養肝漬(ようかんづけ)は、三重県伊賀地方に伝わる白瓜の漬物です。白瓜は瓜の一種で、伊賀盆地では夏の特産品です。白瓜の芯をくり抜き、細かく刻んだしそや生姜、大根などを詰め、たまり醤油に漬けて熟成させます。たまり醤油とは、大豆を主な原料にした、色が濃くとろみのある醤油のことです。名前は「肝を養う」という意味です。伊賀上野城を治めた藤堂高虎が陣中食として常備し、武士の士気(肝っ玉)を養った漬物だったことに由来すると伝えられています。伊賀の忍者が携帯食にしていたという言い伝えもあります。伊賀地方では、もともと夏に採れた白瓜を自家製の味噌に漬けて保存し、客人のもてなしにも出していたといいます。現在は伊賀市上野の老舗漬物店が、昔ながらの製法を受け継いでいます。
発祥
伊賀地方では古くから、夏に採れた白瓜を自家製の玉味噌に漬け込み、保存食として食べてきました。玉味噌とは、大豆を煮てつぶし、丸めて発酵させて作る味噌のことです。17世紀頃、伊勢津藩主の藤堂高虎が、武士の士気を養う陣中食として伊賀上野城に常備したという伝承があり、これが「養肝漬」の名の由来とされます。
歴史
伊賀の白瓜の漬物は、家庭の保存食であると同時に、客人へのもてなしの品でもありました。伊賀市上野中町の「養肝漬 宮崎屋」は、1865年(慶応元年)の創業と伝えられる老舗漬物店です。6代にわたって製法を受け継ぎ、100年以上使い続けている木桶で養肝漬を仕込んでいるといいます。近年は、たまり醤油を使ったアイスなどの新しい商品も作られています。
特徴
白瓜の頭の部分を切り、芯を抜いて塩漬けにし、天日に干します。くり抜いた部分には、塩もみして細かく刻んだしその葉と実、生姜、大根などを詰めます。宮崎屋では、白瓜と中身をそれぞれたまり醤油に漬けて熟成させてから合わせ、仕上がるまでに約2年をかけます。輪切りにすると、断面に刻んだ野菜が詰まっているのが見えます。
主な食材
食文化
輪切りにして、ご飯のお供や酒の肴として食べます。たまり醤油の深い香りと、しその風味が特徴です。白瓜の部分をかじりながら酒を飲み、最後に中身の刻み野菜をご飯にのせて締めるという楽しみ方も紹介されています。
家庭料理との違い
伊賀地方の家庭では、夏の白瓜を自家製の味噌に漬けて保存してきました。漬物店の養肝漬は、白瓜と中身を別々にたまり醤油で漬け、木桶で長い期間熟成させる手間のかかった製法で作られています。
有名店
養肝漬 宮崎屋
三重県伊賀市上野中町3017
1865年(慶応元年)創業とされる老舗漬物店で、伊賀上野の城下町にあります。白瓜に刻んだ野菜を詰め、たまり醤油で熟成させた養肝漬を作り続けています。1年熟成と2年熟成があり、量り売りで100gあたり200円台程度です。
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Q. 「ようかんづけ」は甘い羊羹(ようかん)と関係がありますか?
A. 関係はありません。養肝漬の「ようかん」は「肝を養う」という意味です。藤堂高虎が武士の士気、つまり「肝っ玉」を養うための陣中食として常備したという伝承から名付けられたとされます。たまり醤油で漬けた、塩気のある漬物です。