京仏壇

Kyo-butsudan

京仏壇 1

画像: Wikimedia Commons

京仏壇は、木地・屋根(宮殿)・木彫刻・漆塗・蝋色・純金箔押・錺金具・蒔絵・彩色など、四十余りの専門職種による分業体制のもとで作られる京都の伝統的な仏壇である。仏教伝来直後の8世紀頃に始まった京都の仏具製作は、11世紀初頭に仏師定朝が七条に「七条仏所」を設けたことで本格化し、江戸時代初期の宗門改め制度によって各家庭に仏壇を安置する習慣が広まったことで需要が急増した。宗派ごとに荘厳(しょうごん)の様式が異なるため大量生産になじまず、木工・漆工・金工などあらゆる伝統技術を結集した総合工芸品としての性格を持つ。現在、京都で製作される仏壇・仏具のうち約7割は寺院用とされ、全国の寺院用仏具の多くを京都が担っている。1976年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定された。

発祥

京都における仏具製作は仏教伝来直後の8世紀頃に始まったと推定される。平安仏教を特色づけた最澄・空海の時代を経て、11世紀初頭に仏師定朝が七条に「七条仏所」を設けたことが、本格的な仏具製作の基礎を固めたとされる。

歴史

江戸時代初期、幕府の宗門改め制度によって各家庭が寺院の檀家となったことで、仏壇を家庭に安置する習慣が広がり需要が急増した。分業体制のもとで木地・屋根・木彫刻・漆塗・純金箔押・錺金具・蒔絵などの職人が技を磨き、1976年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品「京仏壇」として認定された。

特徴

宗派によって荘厳の様式が異なるため大量生産が困難で、四十余りの専門職種による細かな分業体制が特徴。木工・漆工・金工などあらゆる伝統技術を結集した総合工芸品であり、京都で作られる仏壇・仏具の約7割は寺院用で、全国の寺院向け仏具の多くを担っている。

技法

純金箔押

塗師が漆を塗った木地に、蒔絵師が純金箔を一枚一枚丁寧に押していく仕上げ工程。漆の乾き具合を見極める熟練の技が求められる。

蒔絵

漆で文様を描き、乾かぬうちに金粉・銀粉を蒔いて定着させる装飾技法。漆の扱いが難しく、高い技術と経験を要する。

錺金具(かざりかなぐ)

仏壇を装飾する金属金具を製作する工程。地金を彫り込み、鍍金などを施して仏壇に華やかさと荘厳さを加える。

使用される素材

檜松欅漆純金箔金粉・銀粉

制作工程

  1. 1

    木地

    檜・松・欅などの原木を仏壇の部材に加工する。彫刻を施す部分は木彫刻の工程へ、それ以外は漆塗の工程へ進む。

  2. 2

    屋根・宮殿

    本尊を祀る宮殿(くうでん)部分を、細かな部材を組み合わせて製作する。

  3. 3

    木彫刻

    刃物を用いて天女や龍などの図柄を彫り込み、仏壇に立体的な装飾を施す。

  4. 4

    漆塗

    木地の表面に黒色や朱色の漆を塗り重ね、艶やかな下地を作る。

  5. 5

    蝋色(ろいろ)

    漆塗の表面を木炭で研ぎ、磨き上げて深い光沢を出す仕上げ作業。

  6. 6

    純金箔押・錺金具

    漆を接着剤に純金箔を貼り、金属を彫り込んだ金具を各部に取り付けて荘厳さを高める。

  7. 7

    蒔絵・彩色

    漆で文様を描き金銀粉を蒔く蒔絵や彩色を施し、仏壇に華を添える。

  8. 8

    総合組立

    分業で仕上がった各部材を組み合わせ、一基の仏壇として完成させる。

主な産地
  • 京都市下京区
  • 京都市東山区

職人・工房

若林佛具製作所

天保元年(1830年)創業。京都本店5階に「若林京仏壇ミュージアム」を併設し、明治期を中心とした工芸価値の高い仏壇・仏具を展示する。

公式サイト →

田中伊雅佛具店

仁和年間(885年頃)創業と伝わる京仏具の老舗。仁和寺門跡ゆかりの密教仏具を中心に、千年以上にわたり技を継承する。

公式サイト →

購入方法

若林佛具製作所 京都本店
京都市下京区七条通新町東入に本店を構える仏壇・仏具の専門店。ミュージアムも併設し、家庭用から寺院用まで幅広く扱う。購入先を見る →PR
京都府仏具協同組合
京仏壇・京仏具の伝統的工芸品指定を受ける事業者が加盟する組合。加盟店の紹介や技術コンクール展などの情報を発信している。購入先を見る →PR

体験施設

若林京仏壇ミュージアム

京都市下京区七条通新町東入西境町146 若林佛具製作所京都本店5階

明治期を中心とした工芸価値の高い仏壇・仏具・職人の手仕事を展示。営業時間10:00〜17:00、水曜定休。入館条件は要問い合わせ。

詳細を見る →
#仏壇#仏具#伝統的工芸品#京都府仏具協同組合