大山こま

Oyama Koma

大山こま 1

画像: Wikimedia Commons

大山こまは、神奈川県伊勢原市の大山山麓に伝わる木製の独楽(こま)で、江戸時代中期に盛んになった「大山詣り」の土産物として発展しました。地元でとれるミズキ材を木地師が轆轤(ろくろ)で挽き、白木の生地に朱・藍・紫の3色を鮮やかに塗り分けた回転模様が特徴です。太く長い心棒と丸みを帯びた重厚な形は、心棒に別の堅い木を挿し込む構造によって「けんかごま」として使っても壊れにくいよう工夫されており、「よく回る」ことから金運や商売繁盛を呼び込む縁起物として親しまれてきました。かつては参道沿いに多くの木地師・こま屋が軒を連ね、「こま参道」という通り名の由来にもなりましたが、生活様式の変化とともに担い手は減少し、現在は参道にわずかに残る店が伝統を守っています。2023年(令和5年)には「大山こまの製作技術」が国の記録作成等の措置を講ずべき無形民俗文化財に選択されました。

発祥

大山こまの起源は江戸時代中期に遡ります。庶民の間で霊山・大山を詣でる「大山詣り」が盛んになると、参道沿いで木地師が轆轤挽きの独楽を土産物として売るようになりました。参道には多くのこま屋・木地屋が軒を連ね、後にケーブルカー駅へと続く参道が「こま参道」と呼ばれるようになった由来ともなっています。以来300年近くにわたり、大山こまは大山詣りの代表的な土産物として作り継がれてきました。

歴史

最盛期の昭和30年(1955年)頃には、20数人の木地師が30軒ほどの木地屋でこまづくりを行っていたとされます。しかし玩具の多様化や生活様式の変化により需要が減少し、木地師の数は徐々に少なくなっていきました。近年は後継者不足が課題となる一方で伝統技術を継承しようとする取り組みも続けられており、2023年(令和5年)1月には文化審議会の答申を経て「大山こまの製作技術」が国の記録作成等の措置を講ずべき無形民俗文化財に選択されました。

特徴

大山こまはミズキ材を用い、太く長い心棒と丸みを帯びた重厚な形が特徴です。心棒は生地の胴体とは別に堅い木を挿し込んで作られており、勢いよくぶつけ合う「けんかごま」として使っても壊れにくい構造になっています。白木の生地には朱・藍・紫の3色が塗り分けられ、回転すると3色が美しく調和して見えることから「よく回る=縁起が良い」とされ、家内安全や商売繁盛を願う縁起物として親しまれています。心棒の穴あけ(芯挽き)は物差しを使わず木地師の経験と勘だけで仕上げる、最も難しい工程とされています。

使用される素材

ミズキ

制作工程

  1. 1

    乾燥

    伐り出したミズキ材を1年ほど乾燥させ、木地に適した状態にする。

  2. 2

    荒挽き

    轆轤にかけて円筒形に荒く削り出す。

  3. 3

    芯挽き

    回転させながら心棒を差し込む穴をあける最重要工程。穴が曲がると正しく回らないため、物差しを使わず経験と勘だけで仕上げる。

  4. 4

    彩色

    白木の生地に朱・藍・紫の3色を塗り分ける。

  5. 5

    仕上げ

    ロウ磨きで艶を出して完成させる。

主な産地
  • 伊勢原市大山(こま参道周辺)

購入方法

金子屋支店
大山ケーブルカー駅へと続く「こま参道」沿いに店を構える土産物店。伊勢原市の指定文化財技術保持者による大山こまを中心に、オリジナルの携帯用こまストラップ「ひょうたんからこま」などを扱う。購入先を見る →PR

体験施設

金子屋支店(ひねりこま絵つけ体験)

神奈川県伊勢原市大山585

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よくある質問

Q. 大山こまはなぜ縁起物とされるのですか?

A. 「よく回る」ことが金運や商売繁盛など物事が滞りなく巡ることに通じるとされ、大山詣りの参拝者が家内安全や商売繁盛を願う縁起物として買い求めたことに由来します。

Q. 大山こまはどこで購入できますか?

A. 大山ケーブルカー駅へ続く「こま参道」沿いの土産物店で購入できます。伊勢原市の指定文化財技術保持者が手がける品も店頭に並びます。

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