高崎だるま

Takasaki Daruma

高崎だるま 1

画像: Wikimedia Commons

高崎だるまは群馬県高崎市で作られる縁起だるまで、年間約90万個が生産され、全国の張り子だるまの生産量の約8割を占める日本一の産地として知られています。江戸時代後期の寛政年間、少林山達磨寺の近くに住んでいた山縣友五郎が、同寺九代目住職・東嶽和尚に彫ってもらった木型に和紙を張り重ねて作ったのが始まりと伝えられています。当初は座禅姿に近い形でしたが、養蚕農家が「蚕の起き」と「だるまの起き上がり」を重ね合わせて縁起物として神棚に祀るようになったことから、次第に丸みを帯びた現在の形へと変化しました。眉を鶴、ひげを亀に見立てて描き、肩には「商売繁盛」「家内安全」などの縁起文字を入れる点が、他産地のだるまには見られない高崎だるまならではの特徴です。毎年1月6日・7日に少林山達磨寺で開かれる「七草大祭だるま市」は、高崎の冬の風物詩として多くの人でにぎわいます。

発祥

高崎だるまの起源は江戸時代後期の寛政年間(1789〜1801年)にさかのぼります。少林山達磨寺の近隣・上豊岡村に住んでいた山縣友五郎が、同寺九代目住職の東嶽和尚に木型を彫ってもらい、そこに和紙を張り重ねてだるまを作ったのが始まりと伝えられています。少林山達磨寺は延宝8年(1680年)に一了居士が達磨大師の座禅像を安置したことに由来する、だるま信仰ゆかりの古刹であり、その門前で育まれただるま作りが、後に高崎の地場産業として発展していきました。

歴史

当初のだるまは座禅姿に近い形でしたが、上州は養蚕が盛んな地域であったため、蚕が「起きる」ことと、だるまが倒れても起き上がることを重ね合わせ、豊蚕や商売繁盛を祈る縁起物として養蚕農家の神棚に祀られるようになりました。この結びつきから需要が広がり、次第に丸みを帯びた現在の愛らしい形へと変化していきました。平成5年(1993年)には群馬県ふるさと伝統工芸品に指定され、現在は年間約90万個が生産され、全国の張り子だるま生産量の約8割を占める一大産地となっています。

特徴

高崎だるまの最大の特徴は、眉を鶴、ひげを亀の姿に見立てて描き、肩に「商売繁盛」「家内安全」などの縁起の良い文字を書き込む点で、他の産地のだるまには見られない独自の様式です。伝統的な製法では、木型に和紙を幾重にも張り重ねて乾かし、型から抜いて生地を作る「張り子」の技法が用いられてきましたが、現在は真空成型による生地づくりも広く行われています。顔立ちや文字入れなど仕上げの多くの工程は今も職人の手作業に委ねられており、赤だるまのほか、近年は多彩な色やデザインのだるまも作られています。

技法

張り子

木型に和紙を幾重にも張り重ねて成形し、乾燥後に型を抜いて生地を作る技法。だるまの丸みのある独特の形状と、軽くて丈夫な仕上がりを生み出す、高崎だるま伝統の製法である。

使用される素材

和紙胡粉顔料

制作工程

  1. 1

    生地づくり

    水に溶かした古紙を繊維状にし、穴のあいた金型を使って真空成型する。温風で乾かしたのち天日で2〜3日ほど干し上げ、厚さ5mmほどの丈夫な生地に仕上げる。

  2. 2

    下塗り

    貝殻を焼いて作った胡粉を塗料に混ぜて下塗り用の塗料を作り、生地の底に重り「ヘッタ」を接着したうえで全体に塗り、天日で2〜3日乾燥させる。

  3. 3

    着色

    専用のタンクを使い、生地全体に色を着ける。縁起物として人気の高い赤色のだるまが中心に大量生産され、白だるまなどは職人が手作業で塗り仕上げる。

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    顔の化粧

    白色で顔の地色を整え、目の周りをオレンジ色でぼかすようにグラデーションをつける。表情の土台となる、繊細な手作業の工程である。

  5. 5

    顔描き・文字入れ

    眉を鶴、ひげを亀に見立てて筆で描き、腹や肩、背中に「商売繁盛」「合格祈願」など縁起の良い文字を書き入れて仕上げる。

主な産地
  • 高崎市豊岡町・八幡町周辺

職人・工房

大門屋(だるまのふるさと大門屋)

創業100年を超える高崎最大規模のだるま工房。四代目・中田純一氏が群馬県ふるさと伝統工芸士として、伝統的な赤い福だるまから現代的なデザインのだるままで幅広く手がけている。

公式サイト →

三代目だるま屋ましも

だるま職人・真下輝永氏が営む工房で、木型彫りから顔入れまでを一貫して手作業で行う。高崎だるま発祥の地の伝統技術を受け継ぐ専門店として知られる。

公式サイト →

購入方法

群馬県達磨製造協同組合
高崎だるまの製造元が加盟する組合。加盟する製造販売店の一覧を公式サイトで案内しており、産地から直接だるまを求めることができる。購入先を見る →PR
少林山七草大祭だるま市
毎年1月6日・7日に少林山達磨寺で夜通し開かれるだるま市。境内にだるま販売の露店が立ち並び、新年の縁起だるまを買い求める人でにぎわう。購入先を見る →PR

体験施設

だるまのふるさと大門屋

群馬県高崎市藤塚町124-2

要予約、絵付け体験1,500円程度〜、所要時間約45分。伝統工芸士の指導のもと、高崎だるまの絵付けを気軽に楽しめる。

詳細を見る →
#張り子#縁起物#少林山達磨寺#高崎市