湯浅醤油

Yuasa Shoyu (Yuasa Soy Sauce)

湯浅醤油 1

画像: Wikimedia Commons

湯浅醤油は、和歌山県有田郡湯浅町で造られる醤油です。湯浅は日本の醤油醸造の発祥の地といわれています。鎌倉時代に伝わった金山寺味噌を造る中で、桶にたまった汁がおいしいことに気づき、工夫を重ねて生まれたのが醤油の始まりとされます。江戸時代には紀州藩の保護を受け、最盛期には町内に92軒の醤油屋が並んだと伝わります。醸造業で栄えた町並みは、2006年に醤油の醸造町として全国で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれました。2017年には「『最初の一滴』醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅」として日本遺産に認定されています。今も杉の大樽や冬の寒仕込みなど、昔ながらの造り方を守る蔵が残っています。町並みを歩きながら蔵を見学したり、醤油を買い求めたりできます。

発祥

湯浅醤油の始まりは、鎌倉時代に覚心(法燈国師)が宋から伝えたとされる金山寺味噌にさかのぼります。味噌を仕込んだ桶には、赤褐色の汁がたまりました。この汁はうまみと香りが深く、塩味や甘みもあったため、湯浅の人々が改良を重ねて醤油が生まれたといわれます。ただし、湯浅で醤油造りがいつ始まったかを示す史料ははっきりしないともされ、時期には諸説あります。

歴史

天文4年(1535年)には、湯浅で造った醤油百石あまりを漁船に託して大坂へ送り、売ったという記録が残るとされます。江戸時代には紀州藩の保護を受けて醸造家が増え、1800年代初めの文化年間には92軒の醤油醸造業者があったと伝わります。その後は数が減り、現在の醸造元は数軒です。2006年に町並みが重要伝統的建造物群保存地区に選ばれ、2017年には日本遺産に認定されました。

特徴

原料は大豆と小麦、塩で、麹菌の働きで発酵・熟成させて造ります。湯浅には、杉の大樽で時間をかけて熟成させる蔵や、冬だけ仕込む「寒仕込み」を守る蔵があります。圧搾も加熱もせず、麹が原料を分解してできた汁だけを取り出す「濁り醤(にごりびしお)」のような製品もあります。保存地区には、本瓦葺きの重厚な町家や醸造用の土蔵が、江戸時代の町割りのまま建ち並んでいます。

主な食材

大豆小麦塩麹

食文化

湯浅の町には、醤油蔵の見学や醤油ソフトクリームを楽しめる蔵元があります。醤油の歴史を伝えるため、平成17年(2005年)から小学校で大豆を育てて醤油を造る取り組みが始まりました。平成20年(2008年)からは、町内の全4小学校で行われています。

有名店

角長

和歌山県有田郡湯浅町湯浅7

天保12年(1841年)創業の醤油蔵で、慶応2年(1866年)に建てられた職人蔵が残ります。冬期のみの寒仕込みを守り、室町時代の溜りや江戸時代の醤油を再現した製品も造っています。醤油資料館も併設しています。湯浅手づくり醤油(900ml)は1,300円程度です。

湯浅醤油 九曜蔵

和歌山県有田郡湯浅町湯浅1464

100年以上使われている直径2.3mの杉の大樽で、醤油をゆっくり熟成させる蔵です。工場見学は無料で、醤油ソフトクリーム(400円程度)も味わえます。運営する湯浅醤油有限会社は、金山寺味噌の老舗・丸新本家の流れをくみ、2002年に設立されました。

角長「濁り醤(にごりびしお)」圧搾も加熱もせず、麹が原料を分解してできた汁だけを取り出した、昔ながらの製法による醤油です。720mlで1,980円程度です。3年熟成させた「濁り醤 匠」(300ml、1,850円程度)もあります。
湯浅醤油「生一本黒豆醤油」湯浅醤油有限会社の主力商品として知られる醤油です。200mlで1,080円程度からで、九曜蔵の売店などで買い求められます。同じ蔵では金山寺味噌も扱っており、湯浅の発酵食品をまとめて選べます。

よくある質問

Q. 湯浅が「醤油発祥の地」とされるのはなぜですか?

A. 金山寺味噌の桶にたまった汁から醤油が生まれたという言い伝えがあるためです。日本遺産でも、この汁に湯浅の人々が工夫を重ねて今の醤油が生まれたと紹介されています。一方で、醤油の起源を中国から伝わった「醤(ひしお)」に求める考え方もあります。

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