長浜仏壇

Nagahama Butsudan

長浜仏壇 1

画像: Wikimedia Commons

長浜仏壇は滋賀県長浜市を中心に作られる金仏壇で、彦根仏壇とは別系統の産地として知られています。室町時代、京都の仏師が集まる「八仏所」から移り住んだ職人によって各地で仏壇づくりが広まったとされ、長浜では浄土真宗信仰の篤い土地柄を背景に藤岡和泉が産地の礎を築いたと伝えられています。現存最古の作例は延宝8年(1680年)の年紀を持ち、17世紀半ばには早くも産地として成立していました。木地・宮殿・彫刻・錺金具・塗り・蒔絵・箔押しの7工程からなる分業制で作られ、木地師・錺師・塗師・蒔絵師など複数の職人が手を掛ける総合芸術です。接着剤や釘を使わずに組み上げる「構架式」の技法により、完成後も解体・修理が可能で、長年にわたり使い続けられる点も特徴です。長浜曳山祭の曳山づくりで培われた木工・彫刻・金工の技術が、仏壇産業を支えてきました。

発祥

長浜仏壇の起源は室町時代、京都で仏像・仏具づくりを担った仏師集団「八仏所」から各地へ職人が移り住み、地域ごとに仏壇産業が興ったことにさかのぼるとされます。浄土真宗信仰の篤い長浜の地では、藤岡和泉がその礎を築いたと伝えられ、現存する最古の仏壇には延宝8年(1680年)の銘があり、藤岡甚兵衛(重光)の作とされています。この作例からも、17世紀半ばには長浜仏壇の産地としての基盤がすでに成立していたことがうかがえます。

歴史

長浜は羽柴(豊臣)秀吉が城下町として整備した町で、寺院の建立や町衆の信仰の篤さを背景に、仏壇づくりが地場産業として発展していきました。長浜曳山祭の曳山にも通じる木工・彫刻・錺金具・漆塗り・蒔絵の技術が仏壇づくりに応用され、木地師・錺師・塗師・蒔絵師など複数の職人による分業体制が形づくられました。彦根仏壇が量産化・株式会社化を進めたのに対し、長浜では家族経営の仏壇店が職人として携わる少量生産の高級品づくりが今も受け継がれています。

特徴

長浜仏壇の最大の特徴は、接着剤や釘に頼らず部材を組み上げる「構架式」の技法にあります。この構造により、完成後であっても解体して修理・洗浄することができ、世代を超えて長く使い続けられます。彫刻は丸彫りで欅や檜を白木のまま用いることが多く、彫刻・錺金具・塗り・蒔絵・箔押しなど複数の工程を専門の職人が分業して仕上げる総合芸術としての性格も色濃く残しています。

技法

構架式(組立式)

接着剤や釘を使わず、ほぞ組みなどで部材を組み上げる技法。完成後も分解して修理・洗浄ができ、長期間の使用に耐えるのが特徴。

使用される素材

欅(けやき)檜漆金箔金具

制作工程

  1. 1

    木地

    仏壇本体の骨組みや部材を欅や檜で組み上げる。

  2. 2

    宮殿(くうでん)

    本尊を安置する屋根付きの部分を製作する。

  3. 3

    彫刻

    欄間や柱などに草花や物語の場面を丸彫りで施す。

  4. 4

    錺金具

    金属を打ち出し、装飾用の金具を作る。

  5. 5

    塗り

    漆を幾重にも塗り重ね、深みのある光沢を出す。

  6. 6

    蒔絵・箔押し

    漆で文様を描いて金粉や銀粉を蒔き、金箔を貼って荘厳に仕上げる。

主な産地
  • 長浜市中心部

職人・工房

お仏壇の内藤

大正10年創業、100年近くにわたり浜仏壇の製作と販売を手がける長浜の老舗。伝統の分業技術を生かした仏壇づくりを今に伝えている。

公式サイト →

購入方法

お仏壇の内藤
長浜市内に店舗を構え、伝統技法による浜仏壇の製作・販売を行う老舗。修理や相談にも対応している。購入先を見る →PR

体験施設

長浜市曳山博物館

滋賀県長浜市元浜町14-8

延宝8年(1680年)製作の仏壇をはじめ、長浜仏壇の古い作例を展示。入館料は大人600円、小人300円程度。

詳細を見る →

よくある質問

Q. 長浜仏壇と彦根仏壇はどう違うのですか。

A. 同じ滋賀県の金仏壇でも、長浜仏壇は家族経営の仏壇店が分業で手がける少量生産の高級品が中心であるのに対し、彦根仏壇は株式会社化による分業体制で比較的多く生産されてきた点が異なります。

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