和歌山ラーメン

Wakayama Ramen (Wakayama Chuka Soba)

和歌山ラーメン 1

画像: Wikimedia Commons

和歌山ラーメンは、和歌山市を中心に食べられているご当地ラーメンです。地元では「ラーメン」よりも「中華そば」と呼ぶのが一般的です。豚骨と醤油を合わせたスープに細いストレート麺を入れ、チャーシュー、メンマ、ねぎ、渦巻き模様のかまぼこをのせるのが定番です。スープは大きく二つの系統に分けられます。醤油の風味が前に出た澄んだスープの「車庫前系」と、豚骨を長時間炊いた濃厚なスープの「井出系」です。始まりは戦後まもなく、路面電車の車庫前停留所の近くに出ていた屋台「〇髙(まるたか)」とされます。卓上の早すし(鯖の押し寿司)やゆで卵を自由に取り、食べた数を会計で自己申告する習慣も知られています。1998年に井出商店がテレビ番組で日本一に選ばれ、その名が全国に広まりました。

発祥

戦後まもなく、和歌山市内を走っていた路面電車の「車庫前」停留所付近で営業していた屋台「〇髙」が、和歌山の中華そばの始まりとされます。鰹節とじゃこを醤油で炊いてだしをとり、麺も自家製だったと伝わります。この味が評判になると、ほかの屋台も味をまね、屋号に「〇」を付けるようになったといわれます。なお、戦前から車庫前で屋台が営業していたとする話もあり、始まりの時期には諸説あります。

歴史

昭和28年(1953年)、屋台から始まった井出商店が創業しました。当初は車庫前系の澄んだスープでしたが、店が繁盛してスープが煮詰まるようになり、その濃い味を生かして最初から長時間炊く作り方に改めたとされます。これが「井出系」の始まりです。1998年(平成10年)1月、井出商店はテレビ番組「TVチャンピオン」で日本一に選ばれました。同年10月からの新横浜ラーメン博物館への出店では238日間行列が途切れず、和歌山ラーメンの名が全国に広まりました。

特徴

車庫前系は、醤油の風味が前に出た比較的あっさりした澄んだスープです。井出系は、豚骨のうまみが強く、茶褐色に濁った濃厚なスープです。どちらも豚骨と醤油を合わせた味で、麺は細いストレート麺が基本です。具はチャーシュー、メンマ、青ねぎに、「千代巻」と呼ばれる渦巻き模様のかまぼこがのります。近くに大きなハム工場があり、豚骨が安く手に入ったことが、豚骨スープが根付いた背景とする見方もあります。

主な食材

中華麺(細ストレート麺)豚骨醤油チャーシューメンマ青ねぎかまぼこ(千代巻)

食文化

和歌山の中華そば店では、卓上に早すし(塩でしめた鯖を酢飯にのせた押し寿司)やゆで卵、巻き寿司が置かれています。注文を待つ間や食後に自由に取って食べ、会計のときに食べた数を自己申告して支払います。全国でも珍しい、和歌山ならではの食べ方です。

有名店

井出商店

和歌山県和歌山市田中町4-84

昭和28年(1953年)に屋台から始まった店で、井出系の元祖とされます。豚骨と鶏ガラを長時間炊いた、濃厚でまろやかな豚骨醤油スープが特徴です。メニューは中華そばと特製中華そばのみで、違いはチャーシューの量です。中華そばは800円程度です。

元車庫前丸宮中華そば 本店

和歌山県和歌山市毛見1130-3

昭和24年(1949年)に屋台として創業した、車庫前系を代表する店の一つです。戦後に路面電車の車庫前で営業を始め、のちに毛見へ移りました。醤油の風味が強めの、あっさりした豚骨醤油スープが味わえます。

柏木製麺所「和歌山アロチ本家 丸高中華そば」戦後の和歌山ラーメンの源流とされる丸高中華そばの味を、家庭で作れるようにした袋麺です。明治20年(1887年)創業で県内最古の製麺所とされる柏木製麺所が作り、1箱に麺とスープが3食分入っています。コクがありながらさっぱりした豚骨醤油味です。
中華そば 丸田屋「お土産用中華そば」和歌山ラーメンの人気店・丸田屋が、店で毎日仕込む自家製麺と豚骨醤油スープをそのままパックした土産用の中華そばです。チャーシュー、メンマ、かまぼこなどの具も入り、家で温めるだけで店の味を再現できます。冷蔵で届きます。

よくある質問

Q. 和歌山ラーメンと「中華そば」は違うものですか?

A. 同じものです。地元では昔から「中華そば」と呼ばれ、店名やメニューにもこの呼び名が多く使われています。「和歌山ラーメン」は、1998年のブームで全国に知られるようになってから広まった呼び名です。

Q. 卓上の早すしやゆで卵は無料ですか?

A. 無料ではありません。卓上の早すしやゆで卵は自由に取って食べられますが、食べた分は会計のときに自己申告して支払います。早すしは鯖の押し寿司で、ラーメンができるまでの待ち時間に食べる人も多くいます。

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