わらすぼ料理は、日本では有明海だけに生息する珍魚・ワラスボを使った佐賀県の郷土料理です。ワラスボはハゼの仲間で、退化した目や上向きに開いた牙だらけの口を持つウナギのように細長い姿から、映画に登場する怪物になぞらえて「有明海のエイリアン」と呼ばれることもあります。干潟の柔らかい泥に穴を掘って暮らし、旬の5〜10月には味噌汁や刺身、煮付けなどで、それ以外の時期は内臓を除いて干物にしたものを唐揚げや炙りにして食べます。見た目の独特さとは裏腹に、うま味の強い白身が特徴で、地元では古くから親しまれてきた食材です。近年は諫早湾干拓など干潟環境の変化により漁獲量が減り、環境省レッドリストで絶滅危惧II類に指定される希少な魚にもなっています。
発祥
ワラスボは有明海の干潟にのみ生息する固有種で、目が退化し、上向きに開いた口に鋭い牙が並ぶ独特の姿から漁獲・食用の対象として地元に根付いてきました。干潟の柔らかい泥に巣穴を掘って暮らし、潮が満ちると穴から出てくる習性を利用して漁が行われてきました。
歴史
有明海沿岸ではみそ汁や煮付けなど日常のおかずとして古くから食べられてきましたが、グロテスクな見た目がメディアで取り上げられるようになると、「有明海のエイリアン」として全国的に知られる珍味となりました。近年は諫早湾干拓など干潟環境の変化により生息域が狭まり、環境省レッドリスト2019で絶滅危惧II類(VU)に指定されています。
特徴
旬の5〜10月には刺身やみそ汁、砂糖・醤油で炊いた煮付けなどで食べられます。みそ汁は、ぶつ切りにして塩でよくもみ洗いしたワラスボを、取り出した肝と一緒に炒めてだしと味噌でのばして仕上げます。それ以外の時期は内臓を抜いて干物にし、片栗粉をまぶして唐揚げにするほか、粉状にして「もくさい」と呼ばれるふりかけにもします。
主な食材
食文化
見た目のインパクトから土産物としても人気で、干物を炙って食べる珍味は観光客への話題性のある特産品になっています。地元では、うまみの強い白身魚として日常の食卓にも親しまれてきました。
有名店
川田食品
佐賀県鹿島市大字森8-2
「味付きわらすぼ」(希望小売価格432円程度)を製造販売。道の駅鹿島、肥前鹿島駅、佐賀空港などでも取り扱われる
よくある質問
Q. なぜ「有明海のエイリアン」と呼ばれるのですか?
A. 退化して見えなくなった目や、上向きに開いた口にむき出しの牙が並ぶ姿が、映画に登場する怪物を思わせることから、この愛称で呼ばれるようになりました。
Q. ワラスボはどこでも獲れる魚ですか?
A. いいえ、日本では有明海にのみ生息する固有種で、諫早湾干拓などによる干潟環境の変化で生息数が減少し、環境省レッドリスト2019では絶滅危惧II類に指定されています。