
大内人形(おおうちにんぎょう)は、山口県山口市で作られている、大内塗の技法で仕上げた漆塗りの人形です。丸い木製の人形に漆を塗り、金箔や金粉で仕上げた男女一対の雛で、桐箱に入れて売られています。丸顔に切れ長の目、おちょぼ口という穏やかな顔立ちが特徴です。名前は、室町時代に山口を治めた大内氏にちなみます。大内弘世(おおうちひろよ)が京から迎えた妻を慰めるため、都から人形師を呼び寄せたという言い伝えがあり、夫婦円満の象徴として親しまれています。現在の形の大内人形は、大正時代に山口県の工業試験場で考案されたものが原型とされます。1989年(平成元年)に大内塗が国の伝統的工芸品に指定された際、人形も対象品目に加えられました。直径数cmの小さなものから大型品まであり、雛人形の代わりとしても飾られます。瑠璃光寺五重塔近くの長州苑では、大内人形の絵付けを体験できます。
発祥
大内人形の由来として、次のような言い伝えがあります。14世紀中ごろ、大内弘世は山口に館を構え、京の都に似せた町づくりを始めました。弘世は京の三条家から姫を妻に迎えましたが、姫は都を恋しがって泣いてばかりいたといいます。そこで弘世は都から多くの人形師を呼び寄せ、屋敷を人形で飾って姫を慰めました。町の人々はこの屋敷を「人形御殿」と呼んだと伝えられています。
歴史
現在の大内人形は、1923年(大正12年)頃に山口県工業試験場の安藤広吉が考案した人形が原型といわれます。1926年(大正15年)に皇太子が山口を訪れた際、県立工業試験場が大内人形を考案して献上したとする記録もあります。戦前の人形は泥絵の具で彩色されたもので、漆塗りの人形が作られるようになったのは戦後です。1989年(平成元年)に大内塗が伝統的工芸品に指定された際、通商産業省の提案で人形も対象品目に入りました。膳や椀の需要が減るなか、大内人形は箸とともに大内塗の主力製品になっています。
特徴
大内人形は、ほぼ球形の木地に漆を塗り、金箔や金粉で仕上げた男女一対の人形です。丸顔に切れ長の目、おちょぼ口の穏やかな表情で、見る人の心を和ませるといわれます。男女和合の象徴であり、一家の平和を守るものともされてきました。大きさは直径4.5cmほどの手ごろなものから大型のものまでさまざまです。近年はぼんぼりや屏風と組み合わせ、雛人形の代わりとして飾られることも増えました。箸置きやストラップなど、大内人形をかたどった品も作られています。
使用される素材
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職人・工房
桑原大内塗大内人形製作所
1933年(昭和8年)創業の老舗で、大正期に考案された大内人形の伝統を受け継ぐ。山口市道場門前1丁目の道場門前商店街にある店舗で人形を直売し、工房では大内塗の加飾の工程を見学できる。人形は桐箱入りで、大きさはさまざまである。
公式サイト →中村民芸社
山口市大内御堀4138にある大内塗の工房で、大内人形のほか、箸置き人形やストラップ、季節の人形を手がける。大内人形は1号が4,400円程度からで、直径6cmを超える大きさは相談に応じる。大内塗の技法を使ったアクセサリー作りの体験も行う。
公式サイト →Ouchi夫婦(大内塗漆器振興協同組合)
大内塗漆器振興協同組合が手がける、オーダーメイド形式の新しい大内人形である。顔のパーツや模様、色を選んで注文でき、イニシャルや家紋も入れられる。発注から仕上がりまでは約3か月かかる。
公式サイト →購入方法
- 長州苑(長州おみや)
- 山口市木町1-6、国宝の瑠璃光寺五重塔のすぐそばにある郷土名産館である。大内人形の品ぞろえは県内随一とうたい、大内人形をモチーフにしたオリジナル雑貨も扱う。売店の営業は8時30分〜17時で、年中無休である。購入先を見る →PR
- 桑原大内塗大内人形製作所(オンラインショップ)
- 号数別の大内人形(男女一対・桐箱入り)を扱い、15号の7,900円程度から40号の16万円程度まである。屏風やケースを組み合わせた雛人形セットもあるが、品切れの商品も多い。材料費の高騰による価格改定の案内も出ている。購入先を見る →PR
体験施設
長州苑(大内人形の絵付け体験)
山口県山口市木町1-6
大内人形にアクリル絵の具で色を付け、自分だけの「My大内人形」を作る体験です。料金は殿または姫が1,100円程度、殿と姫のセットが2,200円程度です。9時30分からと14時30分からの1日2回で、所要は約50分〜1時間です。予約が必要で、20名以上は1か月前までに申し込みます。
詳細を見る →よくある質問
Q. 大内人形はどのように飾るものですか?
A. 大内人形は男女和合の象徴で、一家の平和を守るものとされ、土産や贈り物として人気があります。近年は、ぼんぼりや屏風と組み合わせて雛人形の代わりにする人もいます。中村民芸社では、直径6cmの人形のお雛さまセットを22,000円程度で扱っています。
Q. 大内人形にちなんだお菓子はありますか?
A. 山口市の山口風月堂では、大内人形をかたどった最中「大内もなたん」(2個入り880円程度)を販売しています。和三盆の干菓子「にこたん糖」もあります。もなたん8個に、市内の工房が作った大内人形一組を添えたプレミアムセットもそろっています。