京友禅

Kyo-yuzen

京友禅 1

画像: Wikimedia Commons

京友禅は、江戸時代前期の元禄期に京都で生まれた模様染めの技法で、絵画のように華やかで優美な意匠を布地に描き出すのが特徴です。扇絵師として人気を博していた宮崎友禅斎が、自らの画風を染めのデザインに取り入れたことが始まりとされ、幕府による奢侈禁止令で絞りや刺繍などの派手な装飾が制限された時代に、糊で防染しながら絵画的な文様を染め出す友禅染めとして広まりました。下絵、糸目糊置き、色挿し、引き染め、蒸し、水洗い(水元)といった多くの工程を経て一枚の着物が完成し、各工程を専門の職人が分業で担う体制が特徴です。明治期には化学染料と型紙を用いる型友禅(写し友禅)が考案され、量産も可能になりました。1976年に国の伝統的工芸品に指定され、日本三大友禅の中でも最も歴史が古い染色技法として今日に受け継がれています。

発祥

京友禅は元禄期(17世紀末)の京都で生まれたとされ、当時扇絵師として名を馳せていた宮崎友禅斎が、自身の描く画風を染めのデザインに応用したことが発端と伝えられています。折しも江戸幕府の奢侈禁止令により、それまで人気だった絞り染めや刺繍など贅を尽くした装飾が制限されるなかで、糊で防染しながら絵画的な模様を表現できる友禅染めが、華やかさと格式を両立する染色技法として人々の支持を集めました。

歴史

江戸時代を通じて発展した京友禅は、明治時代に化学染料と糊を組み合わせ、型紙で模様を写し取る型友禅(写し友禅)が考案されたことで、手描きより効率的な生産が可能になりました。これにより友禅染めは庶民にも広がりを見せます。1976年には経済産業大臣指定の伝統的工芸品となり、京都友禅協同組合や京都手描友禅協同組合などを中心に、下絵・糊置き・染色・仕上げといった各工程の専門職人による分業体制が今日まで受け継がれています。

特徴

京友禅の最大の特徴は、絵画のように華やかで優美な絵柄を布地一面に染め出す点にあります。図案を描く下絵師、糸目糊を置く糊置き職人、彩色を施す色挿し職人など、多くの専門職人が一枚の着物の完成に関わる分業体制が特徴で、金彩や刺繍による加飾が施されることもあります。一点物を仕上げる手描き京友禅と、型紙を用いて模様を写す型友禅の二つの系統があり、それぞれ異なる風合いを持ちます。

技法

手描き友禅

下絵に沿って糸目糊を置き、染料が他ににじまないよう防染しながら筆で色を挿していく技法。一点ものの着物を仕立てる際に用いられ、繊細な絵画表現が可能。

型友禅(写し友禅)

明治期に考案された技法で、型紙を用いて化学染料入りの糊を生地に写し取る。同じ柄を効率よく染められるため、量産に適する。

使用される素材

絹(白生地)糸目糊染料金彩用材料

制作工程

  1. 1

    図案・下絵

    着物全体の意匠を図案化し、青花などで生地に下絵を描く。

  2. 2

    糊置き(糸目)

    下絵の線に沿って糸目糊を置き、染料のにじみを防ぐ防染線を作る。

  3. 3

    色挿し

    糸目で区切られた模様の中に筆や刷毛で彩色していく。

  4. 4

    引き染め

    地色を刷毛で均一に、またはぼかしながら生地全体に染める。

  5. 5

    蒸し・水洗い

    約100℃の蒸気で発色を定着させたのち、水元で余分な染料や糊を洗い流す。

主な産地
  • 京都市内(分業に携わる工房が中京区・下京区など市内各所に点在)

職人・工房

千總(ちそう)

1555年創業と伝わる京友禅の老舗。法衣装束商として始まり、明治期に友禅染めへ主軸を移した。烏丸三条に本店を構え、ギャラリーも併設する。

公式サイト →

購入方法

千總 本店
京友禅の老舗による直営店。着物のほか、扇子やハンカチなど3,000円台〜の友禅小物も取り扱う。購入先を見る →PR

体験施設

京友禅体験工房 丸益西村屋

京都市中京区小川通御池南入る

要予約、所要60〜90分、ハンカチ染め1,300円程度〜・風呂敷包み体験4,000円程度など

詳細を見る →
#染色#着物#手描き友禅#型友禅