
京くみひもは、京都市や宇治市周辺で作られる組紐で、丸台・角台・高台など複数の組台を使い、数十本の絹糸を職人が手で組み上げて一本の紐に仕立てる伝統工芸品である。基本の組み方だけで約40種類、模様のバリエーションを含めると3,000種類を超えるといわれるほど技法が多彩で、複雑に組み上げられた繊細な編み目と優美な光沢が特徴となっている。かつては神具・仏具や武具の紐、装身具として用いられ、現代では着物の帯締めや羽織紐を中心に、アクセサリーなど幅広く使われている。1976年に国の伝統的工芸品に指定された。
発祥
組紐の技術は縄文時代にはすでに日常生活の中で簡単な形が使われていたとされ、奈良時代には遣唐使を通じて中国(唐)の組紐の技術がもたらされたと伝えられる。当初は大陸由来の文様が中心であったが、平安時代には日本独自の意匠へと発展し、神具・仏具や武士の鎧兜、刀の下げ緒といった装身具・調度品に広く用いられるようになったのが京くみひもの始まりとされる。
歴史
平安時代以降、公家や武家の装束・武具に不可欠な存在として発展した組紐は、江戸時代になると庶民の生活にも広がり、帯締めや羽織紐など和装小物として盛んに作られるようになった。京都では宇治周辺を含む地域で分業・手仕事による生産が続けられ、1976年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品となり、2007年には地域団体商標にも登録された。
特徴
丸台・角台・高台など用途の異なる組台を使い分け、数十本の絹糸を手作業で組み上げていく点が特徴で、丸打紐・平打紐・角打紐の3種に大別される。基本の組み方は約40種、模様の違いを含めると3,000種類を超えるとされ、複雑な編み目が生む立体感と光沢のある美しさを持つ。帯締めや羽織紐のほか、根付紐やアクセサリーなど約80種類の製品が作られている。
技法
丸台組み
円形の台に糸を垂らし、玉を動かしながら糸を交差させて丸みのある紐を組む、最も基本的な技法の一つ。
角台組み
四角い台を用いて糸を組む技法で、平打紐など幅のある紐を組むのに適する。
手組みと機械組み
古くからの組台を用いて一本一本手で組む「手組み」と、製紐機を用いる「機械組み」の双方が現在も併存し、用途によって使い分けられている。
使用される素材
制作工程
- 1
糸繰り・染色
生糸を必要な太さに整え、意匠に応じて染色する。
- 2
糸割り
組み方に応じて糸の本数・配色を決め、玉に巻き分ける。
- 3
組み
丸台・角台などの組台を用いて、玉を動かしながら糸を交差させ紐に組み上げる。
- 4
房付け・仕上げ
組み上がった紐の両端を房にまとめ、湯のしなどをして仕上げる。
| 主な産地 |
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職人・工房
購入方法
- 工房直営店
- 昇苑くみひも宇治本店(京都府宇治市宇治妙楽146番地)では、帯締めやストラップ、アクセサリーなどを購入できる。ストラップなどの小物は数百円程度から、帯締めは数千円以上のものが中心。