桐生織

Kiryu-ori

桐生織 1

桐生織は群馬県桐生市を中心に織られる絹織物で、経済産業大臣指定の伝統的工芸品です。その歴史は奈良時代にまでさかのぼり、和銅7年(714年)に朝廷へ絹織物「あしぎぬ」を納めたことが『続日本紀』に記されています。江戸時代には西陣や西洋の技術を取り入れながら発展し、幕府からも厚遇を受けて「西の西陣、東の桐生」と称されるほどの一大産地となりました。糸をあらかじめ染めてから織り上げる先染め紋織り(ジャカード織り)を基本とし、お召織・緯錦織・経錦織・風通織・浮経織・経絣紋織・綟り織という7つの技法を用いる点が最大の特徴です。1977年に伝統的工芸品の指定を受け、現在も桐生織物協同組合を中心に、きもの地や帯地、金襴地、服地から和洋小物まで幅広い製品が作られています。

発祥

桐生における織物の歴史は奈良時代にまでさかのぼります。和銅7年(714年)に朝廷へ絹織物「あしぎぬ」を納めたことが『続日本紀』に記録されており、これが桐生織の起源とされています。産地としての本格的な発展は18世紀中頃で、京都から高機(たかはた)と呼ばれる織機が導入されたことをきっかけに、技術と生産体制が大きく進歩しました。

歴史

江戸時代以降、桐生は西陣や西洋の織物技術を積極的に取り入れ、他産地に先駆けてマニュファクチュア(工場制手工業)による生産体制を確立しました。幕府からも厚遇を受け、近世から近代にかけて「西の西陣、東の桐生」と称されるほどの隆盛を誇りました。こうした長い歩みが評価され、1977年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品として認定されています。

特徴

桐生織の最大の特徴は、糸を先に染めてから織り上げる先染め紋織り(ジャカード織り)の技法にあります。国の指定要件となっているのは、お召織・緯錦織・経錦織・風通織・浮経織・経絣紋織・綟り織の7技法で、それぞれ異なる風合いと文様表現を生み出します。これらの高度な技術により、きもの地や帯地はもちろん、金襴地や服地、和洋小物まで多種多様な製品が織り出されています。

技法

お召織

お召糸と呼ばれる強い撚りをかけた糸を八丁式撚糸機で撚り上げて織る技法。糸自体に独特の細かい凹凸(シボ)が生まれ、張りのある上品な風合いに仕上がる。

緯錦織

単色の経糸に対し、八色以上の色糸を緯糸に用いて文様を織り出す先染め・先練りの技法。平織や綾織、朱子織を組み合わせ、華やかな多色文様を表現する。

経錦織

三色以上の経糸と二色以上の緯糸を組み合わせて文様を表す先染めの技法。経糸の色の切り替えによって柄を織り出すため、複雑な図柄を立体的に見せることができる。

経絣紋織

経糸であらかじめ絣模様を作り、さらに複数色の緯糸を重ねて文様を織り出す先染め・先練りの紋織技法。絣特有のにじむような柄と紋織の華やかさを併せ持つ。

浮経織

二色以上の経糸を密に用い、刺繍のように滑らかな紋様を織り出す先染め・先練りのたて重ね織り。経糸を浮かせることで立体感のある文様表現が可能になる。

綟り織

経糸を互いに絡ませながら緯糸と組み合わせる技法で、織り目に細かな隙間が生まれる。透け感のある軽やかな生地に仕上がり、夏物などにも用いられる。

使用される素材

生糸絹糸金銀糸
主な産地
  • 桐生市

職人・工房

泉織物株式会社(泉織物有限会社)

明治40年創業の桐生の機屋。市内の機屋の中で唯一染場を持つ強みを生かし、桐生織の製造から自社ブランドの桐生絞りまで一貫生産を手がけている。

公式サイト →

購入方法

桐生織物記念館 織物販売場
桐生織物協同組合が運営する記念館1階の販売所。帯地や着物地は10万~70万円程度、服飾雑貨は5千~5万円程度が目安で、直接手に取って選べる。購入先を見る →PR
桐生織物協同組合
桐生織の商標管理や産地振興を担う組合。加盟する機屋の紹介や桐生織に関する問い合わせ窓口となっている。購入先を見る →PR

体験施設

桐生織物記念館

群馬県桐生市永楽町6-6

入館・機織り体験ともに無料で気軽に立ち寄れる施設。2階の展示室では桐生織の歴史や製造工程をビデオや資料で紹介している。

詳細を見る →

織物参考館「紫」

群馬県桐生市東4-2-24

のこぎり屋根の織物工場を利用した施設。要予約で手織り体験ができ、入館料は大人700円、手織りコースター作りなどは2,000円台から楽しめる。

詳細を見る →
#絹織物#先染め#西の西陣東の桐生#桐生織物協同組合