飛騨春慶塗は岐阜県高山市に伝わる漆器で、黒漆や朱漆を使わず透漆(すきうるし)を用いて木地の美しい木目をそのまま生かす点が最大の特徴です。起源は江戸時代初期の慶長年間(1596〜1615年)に遡るとされ、寺社仏閣の造営工事の際に見つかった椹(さわら)の美しい木目を生かして盆を作り、皇族や幕府へ献上したことが始まりと伝えられています。以来、木地を挽く木地師と漆を塗る塗師が分業しながら技を磨き、盆や重箱、菓子器などの日用品として発展してきました。1975年(昭和50年)2月17日には経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定され、現在も高山市内の窯元・工房で製作が続けられています。塗師によって色調や艶に個性が表れ、同じ形の器でも一つとして同じ表情のものはないといわれています。
発祥
飛騨春慶塗の起源は江戸時代初期の慶長年間(1596〜1615年)に遡るとされる。高山城下の寺社仏閣の造営工事の際、美しい木目を持つ椹(さわら)の端材が見つかり、これを盆に仕立てて透漆で仕上げたところ、木目の美しさが際立つ器に仕上がった。この盆は皇族や幕府へ献上されたと伝えられ、飛騨の漆器づくりの出発点となった。
歴史
江戸時代を通じて飛騨春慶塗は高山の特産品として発展し、盆や重箱、菓子器など日用品としても広く作られるようになった。木地を挽く木地師と漆を塗る塗師が分業しながら技を磨き、それぞれの家に技法が受け継がれてきた。1975年(昭和50年)2月17日には経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定され、飛騨高山を代表する漆器として全国に知られるようになった。
特徴
黒漆や朱漆を用いず、透漆を薄く塗り重ねて木地の木目をそのまま生かす点が最大の特徴。木地師は栃・檜・椹などを用いて形を作り、塗師は黄色や紅色で下地を着色したのち透漆を重ね、琥珀色や鼈甲色の艶やかな仕上がりを生む。塗師ごとに色調や艶に個性が表れ、同じ形でも一つとして同じ表情の器はない。
使用される素材
制作工程
- 1
木地づくり
木地師がトチやヒノキ、サワラなどを轆轤や指物の技法で挽き、盆や重箱の形に仕上げる。
- 2
目留め(木地固め)
水で溶いた砥の粉や石膏を木目に塗り込んでは拭き取る作業を2〜3回繰り返し、木地を安定させる。
- 3
着色
クチナシやキハダで黄色に、ベンガラなどで紅色に木地を染め分ける。
- 4
下地づくり
漆が木地に吸い込まれるのを防ぐため、生漆や膠液、豆汁などを塗布する。
- 5
摺漆・上塗り
荏油を混ぜた透漆を薄く何度も塗り重ね、木目を生かした琥珀色の艶に仕上げる。
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職人・工房
購入方法
- 山田春慶店(オンラインストア)
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