浄法寺塗は岩手県二戸市浄法寺町を中心に作られる実用漆器です。神亀5年(728年)に行基が同地に天台寺を建立した際、中央から派遣された僧侶たちが自らの什器を作るために漆工技術を持ち込んだのが始まりと伝えられ、装飾を抑えた素朴で質実な器が「御山御器」の名で藩政期には南部藩の産物として広まりました。二戸市浄法寺町一帯は国産漆の生産量日本一を誇る産地で、国産漆のおよそ7割から8割がこの地域で採取されています。地元産の漆をふんだんに用い、朱・黒・溜を基調とした無地の塗りは使うほどに艶を増すのが特徴で、日常の食器としての実用性を重視した器づくりが今も受け継がれています。
発祥
浄法寺塗の起源は神亀5年(728年)、行基が二戸市浄法寺町に天台寺を建立した際、中央から派遣された僧侶たちが自家用の什器を作るために漆工技術を持ち込んだことにあると伝えられています。装飾のほとんどない素朴で実用的な普段使いの器は、質素倹約を旨とした寺の暮らしの中で育まれ、古くは「御山御器」の名で呼ばれていました。
歴史
藩政時代には南部藩の重要な産物として、天台寺周辺から旧安代町付近まで産地が広がり、「御山御器」の名で広く知られるようになりました。二戸市浄法寺町は現在も国内有数の漆掻き職人が集まる地域で、40名を超える職人が毎シーズン漆を掻き取っています。地元で採れる生漆を用いる漆器づくりの拠点として、産地の技術と生産体制が今日まで維持されています。
特徴
浄法寺塗は朱・黒・溜を基調とした無地の塗りが特徴で、蒔絵や螺鈿などの華美な装飾をほどこさず、日常使いの実用性を重視しています。使い込むほどに漆の艶が増していくのが魅力で、地元産の浄法寺漆は硬化後の強度に優れ、透明度や粘度のバリエーションも豊富で耐久性が高いとされています。二戸市浄法寺町は国産漆の主産地であり、地産地消の漆器づくりが特色です。
| 主な産地 |
|
|---|
職人・工房
購入方法
- 滴生舎
- 浄法寺漆を使った椀や箸などの漆器を展示販売する。見学は無料で、隣接する工房での製作風景も見られる。購入先を見る →PR