郷原漆器は、岡山県真庭市蒜山(旧・郷原地区)に伝わる生活漆器です。起源は明徳年間(1390〜1400年頃)にさかのぼるとされ、蒜山高原に自生するクリ材を、伐採した生木のまま轆轤(ろくろ)で挽いて木地を作るという、他の漆器産地には見られない独特の製法で知られます。木目の美しさを生かしながら備中漆などの天然漆で仕上げた椀や盆は、飾るためではなく日々使うための道具として、地域の暮らしに寄り添ってきました。大正末期から昭和初期にかけて生産のピークを迎えましたが、第二次世界大戦を機に一時途絶。平成元年(1989年)から地元有志による復活の取り組みが始まり、平成8年(1996年)には岡山県指定重要無形民俗文化財に指定されました。現在は「郷原漆器の館」を拠点に、600年余り続く生木ロクロ挽きの技が受け継がれています。
発祥
郷原漆器の生産は明徳年間(1390〜1400年頃)に始まったと伝えられています。岡山県北部・蒜山高原の郷原地区(現在の真庭市蒜山)は良質なクリ材の産地で、伐採直後の生木のまま轆轤で挽いて木地を作る「生木引き」という、他の漆器産地では見られない独自の技法が発達しました。
歴史
大正末期から昭和初期にかけて生産の最盛期を迎えましたが、第二次世界大戦の開戦とともに一時生産が途絶えました。平成元年(1989年)から地元有志による復活生産への取り組みが始まり、平成8年(1996年)に「郷原漆器」は岡山県指定重要無形民俗文化財に指定されました。現在は郷原漆器の館を拠点に、木地師が生産・展示・販売を担っています。
特徴
蒜山地方のクリ材を、乾燥させずに伐採した生木のまま轆轤で挽いて木地を作る「生木ロクロ挽き」が最大の特徴です。木目を生かしながら備中漆など天然の漆で仕上げた、丈夫で実用的な日用漆器として600年以上にわたり作り続けられてきました。
使用される素材
制作工程
- 1
生木ロクロ挽き
伐採直後の生木のまま轆轤にかけ、椀や盆などの木地を挽き出す。
- 2
乾燥
挽き上げた木地をじっくりと乾燥させる。
- 3
漆塗り
木目を生かしながら天然漆を塗り重ね、仕上げる。
| 主な産地 |
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職人・工房
髙月國光
倉敷市生まれ。石川県挽物轆轤技術研究所で4年間修業したのち、2003年に真庭市蒜山へ移住し郷原漆器の木地師となる。現在は郷原漆器の館の館長を務め、生木ロクロ挽きの技を今に伝えている。
公式サイト →購入方法
- 郷原漆器の館
- 郷原漆器の生産・展示・販売を行う拠点施設。生木ロクロ挽きによる椀や盆などを購入できる。購入先を見る →PR