
小川和紙は埼玉県小川町・東秩父村に伝わる手漉き和紙で、なかでも楮(こうぞ)を原料とする伝統技法「細川紙」は、昭和53年(1978年)に国の重要無形文化財に指定され、平成26年(2014年)11月には本美濃紙(岐阜県)・石州半紙(島根県)とともに「和紙:日本の手漉和紙技術」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。これは埼玉県における初のユネスコ登録でもあります。細川紙という名称は、紀伊国細川村(現在の和歌山県)で漉かれていた紙の技法が小川に伝わったことに由来するとされます。国産楮のみを原料とし、蒸す・煮る・塵より・叩解といった伝統的な工程を経て、ネリ(トロロアオイの粘液)を加えた「流し漉き」で一枚ずつ漉き上げます。強靭さと光沢のある美しい風合いを兼ね備え、古文書の修復用紙としても高く評価されています。
発祥
小川町・東秩父村一帯では古くから紙漉きが行われてきたと伝えられ、なかでも楮を原料とする「細川紙」の技法は、紀伊国細川村(現和歌山県)で漉かれていた紙の技術が伝わったことに由来するとされています。地域を流れる清流と楮の産地であったことが、手漉き和紙の産地として発展する土台となりました。
歴史
細川紙の製法は昭和53年(1978年)に国の重要無形文化財に指定され、技術の保護と品質維持のために細川紙技術者協会が組織されました。平成26年(2014年)11月27日には、本美濃紙・石州半紙とともに「和紙:日本の手漉和紙技術」としてユネスコ無形文化遺産に登録され、これは埼玉県における初のユネスコ登録となりました。現在も小川町・東秩父村で職人によって伝統技術が継承されています。
特徴
細川紙は国産の楮のみを原料とし、蒸して繊維をやわらかくし、煮て不純物を取り除き、塵よりで丁寧に不純物を除去したのち、繊維をたたいてほぐす叩解を経て紙料とします。仕上げにはネリ(トロロアオイの根から抽出した粘液)を加えて繊維の分散を助け、簀桁を前後に揺らしながら漉く「流し漉き」の技法を用いるのが特徴です。強靭でありながら控えめな光沢と均一な地合いを持ち、古文書の修復用紙としても重用されています。
使用される素材
制作工程
- 1
蒸す・煮る
刈り取った楮を蒸して皮を剥ぎ、白皮にしたものをさらに煮て繊維をやわらかくする。
- 2
塵より
煮た楮を清流にさらし、表皮の黒い部分や傷んだ部分などの不純物を手作業で丁寧に取り除く。
- 3
叩解
不純物を除いた楮の繊維を叩いてほぐし、紙料として使いやすい状態にする。
- 4
流し漉き
紙料にネリ(トロロアオイの粘液)を加え、簀桁を前後に揺り動かしながら繊維を絡めて一枚ずつ漉き上げる。
購入方法
- 埼玉伝統工芸会館(道の駅おがわまち)
- 小川和紙をはじめ埼玉県の伝統工芸品の展示・販売を行う施設。紙すき体験コーナーも併設し、職人の実演を見学できる。購入先を見る →PR