うずみ

Uzumi (Fukuyama Rice over Hidden Simmered Toppings)

うずみ 1

うずみは、広島県福山市に伝わる郷土料理です。だしで煮たエビや鯛、里芋、にんじん、しいたけなどの具を椀に入れて汁をかけ、その上からご飯を盛って具を覆い隠します。名前は、具をご飯の下に「埋(うず)める」ことに由来します。見た目は白いご飯だけのようですが、箸でご飯を崩すと下から具が現れ、汁がご飯にしみ込んでいきます。始まりは江戸時代とされ、倹約が求められた庶民が、ぜいたくな具を隠して質素に見せたという説が知られています。かつては秋の収穫を祝うごちそうとして、家庭で作られていました。一時は食べる機会が減りましたが、現在は市内の学校給食で出されるほか、鞆の浦(とものうら)などの飲食店でも味わえます。鯛を使ったものや、寿司・釜飯に仕立てたものなど、店ごとの工夫も楽しめます。

発祥

農林水産省の資料によると、うずみは江戸時代に具をご飯の下に埋め、質素に見せかけて食べたことが始まりといわれます。福山藩の倹約政策でぜいたくが禁じられたため、庶民がエビや鯛などの具を隠したという説です。一部の資料は、これを初代藩主・水野勝成の倹約政治と結びつけていますが、発祥には諸説あります。中国地方には、島根県石見地方の「うずめ飯」や岡山県の「備前ばら寿司」など、具を「埋める」食文化がほかにも見られます。

歴史

うずみは昭和40年代まで、秋の収穫を祝う料理としてよく食べられていました。その後は家庭で作る機会が減りましたが、福山市は1990年から、郷土の歴史学習の一環として市内の小学校給食でうずみを出しています。2010年には「福山食ブランド創出市民会議」が設立され、うずみをはじめとする郷土料理のPRが始まりました。農林水産省の広報誌によると、2019年時点でうずみを出す飲食店は市内に28店舗あったとされます。

特徴

具材は地域によって異なり、里芋、にんじん、松茸、しいたけ、エビ、鯛、鶏肉、豆腐などが使われます。だしにも地域差があり、瀬戸内海に面した南部ではいりこ、北部の山間部では干ししいたけでだしをとります。食べるときは、上のご飯を少しずつ崩して汁と具に混ぜながら味わいます。最近は寿司や釜飯のほか、氷の下に果物を埋めた「うずみ氷」、具を埋めたソフトクリームやラーメンなど、創作うずみも生まれています。

主な食材

ご飯鯛エビ里芋にんじんしいたけ・松茸鶏肉・豆腐いりこまたは干ししいたけのだし

食文化

旬の具材を「幸福」や「宝」に見立て、ご飯の下から掘り出しながら食べる縁起のよい料理として親しまれています。学校給食では汁とご飯を別々に配り、児童が自分で汁の上にご飯をのせて食べる形で出されています。

有名店

季節料理 衣笠

広島県福山市鞆町鞆150-12

潮待ちの港として栄えた鞆の浦にある季節料理の店です。福山市の地魚紹介ページでは、マダイを使った「鯛うずみ」が通年の料理として1,300円(税込)で紹介されています。定休日は水曜日(祝日の場合は翌日)です。

なりこま

広島県福山市霞町1-4-19

昭和23年(1948年)創業と紹介される活魚料理の店です。鞆の浦で水揚げされた魚を使った料理が中心で、「天然鯛の餡(あん)かけうずみ」があります。旅行情報サイトでは800円(税抜)で、前日までの予約が必要と案内されています。季節によっては鰆や鮃に替わります。

よくある質問

Q. うずみと、島根県の「うずめ飯」は同じ料理ですか?

A. 具をご飯の下に埋める点は共通していますが、別々の土地に伝わる郷土料理です。うずめ飯は島根県津和野町など石見地方に伝わり、豆腐やしいたけなどの具にわさびを添えるのが特徴です。福山市のうずみは、エビや鯛など瀬戸内の海の幸を使うことが多い点が異なります。

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