名古屋友禅は愛知県名古屋市を中心に作られる染めの着物で、京友禅の華やかな色使いとは対照的に、渋みを帯びた落ち着いた配色を特徴とします。起源は江戸時代前期、尾張藩主・徳川宗春が積極的な繁栄政策をとった1730年代に、京都や江戸から尾張へ多くの友禅師が往来し、その技法が伝わったことに始まるとされます。宗春の失脚後は倹約令が敷かれ、単彩濃淡でまとめる控えめな配色へと洗練されていきました。江戸時代末期には型紙を用いる「型友禅」の産地基盤が確立し、大正期には家紋を染め抜く「黒紋付染」も加わりました。現在は手描友禅・型友禅・黒紋付染の3技法を総称して名古屋友禅と呼び、1983年に国の伝統的工芸品に指定されています。
発祥
名古屋友禅の起源は江戸時代前期、尾張藩主・徳川宗春が積極的な繁栄政策を推し進めた1730年代にあるとされます。この時期、京都や江戸から多くの職人が尾張を訪れ、その中に友禅師も数多く含まれていたことから、友禅染めの技法が尾張の地に伝わりました。
歴史
宗春の失脚後は藩の倹約政策が徹底され、華美な意匠は控えられて単彩の濃淡でまとめる落ち着いた配色が定着しました。江戸時代末期には型紙を用いる型友禅の産地基盤が確立し、明治期には京都から新技術を導入して生産が拡大、大正期には家紋を白く染め抜く黒紋付染めも加わりました。1983年1月に手描友禅・型友禅・黒紋付染の3組合が統合して名古屋友禅黒紋付協同組合連合会が設立され、同年4月に国の伝統的工芸品に指定されました。
特徴
名古屋友禅最大の特徴は、単彩濃淡を基調とした渋く落ち着いた配色にあります。京友禅の多彩で華やかな色使いとは一線を画し、質実剛健を尊んだ尾張の気風を映した意匠として発展しました。手描友禅は青花で下絵を描いて色挿しする技法、型友禅は色ごとに型紙を使い分ける技法、黒紋付染は家紋部分を白く残して黒地に染め上げる技法で、それぞれ専門の職人によって受け継がれています。
使用される素材
制作工程
- 1
下絵
青花液で生地に図案を描く(手描友禅)、または型紙を彫る(型友禅)。
- 2
糊置き・色挿し
模様の輪郭に糊を置き、色を挿していく。
- 3
引染
地色を刷毛で均一に染める。
- 4
蒸し・水洗
蒸して色を定着させ、糊や余分な染料を洗い流す。
| 主な産地 |
|
|---|
職人・工房
購入方法
- 正直屋
- 名古屋市内の呉服店で、名古屋友禅をはじめとする着物・振袖の販売やレンタルを取り扱う。購入先を見る →PR