土佐あかうしは、高知県で生まれ育った褐毛和種(あかげわしゅ)高知系の牛と、その牛肉のブランド名です。褐毛和種は和牛4品種の一つで、高知系は高知県内でのみ改良されてきました。赤褐色の毛並みに、目の周りや鼻先、ひづめが黒い「毛分け」が見た目の特徴です。肉は赤身のうまみが濃く、細かなサシ(霜降り)がほどよく入り、脂はさっぱりしていると評されます。ルーツは明治時代に役牛として導入された朝鮮半島の牛とされ、昭和30年代後半から肉用に改良されました。霜降りを重視する市場で黒毛和種に押され、2014年(平成26年)には1,595頭まで減りました。その後、ブランド化の取り組みで増加に転じています。流通量が少ないことから「幻の和牛」とも呼ばれ、高知市内の飲食店では、わら焼きやすき焼きなどで味わえます。
発祥
高知県の資料によると、土佐あかうしのルーツは、明治時代初頭に役牛として高知県に導入された朝鮮牛です。役牛とは、田畑を耕したり荷物を運んだりするために飼われた牛のことです。その後、ヨーロッパ原産のシンメンタール種を一時的に交配したり、朝鮮牛を戻し交配したりしながら改良が進みました。大正時代後半からは、群れの中から優れた牛を選び抜く方法で改良が続けられたとされます。
歴史
昭和30年代後半からは、牛の役割が農耕用から食肉用へ移るのに合わせ、肉の量や質を重視した改良が行われました。しかし輸入牛肉の増加や、霜降りが高く評価される市場の中で数を減らし、1993年(平成5年)の8,099頭から2014年には1,595頭となりました。2009年(平成21年)に土佐和牛ブランド推進協議会が設立されて「土佐あかうし」と名付け、2012年には地域団体商標に登録されたと紹介されています。2024年2月1日時点の飼養頭数は2,445頭です。
特徴
土佐あかうしは、生後28か月ほどまでじっくり育てることで、うまみや甘みにかかわるアミノ酸が豊富になるとされます。サシは細かく、脂が溶け始める温度(融点)が低めのため、口の中でさらりと溶けます。2019年には、ロース芯の大きさや皮下脂肪の薄さを測定値で評価する、独自の赤身肉の格付「TRB規格」が定められました。人懐こく好奇心旺盛な性格の牛とも紹介されています。
主な食材
食文化
高知では、カツオのたたきと同じように、わらの強い火で表面をあぶる「わら焼き」が土佐あかうしにも用いられ、香ばしい香りをまとわせます。高知市内の居酒屋や和食店では、わら焼きのほか、すき焼きやしゃぶしゃぶ、炙りユッケ、炙りにぎりなどで提供されています。
有名店
地元食酒 れいほく村
高知県高知市帯屋町1-2-12 俵屋ビル1階
高知県北部の嶺北(れいほく)地域の食材にこだわる居酒屋です。土佐あかうしの料理が多く、炙りにぎりは650円と紹介されています。すじ煮や炙りユッケ、もも肉のたたきもあり、火曜定休とされます。価格は変わることがあります。
詳細を見る →酒肴 かもん亭
高知県高知市はりまや町2-3-13
京都の日本料理店で修業した店主が営む、12席ほどの小さな店です。わらで焼いて香ばしさをまとわせた「土佐あかうしわら焼き」が名物で、1,500円と紹介されています。満席になりやすく、予約がすすめられています。
詳細を見る →藤のや
高知県高知市廿代町4-5
地酒やカツオなどの鮮魚料理がそろう、高知の和風居酒屋です。土佐あかうしの希少な部位を使ったすき焼きが1人前3,500円と紹介されており、しゃぶしゃぶや、ももの藁炙り焼きもあります。価格は変わることがあります。
詳細を見る →| 土佐あかうしの焼肉用肉(ふるさと納税) | 高知市のふるさと納税では、高知県食肉センター株式会社が扱う土佐あかうしの焼肉用バラ肉(約400g)などが返礼品になっています。冷凍で届くため、県外でも土佐あかうしの赤身のうまみを家庭で味わえます。購入先を見る →PR |
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よくある質問
Q. 土佐あかうしと熊本のあか牛は同じ牛ですか?
A. どちらも褐毛和種ですが、系統が異なります。熊本系は阿蘇地域を中心に、北海道など全国各地で飼われています。一方、高知系は高知県内でのみ改良・飼育されており、目の周りや鼻先が黒い「毛分け」が特徴とされます。
Q. 「Tosa Rouge Beef(トサ・ルージュ・ビーフ)」とは何ですか?
A. 土佐あかうしのうち、独自の赤身肉の格付「TRB規格」でR4以上と評価された肉を指します。霜降りの度合いを重視する通常の格付では評価されにくい、ロースの大きさや皮下脂肪の薄さといった特長を、測定値で評価し直す仕組みです。