
芭蕉布は、糸芭蕉(イトバショウ)という植物の茎から採った繊維を糸にして織る、沖縄を代表する夏の織物です。古い記録では13世紀頃にはすでに織られていたとされ、15世紀頃には現在とほぼ同じ製法が確立していたと伝えられます。琉球王国時代には王府直営の芭蕉園で栽培が行われ、王族の衣服から庶民の普段着まで幅広く使われる、沖縄で最も身近な布でした。中でも国頭郡大宜味村喜如嘉は昔から芭蕉布の一大産地として知られています。第二次世界大戦の沖縄戦により生産は壊滅的な打撃を受けましたが、戦後まもなく平良敏子氏が製作技術の復興に着手し、喜如嘉の地で技術を再興させました。1974年に「喜如嘉の芭蕉布」として国の重要無形文化財に指定され、平良敏子氏を中心とする喜如嘉の芭蕉布保存会がその保持団体に認定されました。糸芭蕉の栽培から糸績み、絣括り、染め、機織りまで3年がかりの工程を経て仕上がる、張りのある清涼な風合いが特徴で、平良敏子氏は2000年に人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定されています。
発祥
古い記録では13世紀頃にはすでに芭蕉布が織られていたとされ、15世紀には現在とほぼ同じ製法が確立していたと伝えられます。琉球王国では王府直営の芭蕉園で栽培が行われ、中国への貿易品や薩摩藩への貢納品にも用いられたほか、王族の衣服から庶民の普段着まで幅広い階層で用いられ、生活に根ざした布として親しまれました。
歴史
第二次世界大戦の沖縄戦により生産は壊滅的な被害を受けましたが、戦後、大宜味村喜如嘉出身の平良敏子氏が倉敷から帰郷し、いち早く製作技術の復興に取り組みました。1974年に「喜如嘉の芭蕉布」として国の重要無形文化財に指定され、平良氏を代表とする喜如嘉の芭蕉布保存会が保持団体に認定されています。平良氏自身は2000年に個人としても重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。
特徴
糸芭蕉の栽培から収穫、煮熟、糸績み、絣の手括り、染め、手織り、水洗いまで約3年をかけて仕上がる、手間のかかる工程が特徴です。細く績んだ芭蕉の繊維で織り上げた布は張りがあり通気性に優れ、沖縄の高温多湿な気候に適した清涼な着心地を持ちます。精緻な絣柄も喜如嘉の芭蕉布の見どころの一つです。
使用される素材
制作工程
- 1
糸芭蕉の栽培・収穫
約3年かけて糸芭蕉を育て、茎を刈り取る。
- 2
苧剥ぎ・煮熟
茎の皮を剥ぎ、灰汁で煮て繊維を柔らかくする。
- 3
糸績み
繊維を細く裂き、手で撚りをかけながら糸をつなぐ。
- 4
絣括り・染め
図案に合わせて糸を括り、藍や草木で染める。
- 5
機織り
高機で絣を合わせながら手織りし、水洗いして仕上げる。
| 主な産地 |
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職人・工房
体験施設
大宜味村立芭蕉布会館
沖縄県国頭郡大宜味村喜如嘉454
製作工程のビデオ上映や作業風景の見学ができる。開館10:00〜17:00(4〜10月は17:30まで)、日曜・旧盆・年末年始休館。苧剥ぎ体験も実施。
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