
仙台箪笥は仙台市を中心に作られる指物家具で、江戸時代末期に仙台藩の城下町で誕生した地場産業です。当初は刀や金庫を収める「野郎箪笥」として作られ、明治から大正期にかけては欧米への輸出も盛んに行われました。最大の特徴は、欅や栗などの無垢材に木目を美しく見せる透明感のある紅色の漆「仙台木地呂塗」を施し、そこに龍や牡丹、唐獅子といった武家好みの図柄を厚さ1ミリほどの鉄板から打ち出した重厚な金具を組み合わせる意匠にあります。指物・漆塗り・金具の3つの工程をそれぞれ専門の職人が分業で手がけ、現在も仙台箪笥協同組合の職人たちによって受け継がれています。2015年(平成27年)6月18日には、宮城伝統こけし・雄勝硯・鳴子漆器に次いで県内4番目、24年ぶりとなる経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定された、比較的新しい指定品目でもあります。
発祥
仙台箪笥は江戸時代末期、仙台藩の城下町で武士や商家の需要に応じて誕生した指物家具です。当初は刀や金庫を仕込むための「野郎箪笥」と呼ばれる引き出し付きの家具として作られました。仙台藩の日本刀の鍔(つば)づくりの技術が箪笥の装飾金具に応用されたことが、後の重厚な意匠につながったと伝えられています。
歴史
明治から大正期にかけて仙台箪笥は生産のピークを迎え、豪華な唐獅子や龍の金具をあしらった製品が欧米へも輸出されました。指物・漆塗り・金具の3工程が分業で発展し、それぞれの職人が専門技術を磨いてきました。長らく地場産業として継承されてきましたが、2015年6月18日、宮城県内では24年ぶりとなる経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定され、現在も仙台箪笥協同組合を中心に手仕事の技が受け継がれています。
特徴
仙台箪笥の特徴は、欅や栗などの無垢材に透明感のある紅色の「仙台木地呂塗」を施した木目の美しさと、龍や牡丹、唐獅子など武家好みの図柄を打ち出した重厚な鉄金具の組み合わせにあります。金具職人は厚さ1ミリ前後の鉄板を裏から鏨(たがね)と金槌で叩き、立体的な浮き彫り模様を生み出す「打出し」技法を用います。指物・漆塗り・金具、3つの専門職人による分業体制が、堅牢で華やかな一棹を生み出しています。
技法
仙台木地呂塗
欅などの木地に透明感のある紅色の漆を塗り重ねる仕上げ。木目を美しく透かして見せる鏡面仕上げで、使い込むほどに深い艶と色合いが増していく。
打出し金具
厚さ1ミリ前後の鉄や銅の板を裏側から鏨と金槌で叩き、龍・牡丹・唐獅子などの図柄を立体的に浮き彫りにする金具の加工技法。明治以降に輸出用として発展した。
使用される素材
制作工程
- 1
木取り・指物
欅や栗などの無垢材を選び、釘を使わない指物の技法で箪笥の本体を組み立てる。
- 2
下地・漆塗り
木地に生漆をすり込んで固め、下地から上塗りまで重ねて仙台木地呂塗に仕上げる。
- 3
金具の打出し
鉄板を裏から鏨で叩き、龍や牡丹などの図柄を立体的に打ち出す。
- 4
漆焼付・組付け
打ち出した金具に漆を焼き付けて錆止めを施し、箪笥本体に取り付けて仕上げる。
| 主な産地 |
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職人・工房
門間箪笥店
明治5年(1872年)創業、仙台市若林区南鍛冶町で仙台箪笥を作り続ける老舗。製作の様子を公開する「仙台箪笥伝承館」を併設し、伝統技術を今に伝えている。
購入方法
- 欅産業オンラインショップ
- 仙台箪笥専門店のオンラインショップ。小型の仙台小箪笥から本格的な箪笥まで、104,500円程度〜660,000円程度まで幅広く取り扱う。購入先を見る →PR
体験施設
よくある質問
Q. 仙台箪笥の最大の特徴は何ですか?
A. 欅などの無垢材に施す透明感のある紅色の「仙台木地呂塗」と、龍や牡丹などを打ち出した重厚な鉄金具の組み合わせです。指物・漆塗り・金具の3職人による分業で作られます。
Q. 仙台箪笥はいつ国の伝統的工芸品に指定されましたか?
A. 2015年6月18日、経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定されました。宮城伝統こけし・雄勝硯・鳴子漆器に次いで県内4番目、約24年ぶりの新規指定です。