を生み出すといわれています。狸や羊、鼬などの毛を使い分け、天平筆や弘法筆、定家筆など、歴史的な筆の様式を今に再現した品々がそろうことも特色の一つです。

技法

天平筆・弘法筆など

雲平筆には天平筆、弘法大師流の弘法筆、藤原定家にちなむ定家筆、本阿弥光悦流の光悦筆など、歴史上の書の名手や時代様式にちなんだ筆が伝えられ、それぞれ穂の形や巻き方に違いが見られる。

使用される素材

狸毛羊毛鼬毛和紙

制作工程

  1. 1

    毛もみ・毛選り

    獣毛の中から穂に適した毛を選び出し、くせや不要な毛を取り除く。

  2. 2

    芯立て

    選んだ毛を整えて穂の芯を作る。

  3. 3

    紙巻き

    芯に和紙を幾重にも巻き付けて固め、筆特有の張りを持たせる。

  4. 4

    仕上げ

    穂先を整え、軸に取り付けて完成させる。

主な産地
  • 高島市安曇川町

職人・工房

攀桂堂(藤野雲平)

元和年間創業と伝わる巻筆の家系。十五代目藤野雲平とその子が、和紙で穂首を巻き固める伝統技法を守る日本で唯一の作り手として活動している。

公式サイト →

購入方法

攀桂堂
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よくある質問

Q. 「巻筆」とは通常の筆と何が違うのですか。

A. 一般的な筆は穂を糸などで直接軸に固定しますが、巻筆は毛の芯に和紙を幾重にも巻き付けてから軸に仕立てます。この製法により穂に独特の張りが生まれ、墨含みや線の表現に違いが出るとされています。

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